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乗車中

バスに乗ったら、
知らない人のにおいで充満する空間に耐える
これはにおいの種類がどうのではない。

心臓がばくばくと動く。

降りる人、乗る人、宙を浮いて移動する身体がたくさんあること、頭がぐるぐると動く。

光が差したり影ったり、
そのたびに髪色の変わる後頭部たち。

動いていないものを探して窓を眺めるけど、
自分が動いていることで取り残されたような孤独になったりもして面倒だな。


電子版の文字が読めることを不思議に思いながら、電柱と電柱の間は畳が何回前転するだろうなんて考えつつ、ヘッドホンから流れる歌に紛らわせてもらってる。

誰かが建てた箱が並ぶ世界に、
摘み出されないように。


今日はお出かけ

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