沖縄記録01

【沖縄記録 3】おじさんと一緒

 全く予想外のことながら、タクシーのおじさんにいろいろと案内してもらうことになった。

 喜屋武岬を後にし、向かったのはひめゆりの塔。思っていたよりもお土産屋さんなどがあり賑やかであった。

「ちゃんとお祈りした?」

 おじさんに聞かれる。一人で来ていたら絶対に体験できない「思い」を感じる。

 その後は平和祈念公園へ。戦没者の名前が書かれたプレートの前で「名前あるかもよ」と言われた。そう、私の祖父は戦争当時軍人だった。一瞬探しかけたが……よく考えたら生きているのであるはずがなかった(その後亡くなりました)。

 その後おじさんに連れられて、沖縄そばのお店へ。完全になされるがままである。おばあが一人でやる店でおいしく沖縄そばをいただき、サーダーアンダギーをいただいた。ちなみに当時初めてその名前を聞いたので、旅行メモには「サーラーアンラギーいただく」と書かれている。

 次はまた、おじさんに紹介された場所、グラスボート乗り場である。完全におじさんと地元観光業者の策略に乗せられているようだが、私も存分に楽しんでいた。戦争について学びに来たのだが、やはり来た以上は現地を楽しむのが筋ではなかろうか。

 さすがにおじさんは乗らないので、私はカップルたちに囲まれて一人で乗ることに。

 でも、楽しかったよ!

 おじさんはいかにも現地の人っぽいにもかかわらず、こちらにわかりやすいように話してくれた。さすがプロである。私のようにバスを当て込んだ観光客を何人も案内してきたのだろう。私は心地良くカモになれたのである。






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