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高橋ツトム/JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~(3)

謎がある。

魅力的な女性。
さっぱりとした性格の美人。
自分の仕事を持っていて行動力もある。
ただ旦那と別れ、一人娘を育てるには、
自分の稼ぎだけでは心もとない。
元旦那はやり手の弁護士。
凄腕で見るからにデキル男風の風貌。
イケメンといっていい。
それなりの養育費をもらっているはずだ。
そんな境遇にある女性が、
次の結婚相手として選ぶのは
一体どんな男だろうか。

何となく主人公の男ではない気がする。
お金はある。
といっても、それほど裕福ではない。
見た目は良い、とは言えない。
いや、はっきりパッとしない。
娘の父親として、
取り立てて適している訳でもない。
なぜ彼女は彼を選んだのだろうか。
彼に選ばれるだけの理由があるだろうか。

そして、そんな分不相応な妻を
もらったにもかかわらず、
主人公の想いは妻に向かっていない。
そんな気がする。
勃起不全に悩んでいた男が、
スーパーED薬を開発したのだ。
だとすれば、その矢印は妻に向かわないだろうか。
妻は妊娠しているから。
彼女の身体を慮った。
という可能性はある。
優しい男なのだ。

でも、もう一度言おう。
妻はこれ以上ないほど魅力的なのだ。
その妻を前にして、我慢できるだろうか。
想いは妻へとまっすぐ向かっていかないだろうか。
妻への想いが募りすぎるほど募らないだろうか。

結論から言えば、
女性は主人公を選び、
彼は妻への想いを秘めながら、
スーパーEDの増産に夢中になる。
だからこそこの物語は生まれ、
そして多くの人を巻き込みながら、
とんでもなく発展していく。

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