部活

そろそろ部活に入ろう

そう思って、
リードとマウスピースとスワブとクロスを
ポーチに入れ、バックに突っ込んで学校へ向かった。

教室に貼ってある部活動紹介のプリントを眺める。
吹奏楽部の欄には、活動日・人数・場所しか書いておらず、どこで入部届けを貰うのかとか体験入部はあるのかとかアポは取るべきなのかとか色んな疑問が頭に浮かんだ。

そして数時間。
7時間目が終わり、下校時間。
ホームルームで先生の話が少し長引いたため
その後急いで音楽室へ向かった。
何度も迷子になって、
先輩や先生に場所を聞いたりして、
5:00に音楽室に到着。

音楽室の前や廊下は吹奏楽部の先輩方が練習をしている。

もしかしたら体験入部ないタイプの学校かな

そんなことを思っていたら、音楽室から1人の女子の先輩が僕に向かって一言言った。

「体験入部?」

「ぁ、はい」
人見知りが出てしまった。

先輩は僕のネクタイの色を見て言った。
「わぁお!デザイン科じゃん!」

僕はそのときなぜデザイン科が珍しく思われてるのか知らなくて疑問に思っていたけど、
とりあえず音楽室に誘導された。

体験入部ではお馴染みのアンケート。
習ってた楽器や出身中学、通学方法など聞かれた。
それを書き終わって提出した時、
僕あるあるが起きた。

そう。
先輩は僕の苗字の漢字とふりがなの違いに驚いてる。
「難しい苗字だね」って言われた。
人生で軽く数千回聞いた言葉だ。
何とか苗字は理解してもらったものの、
次は名前だ。
本来しない読みなので、
不思議に思うのも無理はない。

先輩は名前だけで疲れていた。


「へぇー。クラリネットやってたんだ。」
そう言われクラリネットが入ったケースを渡された。
クラリネット経験者&第一希望がクラリネットということもありとりあえずクラリネットが渡された。

「今日は好きなだけ吹いていいよ」
そう言われた。
中学の体験入部と全然違って少し驚いた。

「ところで、リード持ってきた?」
先輩の問いに
「はい、持ってきました」って言ったら
「わぁー!気が利くぅ!」って言われた。

「マウスピースは?」
「はい、持ってきました」
「わぁー!ありがたー」

なんやかんやあって楽器を組み立て終わる。
楽器を吹くのは定期演奏会以来。
軽く息を吹き込んで楽器を温める。
そしてしばらく適当に音を鳴らした。

音楽室に顧問の先生(おじいちゃん)が入ってきた。
僕に話しかけてきた。
「この部活も30年前に私が作った部活で、それ以来30年間ここで顧問をやってます。」
それから話が続いた。

「デザイン科なんだね」

「はい」

「デザイン科は確か4年ぶりだな」

4年!?だから珍しかったのか、、、

「他の部活でもそうだけどデザイン科は課題とか出されたら部活お休みさせてもらう事があるからね。部活よりも課題の方を優先してくださいね。それから、吹奏楽部は合宿があるからね。2回あります。一回目は遠くで、2回目は校内に泊まります。まぁコロナが流行ったら中止になるかもしれませんけどね。」



人見知りでほとんど聞き流していた。

先生がどっか行った。
先輩が僕の方へ来た。

「良かったら合奏見てく?」
なんとなく断りずらかったので
「はい」とだけ言った。

小さな音楽室に沢山の高校生が集まった。
合奏が始まる。

やっぱり高校生は音がデカい。
なんでそんなに息入るのってなった。

カッコよかった。
てかいい意味でうるさかった。
音楽室が小さいぶん音はあまり響かない。
でもそれを感じさせない。
何より音が綺麗かつデカい。最高やん。






入部届けを貰い楽器を片付け、時刻は6:00。
急いで駅へ向かった。
電車に乗ってチャリに乗って、家に着く。

入部届けを記入した。


先輩の顔面偏差値高すぎ٩(>ω<*)و



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?