逆の立場で考えて。

世の中にはさ、
逆の立場に立って初めてわかることってある。

友達関係だったり、
上司と部下の立場であったり、
先生と生徒、親と子、
色んなものと関わる上で逆の立場で考えることは重要だと思う(俺にいう資格ないけど)。

今回はそんな中でも動物について、
もっと詳しくいうとペットについて逆の立場で考えようっていうのを長々と書きます。

人間と犬を入れ替えてみます。


人間は生きる価値がない。
犬に飼われて初めて価値がつく。
犬の支配下で生活しなければならない。
犬の支配下で生活しなければ、
例えば自然で暮らしていても
犬に捕まって保健所へ。
例えば犬の支配下になれなかったら、

死が待っている。




ここは工場。パピーミル業犬が沢山いる。
大勢の人達が檻の中にいる。
僕もこの檻にいる。

僕はここで産まれた。
それ以来ここで育てられている。
僕と同じ人種が沢山いる。
こういう人種が今犬から人気なのだそう。
だから沢山産ませてるんだ。



こんな小さな檻の中に
こんなに大勢の人がいる。
体調が悪そうな子とかいるし。
すごく気分が悪くなる。
退屈だ。
友達でも作るかな。

「ねぇ君」
僕はある人に声をかけた。

「なん、ですか?」
その人は少し驚いた様子で僕を見た。

「友達になろう!」
「あ、いいですよ。」
「ありがとうございますー」

彼女の名前はほろち。
同じ人種。


あれ?

檻の外で
業犬が段ボールいっぱいに人を詰めている。
そのまま
その段ボールをどこかに持っていった。
僕は不思議に思いほろちに尋ねた。

「あの人達どこに連れて行かされるの?」

「あぁ、人間ショップに連れて行かされるんだよ」

「人間ショップ?」

「犬が人間を買うところだよ。
そこで犬に売られるんだ。
でもあの人たちもラッキーだよね。」

「犬に買われるのがラッキーなの?」

「人間に飼われるのは不幸中の幸い。
病気を持った人や見た目が悪い人は殺されるんだよ。でもあの人たちは殺されなかった。
だからラッキーなんだよ。」

「へぇ、そうなんだ、、」

「私たちの檻の中にもし病気持ちの人がいたらみんな殺処分だよ。」

「ええ?!嫌だよ殺処分とか、」

「まぁ大丈夫でしょ」

ほろちの話にかなり驚いたが、
今の僕には受け入れることしか出来ない。


ん?


ちょっと待てよ。




体調が悪そうな子

いたな、、



「ねぇほろち!」

「どした?」

「あの子見て」

「……。
え見るからに気分悪そうじゃん」

その子は顔が真っ青で
ぐったりとしていた。
風邪でもひいたのかな。

僕は自分を安心させるためか
ほろちに言った。

「まぁあの子風邪っぽいから多分大丈夫だよね、、!」

「そうだよね、流石に風邪ごとぎで殺処分はないよね、、。」




檻の外が騒がしくなってきた。
業犬が慌ててる。
何があったんだ。

業犬が死んだ人間を持っていた。
顔は真っ青な人間。


ん?
向こうのほうからどんどん人間の死体が運ばれてきてる。さっきの段ボールに詰められていた人たちだ。


悟った。


人間同士で感染症が広がっている。
この工場で感染症が。






とっさに檻の中を見た。

あの気分が悪そうな子が、







死んでいる。


これはヤバい。
あの子が死んでいるのを業犬に見られたら、

この檻の中の人間は
おそらく殺処分だ。

今のうちに逃げよう。
ほろちに言おう。

「ほろち、、」

ほろちも悟っていたようだ。

「逃げるぞ」


2話へ続く。







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