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鉄道旅行―大回り乗車の醍醐味

こんにちは。洛星鉄研です。
今回は、鉄道で旅行するときの手段の一つ、「大回り乗車」の実践方法や魅力について紹介したいと思います。


大回り乗車とは?

大回り乗車とは、簡単に言うと、「特定の区間内で、長い距離をより少ない金額で乗車できる特例」のことです。
もう少し具体的に説明します。大回り乗車は、東京や大阪などの大都市において、JRが指定している「大都市近郊区間」内でのみ行うことができます。

大都市近郊区間の例―大阪近郊区間

この区間内で、普通列車や快速列車などの普通乗車券のみを利用する場合、移動距離に関わらず最も運賃が安くなる経路で運賃が計算されます。つまり、特急列車などを使わなければ、どれだけ進んでも改札に入った駅から出た駅までの最短距離の運賃で計算されるということです。
洛星鉄研でも何度か、メンバー数人で大回り乗車による鉄道旅行をしたことがあります。

大回り乗車の例―尼崎駅から加古川線へ

ここまで説明しても、まだわからない人の方が多いと思うので、実際におこなった大回り乗車のプランを紹介します。

図の赤く塗られている部分がルート。矢印の方向に大回り乗車すると考える。

起点は、兵庫県にある尼崎駅。ここから加古川線、福知山線を通って、尼崎駅へ戻るルート(上図)を考えます。
尼崎駅で大回り乗車に用いる乗車券を買うのですが、ここで尼崎駅の一駅隣の駅である、塚口駅までの乗車券を購入します。どう考えてもルートの距離より短すぎるじゃないか、と思うかもしれません。しかし、これが最終的には上手くいくのです。

JR神戸線 加古川駅

JR神戸線で加古川駅へと向かいます。この駅から、目的の路線である加古川線に乗り換えることができます。ただし、JR神戸線から加古川線へと乗り換えるには中間改札を通らないといけません。この場合、駅員に大回り乗車をしているということをしっかり伝えれば、改札を通してもらえます。この確認してもらう行程は絶対に怠らないようにしましょう。

加古川駅 中間改札

ちなみに、私たちが大回り乗車をしたときは、この駅の改札内にある蕎麦屋で昼食を食べました。

加古川線で使用されている125系

目的である加古川線に乗り換えます。私たちが乗ったときは、予想以上の乗客数にびっくりしました。

図の赤く塗られている部分が本来の乗車距離、黄色く塗られている部分(少しわかりづらいが)が実際に運賃を支払う分の乗車距離である。

加古川線を思う存分楽しんだ後は、加古川線の終点駅である谷川駅で福知山線に乗り換えます。このまま福知山線を辿ると、最初に乗車券の区間の上限に指定した、塚口駅へと行き着きます。では、このとき塚口駅で改札を出るとどうなるでしょうか。先述した通り、大都市近郊区間内で改札を出ずに乗り継いだとき、運賃は改札に入った駅から改札を出た駅までの最短距離で計算されます。そのため、ここでは起点の尼崎駅から改札を出た塚口駅まで、つまり最初に買った乗車券の区間のみの運賃で済むのです(上図参照)。こうして、加古川線や福知山線を使ったぐるっと一周したルートの運賃を、尼崎駅から塚口駅までの運賃150円に抑えることができるのです。

大回り乗車の魅力

大回り乗車の利点は何といっても、運賃を安く抑えられる点です。例で見たように、本来は1000円以上かかる運賃を、200円にも満たない金額に抑えることができます。駅を出て観光をしたい人には不向きですが、とにかくたくさんの路線に乗りたい、あるいはそこで写真を撮りたい乗り鉄・撮り鉄にとっては画期的なシステムだと思います。
また、実際に乗ることだけでなく、どんな風に乗り継げば安く済むだろうかと計画を立てることも大回り乗車の魅力の一つです。ここをこういう風に通れば、重複せずに長い距離を乗り継げるというように、考えれば考えるほど発想が広がっていきます。インターネット上にも、たくさんの人が考えたモデルルートがあるので、ぜひ一度調べてみてはいかがでしょうか。

大回り乗車の注意点

ここで、大回り乗車をする際に注意すべきことがいくつかあります。
まず第一に、途中で改札を出てはいけないということです。大回りの途中で改札を出てしまうと、そのとき改札を出た駅までの運賃で計算されるため、乗り越した金額を支払わないといけません。だから、もし乗り換え時に中間改札がある場合は、加古川駅の例のように駅員に事情を説明しないといけません。
そしてもう一つ重要なのは、絶対にルートが重複してはいけないことです。もしもルートが重複していると、大回り乗車が成立しません。そのため、特に自分で考えたルートで大回り乗車をする場合、ルートが重複していないかどうか、入念にチェックする必要があります。
この他にも細かなルールがいくつかあるので、初めて大回りをする方は、他の人の考えた信用できるルートにすることをおすすめします。

最後に

長々と書いてしまい、申し訳ありません…この記事を見て、少しでも大回り乗車に興味を抱いてくれたら幸いです。ここまで読んでくださってありがとうございました。


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