『ASOBINOTES ONLINE FES』こと『AOF』で、『電音部』という時代の変わり目に立ち会ってしまった


6月28日日曜、初めてネット上でリアルタイムに時代の変わり目に立ち会った。


前提

これを書いているのは、アイドルマスターシンデレラガールズのP歴約8年、ライブはLV含めればナンバリング全通、アラサーの筋金入りのデレPである。


2020年6月28日(日)、『ASOBINOTES ONLINE FES』(以下『AOF』)をリアルタイムでフル視聴した。

 https://asobinotes.bn-ent.net/

新木場スタジオコーストからの、リアルタイムDJ配信イベント。

アーカイブ配信は無しと、事前に運営が明言。

しかし、出演者とタイムテーブルは紹介あり。


デレPという自分にとっての目玉は、森久保乃々役高橋花林さんの生DJと、作曲陣からはイノタクことTAKU INOE氏(Hotel Moonside等)、佐藤貴文氏(アイマスシリーズ楽曲提供超多数)、それにミフメイ氏(バベル等)。

高橋花林さんは、2019年9月、

『アイドルマスター シンデレラガールズ DJ PARTY Presented byアニON STATION しんげきカフェ くらいまっくす!』

https://twitter.com/namco_anion/status/1168147861768302592

というイベントにゲストDJとして出演。それ以来約半年後、企業の公式イベントとしては初となる、DJとしての出演になる。

作曲陣のお三方は、誰しもが "強い" 持ち曲がある。

ミフメイ氏は、昨年11月、ナゴヤドームを狂乱の渦に巻き込んだ『バベル』。

佐藤氏は、直近ではミリオンライブ感謝祭にて企画提示された『Do the IDOL!! ~断崖絶壁チュパカブラ~』。

そしてイノタク氏は、言わずと知れた『Hotel Moonside』。

見ずにはいれない。そう強く思わせるタイムテーブルだった。


当日の視聴状況

AOFは、Twitchとアソビストア(バンナム直営)公式サイトの2系統で配信。

Twitch版はコメント投稿対応でアソビストアは非対応だが、自分は以前からのアソビストア会員だったこともあり、負荷軽減も兼ねてアソビストアで視聴。


AOFは "CHARACTER""GAME""VIRTUAL""AKIBA POP"の4画面同時配信。しかもアーカイブ無し。

しかし、その4画面については1クリックでほぼラグ無しに切り替え可能(PC視聴のみ)。

現実のフェス会場よりも、はるかに簡単かつ迅速にステージ間の移動が可能なシステム。

これに救われる面もあれば、「天津飯でも見切れねぇよ!!」というレベルのコンテンツ被りを食らう場面もあった。

具体的には、佐藤貴文~高橋花林(CHARACTER)と、AJURIKA(GAME。デレマス曲"Needle Lite"等多数)。それと、イノタク(CHARACTER)と渡辺量(GAME。アイマス曲"アマテラス""楽園"等)。

実際のところ、どちらの組み合わせにおいても、アイマス曲は被らないようにタイミングをずらしていたし、画面切り替えがシームレスだったので視聴においてそこまで困ることは無かった。

おかげで、佐藤氏のアイマスオンリーセトリ→AJURIKA氏のアイマス曲→高橋花林ちゃんのアイマスオンリーとロスなく見れたり、イノタク氏と渡辺氏のバチバチなぶつかり合いを堪能することが出来た。


本題。電音部について

16時から開始し、4画面同時配信だったステージも、20時過ぎの最終盤には2つだけに絞られた。

ミフメイ氏による美麗な旋律と、kz氏の治安の悪い重低音+Pikazo氏のリモートライブペインティングという組み合わせで、ラストステージは進んでいく。

ミフメイ氏のバベル→不埒なCANVAS→踊るFLAGSHIPというシンデレラ最新ナンバー3連発からの〆を経て、ステージはkz氏の一つだけに。

そして始まるタイムテーブル『新たな幕開け』。kz氏の完全新曲発表から、告知PVが始まる


電音部 


https://denonbu.jp/

バンダイナムコ主導の、完全新作IP。新規キャラクターコンテンツ。

参加するのは、このAOFにて出演した、新進気鋭のサウンドクリエイター陣。

アイドルアニメ等出演歴のある声優陣。

そして、Vtuberコンテンツ『にじさんじ』から、声優としてVtuber3名参加。

Vtuberの中の人名義ではなく、Vtuberとして、声優陣と肩を並べて。


極上のサウンドと安酒でトリップした脳に、吹き飛びそうな衝撃が走っていた。


具体的に、受けたショックの内容


箇条書きで、さっくりと3項目。


1.アーカイブ無しの生配信という、リアルタイムな場における発表

5桁の視聴者を集められるDJ・サウンドクリエイター・タレントを集め、5時間近い放映の最後の最後で、完全新規コンテンツとしての発表。

あまりにも壮大すぎる前フリ。だが、その前フリがあまりにも楽しすぎた。

配信冒頭のMCで「観客有りのイベントでやりたかった」「正直赤字です」とコメント。それすらも前フリだったとしか思えない。というかこのイベントの諸費用、全部広告費扱いで片付くんじゃないですかね。


