沖縄記録01

【沖縄記録 6】行き当たりばったりバスの旅

 沖縄旅では、バスの時刻は本当に読めない。那覇市内はともかく、遠征するときは少々予定が狂うことは覚悟しないといけない。

 そんなわけで私が敢行したのは、「とにかく来たバスに乗る」という旅だった。朝、遠距離用のバス停で待っていると来たのはコザ行き。何があるのかわからないまま、とにかく乗る。

 昼のコザは少しさびしい街だった。

 シャッターの締まった通りを、とりあえず歩いていく。何も調べてこなかったので、行くべき所もない。再びバス停に戻るものの、次のバスまでは時間があった。なんとなくまた、歩き始める。気付くと基地の周りを2キロほど進んでいた。さすがに疲れたので途中のバス停で再びバスを待つ。

 次は、読谷方面行きだった。ちなみに沖縄のバスは「〇〇線」と書いてあるので、行き先がよくわからない。

 地図で調べると、途中に「むら咲村」やビーチがある。ちょっと歩かなければならないけど、「4キロまでは歩く」という発想で旅しているので躊躇はなかった。

 むら咲村は沖縄の様々なことを体験できる施設で、入場料もお手頃。ゆっくりできれば大変楽しいだろうが、そうも行かない旅である。ここまで来たらビーチへ! とサトウキビ畑の間をさらに進む。

 着いたビーチはリゾートホテル付属のもので、私はとても場違いな感じであった。そして私はここでコンタクトを落とした。実はそれ以来眼鏡オンリー人生である……

 帰り道、少し方向がわからなくなり迷っていると「チビリガマ」の文字を見つけた。事前に読んできた本にその名前があったのを思い出した。まったく予定していなかったものの、ガマに呼ばれるようにしてたどり着いたのだと思った。

 (ピンぼけ写真で申し訳ありません) 階段を下りて行ったところに、ひっそりとそのガマはあった。千羽鶴が捧げられていた。悪意を持って物を壊す人などがいるため、ガマの中には入れなくなっているとのことだった。

 多くの人がここで命を落とした。そういうことは、二度と起こらないようにと願った。

 さすがにこれ以上は進めない。帰りのバスに乗って、宿へと戻った。

 自動車免許がないため、私の旅はよくこんな感じになる。でも、行き当たりばったりバス旅も、なかなかに楽しいものである。

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