データマネジメントの重要性

変化が激しく、不透明で先行きが予測できない昨今の経営環境を、

  • Volatility(変動性)

  • Uncertainty(不確実性)

  • Complexity(複雑性)

  • Ambiguity(不透明性)

の頭文字をとってVUCA(ブーカ)という言葉で表すことがあります。
それは、SNSやモバイル技術によって人と人がつながる時間や距離が短くなったことで、個人の欲望や考えが、複雑なネットワークを介してすぐに世界中に広がり、いつどこで、どんな需要が生まれるか読みづらく、欲求の新陳代謝も激しくなっているからではないでしょうか。
このように、先行き不透明で予測困難な時代、経験や勘に頼るのではなく
稼ぐ力を持つ資産としてのデータをどう利活用してくか
ということが会社を発展させていくための重要な課題となっています。
「データは新しい石油(Data is the new oil)」と言われています。
会社に眠っているデータを、人やAIが、いかにうまく利活用して企業価値を生み出すことができるかが重要なのです。

データ利活用の重要性

皆さんは、データドリブン経営という言葉をご存知でしょうか。
一般的には、経営判断やビジネス戦略の決定に、データや分析結果を活用することを指しますが、ここでは、
社員一人ひとりがデータを利活用して自律的に業務課題を解決することができる状態に変革すること
を目指します。
具体的には、データマネジメントが導入された後、戦略サイクルの構築、運用フェーズで、社員一人ひとりがデータを活用して仮説を検証するマネジメントサイクル(PDCA)を遂行します

データドリブンのマネジメントサイクル


PDCAの結果をすべて記録しノウハウとして蓄積することで学習し進化する組織が実現します。

さて、データにはライフサイクルがあります。

データのライフサイクル

このデータのライフサイクルの中で、データが直接経済価値を生む活動は「データ利活用」です。
しかし、事業戦略を実現するために必要なデータを特定し、それを、どう収集し、どう活用するか考える計画活動がなければ、会社にとって必要なデータを計画的に収集し活用することはできません。
また、会社全体のデータを設計、実装し、生成、収集しなければ、適切な人が、適切なタイミングで、適切なデータを、適切な形式かつ適切な詳細度で活用することはできません。
間違ったデータの活用は、間違った意思決定につながりますし、誰もが機密データにアクセスできるようであればデータの漏洩リスクが高くなります。
さらに、データを適切に保存、維持しなければ、重要なデータが喪失する可能性もあります。
データを利活用するためには、データのライフサイクルを全体を通して、データを適切に管理するデータマネジメントが必要なのです。
データマネジメントに関する知識を体系立ててまとめた書籍にデータマネジメント知識体系(DMBOK)があります。


データマネジメント知識体系(DMBOK)

DMBOKでは、セキュリティや品質が確保されていないデータがもたらす事象として以下のような例をあげています。

  • 誤請求

  • 顧客サービスコールの増加とそれを解決する能力の低下

  • 事業機会の逸失による収益損失

  • 合弁・買収の間に発生する業務統合の遅延

  • 不正行為発覚の増加

  • 不正なデータに起因する業務上の意思決定不備がもたらす損失

  • 良好な信用力の欠如による事業の損失

データを効果的、効率的に利活用するためには、データを保護し、その品質を確保してデータの資産価値を維持向上させるためのデータマネジメントがとても重要です。

データマネジメントは、データドリブン経営実現の土台であり、会社を発展させるための基盤なのです。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?