『ファイトソング』第5話

いよいよ中盤戦。ファイトソング第5話。
取り組みで心が動いたのはまだ途中だった…動いた心が内から外へと意識を向かわせ、突き動かされるように実際に行動に移していく芦田さんを応援したくなる回でした。

屋上での心が通い合ったスタートラインの後、握手から思わず花枝ちゃんを抱きよせた芦田さん。でも、一緒にいたい、恋の取り組みを続けたいとは言い出せなくて…その後想いが溢れて花枝ちゃんを追って屋上から駆け降りたけれど、既に彼女はいなかった。
抱きしめた腕を緩めてしまった後悔と、ようやく気付いた遅すぎる本当の想いと、あの笑顔にもう会えない悲しさが顔を手で覆って立ち尽くす芦田さんから伝わってきて…胸がギュッとなりました。

この出来事が、芦田さんを変えたんだろうなぁと思います。
恋とは?の箇条書きの最後に挙げた"別れ"の痛み。実際に経験したことで、心が動くだけではダメなのだ、実際に行動に移して伝えなければ始まらない、恋とはさらに動き出さずにいられない力をくれるものだと気付いたんだろうなぁ。
湧いてきた新曲への熱意を社長に直談判に行って、会いたい気持ちに正直に花枝ちゃんの元へ走った芦田さんは、それまでの何となく怖気付いて一歩が踏み出せない様子とは別人。恋のエネルギーを身をもって感じたのかも。力をくれるもの、それが芦田さんの恋とは?の答え。

同じ経験を共有した花枝ちゃんと芦田さんとで、恋への感じ方が正反対なのが興味深かったなぁ。
芦田さんに会いたい気持ちが募りすぎて「恋って人を弱っちくする」と言った花枝ちゃん。あくまでも思い出作りと割り切っていたはずなのに、本当に芦田さんに心が向いてしまっていることに戸惑っているのかもなぁ。

今回は薫くんのエピソードも良かった。
最初の登場こそ芦田さんにまとわりついてる嫌な奴かと思ったけれど、実際は憎まれ口叩きつつ芦田さんにそっと寄り添ってる優しい人。
高校生の頃に勝手に期待しておいて見かけ倒しだと失望されることが続いた薫くんは、芦田さんに「そのままでいい、俺を信じろ」とありのまま受け入れてもらえたことが嬉しかったんだろうなぁ。だからこそ、自分は、自分だけは芦田さんに見切りをつけて去るようなことはしない、どこまでも信じて付いていくと心の奥底で決めているのが見守る表情から分かる。
最近では調子いいけど憎めないかわいこちゃんキャラだなと!芦田さんがクビになると分かると「田舎に帰るのはダメ。俺ヤだぞ」とどこまでも一緒に行く気満々だったり、執行猶予延長と分かると包丁トントンの手振りで喜んだり引っ越し用に梱包していた台所用品をいそいそ戻したり。
あんなに料理好きで美味しいもの作れるんだから、いっそお店始めたらいいのに。ダイニングバー『MUSASABI』とか(笑)バーバーサッコに集う面々とかいいカモ…もとい、常連さんになってくれそうだな、なんて。
薫くんの今後の展開にも注目していきたいです。

そして次回。いよいよ花枝ちゃんの耳のお話がメインになってくるのかなぁ。1週間で曲を作ることになった芦田さんに寄り添って支えようとした花枝ちゃんが、自分にもそんな風に寄り添おうとしてくれる人がたくさんいることに早く気付いてほしいなぁと思います。


2021.2.13   うーたん

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