![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/102041398/rectangle_large_type_2_ff65eda0777ef22358cd1c1601a0f04c.png?width=1200)
内部統制の「整備状況」とは?
経理・監査・アドバイザリー業務で頻繁に使用する「内部統制の整備状況」という言葉。この「整備状況」とはどのような意味でしょうか?
結論から言うと、内部統制の整備状況とは、「内部統制のデザイン及び業務への適用の状況」のことです。
基準等において「整備状況」の定義が直接記載されていないためそれぞれの「整備状況の評価方法」を参考に「内部統制の整備状況」の意味を考えていきます。
1.財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準
業務プロセスに係る内部統制の整備状況の有効性の評価を例にとると、整備状況の評価については以下のように記載されています。
内部統制が規程や方針に従って運用された場合に、財務報告の重要な事項に虚偽記載が発生するリスクを十分に低減できるものとなっているか
内部統制が財務諸表の勘定科目、注記及び開示項目に虚偽記載が発生するリスクを合理的なレベルまで低減するものとなっているか
2.財務報告内部統制監査基準報告書第1号「財務報告に係る内部統制の監査」
全社統制の評価方法に関する記載では以下のことを評価することになっています。
経営者の採用する評価項目が、内部統制評価の実施基準の(参考1)に示された財務報告に係る全社的な内部統制に関する評価項目の例に照らして、企業の状況に即した適切な内容となっているかどうか
整備状況の評価の検討には、内部統制のデザインの検討と、それが業務に適用されているかど うか
また、業務プロセスの評価方法に関しては以下のことを評価することになっています。
識別したリスクが適切であるかどうか及び当該リスクに対して経営者が識別した統制上の要点が妥当であり、当該統制上の要点が有効に運用された場合に虚偽記載の発生するリスクを防止又は適時に発見することが可能であるかどうか
内部統制の適切な管理者及び担当者が内部統制の整備に関し、必要な権限や能力を有しているかどうか、担当者が内部統制を無視した指示を受けることがあるかどうか
3.監査基準報告書 315
監基報では内部統制の整備と整備状況の評価について以下の通りとされています。
整備(デザインと業務への適用を含む。)
統制活動の理解において識別された個々の内部統制の評価
① 当該内部統制が、アサーション・レベルの重要な虚偽表示リスクに効果的に対応するようにデザインされているか、又は他の内部統制の運用を支援するよう効果的にデザインされているかの評価
② 企業の担当者への質問に追加して他の手続を実施することによる、当該内部統制が業務に適用されているかの判断
4.まとめ
以上の基準等における内部統制の整備状況及びその評価方法に関する定めを見ると、内部統制の整備状況とは「内部統制のデザイン及び業務への適用の状況」だと言えます。
なお、「適用」とは捉えにくい言葉で「運用」との違いがハッキリしません。
ここは別の機会にお話します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?