「自分自身になる」
「自分自身になる」
ウィリアム・ブリッジズの書籍に出てくる言葉だ。
「自分自身」とは具体化に何を指すのだろう。
アイデンティティ
自己概念
ego
本来の自分…
ここでは
ありのままの自分
と捉えてみたい。
あまりに唐突だが
「自分」を「地球」に見立てるならば
くっきりとその輪郭を認識できるのは
日の当たっている現在地だけ。
地球の反対側
深海
マントルから核に向かう部分
もしくは、太陽系の中での
星の並び位置
こうした目に触れにくいあらゆる部分も
全部「地球」であり
かなり強引ではあるが
まるごと「自分自身」と言えるのだろう。
◇
「自分自身になる」
何かの宣誓のようで、なんだか潔い。
一度きりの人生の中で
他の誰か
自分以外の
なにものにもなり得ないこと
当たり前のことも、意識化しないと
メディアも含めた媒体に飲み込まれがちな環境の中で
私たちは暮らしている。
もちろん、ときにはあえて飲み込まれ
その足場や感触、臨場感
空気を感じるのも必要なのだろう。
特に
自分自身の方位磁石がまだ不安定なとき
新しい環境にこれから馴染もうというときには
与えられた枠の中で
しっかりと「型」を知るのも有効だ。
その後
より「自分らしさ」を求める段階で
改めて「型破り」を行っていけば
もっと新しい世界が広がってゆくのかもしれない。
◇
ウィリアム・ブリッジズは
転機を繰り返し
ニュートラル・ゾーンを何度も引き受けることで
「自分自身になる」
と言っている
それは長い旅のようだ。
ある方によると、それはやはり
「永遠のプロセス」
なのだという。
地球は自転しながら公転する。
同じような毎日を繰り返しながら
確実にカレンダーはページを進めてゆく。
それでも軌道を外すことはないまま
ある程度の見通しの中で、人は生きてゆけるのだろう。
◇
現在のこの状況にも
そのうち新しい身通しが立つはずだ。