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その時、少女は。

こんばんは
重い腰を上げつつ、私はこの記事を書いている。
誰も書けと言っているわけではないし、ましてや更新を待っている人などはいるとは到底思えない。

しかしながら、書くわけだが
最初に1つ言わせてくれ。
スマホで、しかもブラウザで記事を書くのに
すっごい使いづらいぞ、これ。
なんか...画面が上へ下へと行ったり来たりするじゃないか。
このままでは、酔っちゃって更新するのに身を削りすぎる。対策を取らねば。

先日、久々にショッピングモールへ行った。
いまのご時世、なかなかそういうところに行くのにも抵抗がある。

しかしながら、久々に行った。そう、久々に行ったのだ。
コロナコロナと騒ぐ以前に比べたら、お客さんの数もだいぶ少なく店内を見るにはちょうどいい感じで、なかなかに楽しめた。

ついつい人の行動を観察する癖も、捗った。
かと言って人間観察が好きなわけではない。
きっと観察とは言うが、何も考えていない時に
「観察」と言う行為がちょうど良いんだと思う。

ある程度見たい店も行き、必要なものはなんだったか…と考えながら無印良品へ向かった。

その日は平日だったので、家族連れというよりは
子連れのお母さんが割合多くいた印象。
もちろん、無印良品にもだ。

私の視界にふと入った少女が居た。
すこし店の隅っこというか通路の端にひっそりと
いや、存在感はあった気がする。
少女は怪訝そうな顔で鼻をほじっていた。

きっと汚いものだとわかっているのだろう。
必要以上に指を奥まで深追いせず、出来ることならなるべく手前でカタをつけたいと言わんばかりのほじり様だった。
少女の傍にはさらに小さい弟が。
しかし、少女は弟に構うことなく怪訝な表情で
鼻をほじっていた。

そして私はその光景
いや、そのことの顛末が気になり目が離せなかった。

怖いもの見たさなのか、ただの好奇心なのか。
よせば良いのについつい見ちゃう、あの感じ。

その時、少女は指先に微かなスタッグを感じた。
もちろん、想像だ。視覚から得られる情報だけを文字にしている。

スタッグを感じ、逃すまいと手繰り寄せる。
見事だった。

少女はその小さな指先に戦利品を携えていた。
私も自分のことの様に喜んだ。(もちろん心の中でね)

私は素晴らしい瞬間に立ち会えた。
ありがとう、少女よ。
私は心の中で精一杯のスタンディングオベーションを捧げた。

決定的瞬間に立ち会えたなら、長居は野暮だ。
私は私の買い物に戻ろう。

そう思った瞬間だ。

少女はその指先をおもむろに口へと運んだ。
その時も少女は怪訝な表情を浮かべ、ひと思いに放り込むのではなく唇に触れぬ様前歯だけで食べたのだった。

あ、そこまでで1セットのパターンね。と
妙に冷静さを保ちつつ、この時のショックは確実に私にダメージを与えた。

これ以上はダメだ。
これ以上見続けるのも野暮だ。と私は見るのをやめた。

それから1ヶ月程経っただろうか。
あの時を思い出して、少女に言いたい。

汚いから食べちゃダメだと。



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