アナちゃとラーマさんが閉じ込められたのは 「一緒に閉じ込められた相手とお互いの良いところを5個ずつ言い合うまで出られない部屋」です。

 なんやかんやで魔術的に脱出できない謎の結界が施された部屋に2人は閉じ込められてしまいました。
「宝具を撃つのは無駄なので素直に条件に従いましょう。どうせダヴィンチちゃんのイタズラでしょうけど」
「才気あふれる悪童というのは困りものだ。実利でよかろう」
 ぶーとブザー音が鳴りました。戦闘関係などの実利面でよい所を言ってもダメなようです。
「更に困った。どうすればいい」
「いやてきとーに容姿とか性格とかおだてればいいんじゃないですか」
「女に対しては真摯でなければならぬ。たとえ貴様がシータでなかろうとも」
「前半だけならいい男に見えますが、後半でなんとなくダメな男の匂いが」
「ダメ男とは何だダメ男とは。何が不満なのだ」
「純愛精神は素晴らしいですが状況にもよるということです」
「ハーレムを作る気は毛頭ないのだが」
「うんもうそれでいいんじゃないですかね。純愛でシータさんに一途なところ―」
 ぴんぽーん
「良い所なのかそれは。余にとって至極当然であるのだが」
「美男子が真面目な顔して断言すると画になりますね、こんな男性と関わりを持てたらどれだけ楽だったか。あ、イケメンなところー」
 ぴんぽーん
 ラーマの頬に朱が差しました。
「え、なんです。シータさんに懸想してると言いながら照れるんですか」
「偽りなくただ顔だけを称えられるのは初めてなだけだ、けして貴様に懸想したわけではない」
「いつから私はギャルゲー主人公になったんですかね」
「さきほどから気になっているが現代文化に馴染み過ぎではないか」
「レイシフトしない間の暇つぶしに職員のPCごと借りたゲーンンッ 文化の影響なのでお気になさらず。こうやって褒めごろせばいいのですよ。目が玉のように綺麗なところー。腰がセクシーなところー。へそがエッチなところー。」
 ぴんぴんぴんぽーん。
「おいダヴィンチ女史、余を何だと思っている。貴様もなぜそれで褒め殺しになるのだ」
「女装させたら私より可愛くなりそうで腹が立ったのでつい」
「余に責任全くなくないかそれ」
 その後、アナちゃんを褒め殺そうとラーマは頑張りましたが暖簾に腕押し。褒められ慣れているアナちゃんに効果はありませんでした。
 ちなみに、シータ以外に褒め言葉を考えようと必死になるラーマの姿をダヴィンチちゃんが笑いながら見ていました。

「これからもたまには私を称えてくださいね、こんなナリでも一応神性持ちですから」
「二度とせぬ、金輪際せぬぞ」


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