見出し画像

松田奈緒子/重版出来!(11)

2020年は仮想現実が、
実際に使われる年代となるかもしれない。
通信・端末の環境面が整いつつあるのに加え、
くしくもコロナ禍が人々の意識を大きく変えた。
対面でなくても様々なことができると知らしめた。

書籍や漫画の世界では、
紙ではなく電子書籍に親しむ人が増えた。
小さい頃から紙に親しんだ僕にとっては、
電子書籍にはなかなか手が伸びにくい。
軽さや嵩張らなさ、メモや辞書機能、
選択肢の多さと移動などの手間の削減。
メリットは幾つもあるのは分かっている。
それでもそれら周辺を含めて、
読むということがすきなのかもしれない。

学校や現実世界にうまくなじめない子が、
ネットやゲームの世界で自分の居場所を
見つけ出すことがある。
同じように紙の世界で忘れ去られたものが、
電子書籍の世界で輝きだすことがある。
そう思うとネットの世界を毛嫌いし、
遠ざけてばかりではいけないと反省する。

不思議なことに仕事や講義のようなものは、
僕はネット越しがまったく気にならない。
人によってオンライン会議は大丈夫でも、
オンライン講義は無理だなあとか、
電子書籍は問題ないけど漫画は紙に限るとか、
その感覚は様々かもしれない。

慣れの問題も大きいと思う。
時代は変わっていく。
寂しくても、後戻りはできない。
それなりに付いていくしかない。
自分の心地良さに目を配りながら、
時代の中で生きていこう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?