2.ブシロード『D4DJ』の対抗ともいえる、新コンテンツの立ち位置

"サウンドメインの完全新規キャラクターコンテンツ"という点で、先行としてブシロード『D4DJ』がある。

D4DJはまだアニメ・コミック・CD等の本格始動こそしていないものの、キャラクターデザインとCVの発表や、配信上での楽曲発表等、本格始動に向けて十分な準備と情報発表を行ってきた。


そこに、横合いから派手に殴りつけるような『電音部』の参戦。


パイの奪い合いになるのか、互いに界隈を作り上げ、盛り上げる存在として並立するのか。

まったく未来が見えないだけに、面白くてしょうがない。


3.にじさんじ所属Vtuberの『声優』としての参加

電音部CV陣の最初の衝撃は、『港白金女学院』の、秋奈(ナナシス)・小宮有紗(ラブライブ・Aqours)、澁谷梓希(プリパラ・i☆Ris)。

有名アイドルコンテンツから見事に引き抜いてきたなと思いきや、それを上回る衝撃が。

Vtuber事務所にじさんじから、健屋花那、シスター・クレア、星川サラの三名参加。

Vtuberの中の人ではなく、そのままの名前、姿形でCVとして参加。

デレマスを端緒に、女性声優コンテンツ――"中の人"コンテンツを長年楽しんできた自分にとって、新時代、ジェネレーションギャップを感じさせる起用だった。

大企業のIPに、ゲストではなく主要スタッフとして参加というのは、電音部が初めてという認識で間違いないよね?

ちなみに、サウンドクリエイター陣にもVtuberから、周防パトラ、ミディ&瀬戸美夜子の2組3名が参加確定しているらしい。こちらは従来のボカロPのメジャーコンテンツ参加の流れを思えば、自然に受け止められる。

(この、声優とサウンドクリエイターでの名義の受け取り方の違いが、自分の世代の立ち位置になるかもしれないとぼんやり思ったり)


余談だが、自分のTLには熱心なVtuberフォロワーが複数名いる。

面白いのは、その人たちはアイマスやラブライブ、バンドリ等々、既存IPの熱心なファンではなかったこと。

自分は彼らを通じてVtuber界隈のトレンドを(表面的にでも)追っていた面があった。それが今日、AOFという同一イベントを見て、電音部の衝撃を共有していることに、とんでもない面白味を感じている。


どこかで、アイマスとVtuberは、自分の世界と彼らの世界は重ならないものだと思い込んでいた。

AOFは、バンナムは、その思い込みの壁を、今日ぶち壊してみせてくれた。


『時代の変わり目』とは


自分にとって、一番はっきりと『時代の変わり目』だったと言える出来事。

それは、アイドルマスターシンデレラガールズ3rdライブ『シンデレラの舞踏会』Day2。速水奏役飯田友子さんの『Hotel Moonside』(イノタク作詞作曲)のステージだ。

https://dic.nicovideo.jp/a/hotel%20moonside (Hotel Moonside ニコニコ大百科)

現地ではなく、新日本橋でのLV参加でこそあった。だが、アニメ放映が終わり、アニメの総決算と思われていたライブステージで、全く異質な新世界をぶつけられてしまった。あの映像を見終えた時、シンデレラガールズの未来――自分には何も分からないけど、輝かしい希望しか存在しないと思える未来――を、魂で感じ取った。


あのHotel Moonsideに匹敵する衝撃が、今日のAOFにはあった。電音部発表にはあった。


2020年6月28日。

ここから始まる電音部の歴史を、未来を、共に見届けたい。

自分がここまでアイマスに、シンデレラガールズに、寄り添い歩いてきたように。



余談。

シスター・クレアさんのAOF後感想生配信をBGMに執筆。

彼女の動画は完全初見だったけど、声と、話の内容と、そしてコメント欄の流れに、とても暖かいものを感じた。


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