女の夜パート4

いつの間にか数え年3⚪になった女は、

世間では、もう、若くはない。


目の回りに刻まれた数本の小皺、

重力と言う名の魔物に逆らえなくなった頬の肉、

霞がかり本当の世界すらも解らなくなって仕舞った視界、

どれだけ塗りだくってもちっとも浸透しなくなったお肌、、、。

胸焼け、胃もたれ、手足の痺れ、、。

色々、兎に角色々有りすぎる。

そして、困った事にこの色々は、これからも、

間違いなく女を待ち受けていると言う事。


悲しいよ。

若い時にはなかったと思いながら、

身体はやっぱり正直で、

失った時間も肉体ももう戻らない。


頭で解っているから心は益々荒涼としてくる。

だから女は、夕方になると、いつも手が伸びる。

気がついたら、子供も泣き止む位の、

熱い口づけをしているのだった。

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