沖縄記録01

【沖縄記録 2】 バスを諦め喜屋武岬

 沖縄二日目。ガイドブックを頼りに目指すのは、本島南部。免許を持っていないため、バスで目指すことになる。

 私はローカルバスが好きである。狭い路地を入っていくと、その土地の香りが感じられるようである。

 そして糸満へ。乗りついでひめゆりの塔など目指そうと思ったところ……ない。乗り継ぎのバスがかなり先までない。もう少し本数があると思っていたので、面食らった。

 そんな私のような旅人を待っているのだろう、タクシーのおじちゃんが近寄ってきて「案内しようか」と言ってきた。選択肢はなかった。おじちゃんと一日定額契約を結び、ガイドもしてもらうことに。

 そんなわけでサトウキビ畑を抜けてやって来たのは、喜屋武岬。

 沖縄本島南端の岬であり、海がずっと続いている。二人以外には誰もおらず、波の音が響いていた。

「あそこにひびがあるでしょ。逃げてきた人々をね、海から砲撃したの」

 覗き込むと、確かに不自然なひび割れが見えた。一人だったら訪れていなかった場所で、聞けなかったであろう話を聞く。

 他には特に爪痕は見えず、とても平和に思えた。けれども本当は、色々なものが隠れたまま残っているのだろうと感じた。戦争を感じる沖縄の旅は、ここから色濃くなっていく。

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