【嘘】狂狂踊りて咲かすは徒花【予告】


 血が銃のグリップを濡らして滑り落としそうになる。我が怨敵/愛すべき同胞を眼前に置いて斯様な醜態は断じて許容できない。弾倉は尽きた。残っているのは薬室に込められた一発のみ。

 影法師の胸部と思しき位置に腕を引き上げた。銃創がもたらす痛みは脳裏を蹂躙する。口腔にたまった血を飲み下し、なぜと言う言葉も飲み下し、かつて己が光であった人物に銃弾を放つ。

 ビルの狭間から覗く赤い月がせせら笑う。初めて出会ったあの日も満月だった。


 ・手癖で書くとダークなガンアクションに寄りがちなのだなあ。

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