高橋ツトム/JUMBO MAX~ハイパーED薬密造人~(4)
人間の欲望の最後は結局、性なのだろうか。
このマンガには
それぞれの能力や立場・地位によって、
財を成した者たちがたくさん登場する。
そうした者たちがたどり着く先として、
性が描かれる。
彼らが求めるのは、
普通の性・穏やかな性ではなく、
とびっきり刺激的で激しい快感を伴う性だ。
苦労や研磨によって得た成功、
その先にあるのが性しかないのだとしたら、
なんとなく悲しい。
一方でそれが人間だとも思わされる。
ありとあらゆる欲望は、
性に集約していくものなのかもしれない。
自分の生を次に繋いでいくこと、
そこに根源的な歓びを見い出すよう
僕らはプログラミングされている。
DNAの強い意思がある。
一方、自分の生を次世代へ繋いていくのとは
矛盾しているものもある。
自分の生を危険にさらす。
危ない橋を渡る。
死の淵ギリギリまで行って、
広がる闇を目に焼きつけることに快感を覚える。
自分という存在が消える忘我の境地、
自分が世界とひとつに溶けて混じるような
感覚の快感もある。
死と紙一重の感覚には、
強い生があり、性が色濃く匂う。
誰もが企み、その意図が複雑に絡む。
どの糸とどの糸がどうもつれていくのか
分からないけれど、
何かが起こりそうな予感に満ちる。
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