沖縄記録01

【沖縄記録 9】 やんばるのマングローブ

 沖縄と言えば海のイメージだが、本島北部は結構山深い。

 美ら海水族館や伊江島方面に行くときにも経由するのが名護だが、バスでやんばる方面に行くにもここを通ることになる。今度は日本ハムのキャンプをしていた。

 名護バスターミナルは静かだが、バスの出入りはそこそこ多い。

 あまり天気は良くなかった。乗客も私以外には女子高生が一人。北部へ向けて、バスが出発する。

 「第二宇出那覇」という、珍しい名前のバス停で下りる。台風で倒れたままなのか、斜めになった標識に、縦に時刻表が貼られていた。

 沖縄だが、ひどく肌寒かった。上着を持っていないのか、道行く女の子がビニールを羽織っていた。オフシーズンということで、宿は静かだ。私以外には、村役場で紹介されてきたというドイツ人のグループだけ。広い離れの部屋に、ぽつんと一人。

 裏手は山。近くに小さなお店があり、そこで泡盛を買った。夜になると地元のおじさんたちが来て、一緒に夕食。何を言っているのかは、全く聞き取れなかった。

 次の日は現地調査。マングローブ林を楽しむグリーンツーリズムである。

 やはり寒い。普通はグループで申し込むところ、たまたま個人で申し込んだ三人が一組となり、トレッキングとカヌー。道はしっかりと整備されており、ガイドも分かりやすかった。保護区域に指定されたため漁ができず、そのためにツーリズムに力を入れている面もあるようだ。

 カヌーはさらに寒い。夏だとわざと水に入ったりするそうだが、今回は命がけで転覆を避ける。

 待合室に戻ってくると、ガイドのお兄さんが三線を弾いてくれた。那覇から来たお姉さんのありがたいお言葉。「暗いうちに来ると街灯が無くて怖かった。思ったより遠かった。沖縄広い」

 帰りは、島の反対側を通るバスに乗る。確かに、沖縄は広かった。

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