見出し画像

河合克敏/とめはねっ!鈴里高校書道部(4)

もし人の心が読める機械があったら、
恋愛はどうなってしまうだろうか。
成就する恋は増えるだろうか。
恋心を抱く人も増えるだろうか。
相手がどう思っているかわかるのだから、
自分を好きだと思ってくれる人とくっつけばいい。
そうでない人からは去ればいいのだから、
単純に考えると増えそうだ。
答え合わせがすぐできる。

でも本当にそうだろうか。
実はお互いの心の裡がブラックボックスで
明らかではないからこそ、
人は恋をするのかもしれない。
恋の成就に喜びがあるのかもしれないとも思う。
恋というのは、
好きか嫌いかの単純な二元ではない
といった側面もありそうだ。

何となく気になる。
いつの間にか目で追っている。
目が離せない。
恋は最初からあるものではなく、
育つものという側面もある。
ひょっとしたら自分のことを
憎からず思ってくれているのではという勘違い、
相手と気持ちが重ならないすれ違い
といったものが恋を大きく育てたりもする。
逆に恋をダメにしてしまうこともあるのだけれど。

触れ合う機会が多ければ多いほど、
勘違いやすれ違いの機会も増える。
同じ部活の中で、
タイプの違う個性がぶつかり刺激しあい、
かすかに惹かれあったりする。
いいぞ、青春!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?