ドラマ オリーヴ・キタリッジ

久々に語りたい程に色々考えてしまうドラマを観ました。
全体的にあんにゅいな雰囲気だし人々は悲劇的に、時に喜劇的に死ぬ。

主人公のオリーヴは不愛想で傍若無人で気分屋の中年女性で、今で言う毒母的な一面もあるキャラクター。
彼女の息子からしたら間違いなく毒母。
間違っても私は彼女の子供には生まれたくないってくらい毒母(笑)

ただ人間は色んな顔を持ち合わせているし、オリーヴ自身が気づかない自分自身の一面なんかもあって、それを色々なエピソードで覗き見ることが出来るのが救いといえば救いかな…。

人生の終わりの方では愛するパートナーに先立たれ、愛犬にも死なれ、息子とは不仲のまま音信不通、自殺を考えるも実行できずと老後の不安を一挙に体現してみせてくれるオリーヴ…。誰もが思うこんな老後は嫌だ!シリーズのよう。

でも最後の最後に道端で出会った同年代の男性と孤独をシェアして終ります。
お互いにパートナーの死に打ちひしがれ、孤独と人生の後悔を語り合える唯一の人間。
立派な家や車などの財産はあっても、満たされない想いや寂しさは消えないもんだね。
しかし2人はそれを慰めあえる関係に発展したと思える終わり方で良かった。

老年期のテーマや人生の幕引きを扱う作品に心底弱いし観ていると不安になるし人生ってなんぞや?という普遍的かつ答えのない壮大な問いが止まらなくなってしまう自分としては、このドラマは胸だけでなくあちこちに突き刺さる物語りでした(°▽°)瀕死。

オリーブという人間について

オリーブは欠陥だらけの人間だけど、こういう気難かしくて無愛想で子供に怒鳴るお年寄りって田舎ではあるあるすぎて、逆に親しみを抱きやすいキャラなのだと思う。(私は実害を受けた事があるので苦手な人種だけど)

普段からぶっきらぼうだけど本当はいい人みたいな…ヤンキーの小さな親切が過大評価される現象がオリーヴにも起きている(確信)

原作は知らないけど、もしかしたら原作の方がもっと感じよく読めそうな予感。
ドラマだとどうしてもオリーヴの大人気なさや不愉快さが際立って(わざとなんだろうけど)ざわついてしまうのだった。
でもそういう不愉快な一面すらも含めた人間らしさが魅力なんだろう…なんとも滑稽で自分の中にも感じる愚かな部分と共鳴するから憎めない。

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