『ファイトソング』第6話

いよいよ後半戦に入ったファイトソング第6話。
恋の取り組みと称して同じ時間を共有している花枝ちゃんと芦田さんだけれど、少しずつズレが露わになってきているなぁと思いました。

恋の取り組みが終わる"その日"が明確で、あくまでも思い出作りスタンスを貫く花枝ちゃん。一方、心が動いてどんどん感度が高まって、取り組みと本気の恋の境目が曖昧になってきている芦田さん。二人一緒にいて同じ出来事を共有していても、場面を切り取って心のアルバムに収めていくのと相手との時間をありのまま楽しむのとではやっぱり微妙に違ってくる。

そこのところは、芦田さんも気付いているわけで。花枝ちゃんからやたら「思い出」というキーワードが出てくるから。でも聞いても教えてはくれない。
取り組みのその先も人生は続いていくのに…二人の関係も形が変わるとしても続けられるのに…芦田さんがいくら心を寄せようとしても、花枝ちゃんがあそこまで頑なではどうしようもない。「いい思い出になる」という花枝ちゃんの先がないことを含ませた言い方に悲しそうな目をする芦田さんが印象的でした。

それにしても、花枝ちゃんが頑固すぎる!ずっと強くあろうとして泣くこともなく、これまで張り詰めた気持ちのまま生きてきて、病気のことを知られたくない気持ちは分かるけれど、ひとりぼっちで生きている訳ではないのだからもう少し周囲を信じて頼ってみたらいいのになぁ。花枝ちゃんこそ、もっと心が動くといいなぁ。
もっと、思い出作りの協力者としてではなく、芦田さんのそのままの人柄を見てあげて…芦田さんを少女漫画みたいなキラキラお目目のままでいさせてあげて…と思います。

今回は、芦田さんの心が動きまくってましたね!
一人ジェットコースターで風をきった後、心の中に爽やかな目覚めの風が吹き抜けたように、溢れてくる想いを抑えきれず滔々と語る芦田さんは哲学者のよう。新たな気付きに驚きじわじわ喜びに満ちてくる様子があの長台詞が進むごとに伝わってきて…こういう繊細な語り口調と表情で魅せてくれる間宮さんのお芝居が本当に好き!
「隣に花枝がいないと色が無くなる」と言った芦田さん、暗闇を抜けて今は花枝ちゃんも花枝ちゃん越しに見る景色も虹色に輝いてるんだろうなぁ。
1話の伏し目がちで消え入りそうな芦田さんの雰囲気からすると「…クララが立った!」くらいの感動がそこにあるなあと思います(笑)

次回はいよいよ花枝が周囲に秘密を打ち明けて物語の舵が切られそうです。
芦田さんには病気のことを知らせるつもりもないと花枝ちゃんは言うけれどそんな上手いこと進むはずはなく…
芦田さんが病気のことをどう知ることになるのか?自分だけ教えてもらえなかったことを知った時どう感じるのか?これからの恋の取り組みの顛末は?
ドキドキしながら第7話以降も見守りたいと思います。


2022.2.20  うーたん

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