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TRPG「ぐぶつれ」制作記 日記20221206

ようやく、シナリオを書いていろいろと素材を集め、遊んでほしかったみんなにプレイしてもらうことができたので振り返りと反省なども含めて制作したときに思ったことを書こうと思います。
ぽろっとシナリオのネタバレしうるかと思いますので、PLメインの方は念のためご注意ください。(シナリオ体裁が整ったら、Boothなどで配布したいと思っています)

・発端
とあるネットミームにより、「土着神」のでてくるホラーを書きたい!という案を普段KPをしてくれている友人に送ったところ、面白いじゃんと乗ってくれたため計画が始動。

-面白いと思ったことに乗って行動を共にしてくれる友人は貴重。自分もそうありたい。
-アイデアはいつ降ってくるかわからないのでアンテナは広げておきたい。今年も本や映画をあまり見ないまま過ぎていったので、目標の立て方を考えたほうがいいかもしれない。あるいは、一つのテーマについて書くときに資料を参照するようなアカデミックな手続きをとってみるのもあり。

・計画
シナリオなので、できるだけRPだけでダレてしまったりしないようにどのタイミングでゲーム要素・探索要素を入れるか、という点と、あらすじをどれだけ面白くできるかというところで拮抗してまとめていくのが大変だった。前述の友人が非常に明晰で、いろいろとアイデアやCoC側のシステム・神格などの説明をしてくれたのでとても助かりました。
というか、そもそもそのあたり分かってないのにシナリオ書こうぜ!ってなったの無謀すぎる。先日ルルブのアプリがリリースされたので、読んで初めて「ああ~、このへん使えたかも!」とか思うことがありました。
また、ハリウッドのシナリオシステムについて読んで
・冒頭(観客を引き込む事件や人物の紹介)
・大目標(向かっていく方向性)と小目標の提示(直近の目的)
・小目標の達成または未達成と新しい大目標
・クライマックスとカタルシス
・エンディング
というのを意識しながら書いた感じです。
ただし、土着民俗ホラーを意識していたので、かっこよさやセンセーショナルさよりは、じっとりと恐怖が這い寄ってきたり、人がなんとなく気持ち悪いというところも描きたくて、ちょっと突然起こる怪異が多すぎたかな?という気持ちもある。
たとえば、知り合いの形跡(持っていた電話とか)だけが見つかり、本人がいない→近くで見つかった無惨な死体を調べたところ本人だと分かる要素がある、というように、もう少し小出しにする形でもよかったかも。一方で、神と霊がいろいろな現象に絡んでいるので、神の現象はある程度唐突でもいいのかなという逡巡もあり、今後意識していきたいと思ったことは探索者側からの目線です。

-探索者にとって「突然訪れる恐怖」は、そのあとに生かされない場合に「不明な現象」としてプレイ上のストレスになりうるのではないか。
少なくとも、それが「神による何らかの制裁である」ということを村人が話す内容から知られるとか、手がかりがあってもよかったかもしれない。
-情報量が多いとプレイヤーは疲れる。やりたいことと情報の濃度とプレイ時間の関係性について再検討したい。怪異については分からなくても、人間が分かる範疇(人間同士の利害関係とか)についてはある程度シナリオ内の人物などに語らせて答え合わせができるようにしておくと爽快感があると思う。
-短いシナリオにする場合はたぶん探索範囲を狭めたり、そもそものシナリオ内時間を短くするなど、の工夫が必要かと思われる。小品のようなシナリオが描きたいね。
-自分が探索者としてプレイしたときに、すべての情報が生かせなくてもよくて終わったあとに「あ~、この記述はこういう意味だったのか!」と思えるだけでも結構いい。
-探索者としてプレイするにあたり、指定された目標や技能はかなり強く機能するため必要最低限にした方がよい。

・制作
書いていく中で、表現がどんどん小説的になってしまいKPの読み部分が多くなってしまったのでかなり削りました。表現として細かい描写をしたくなってしまうんですが、一方でCoCの特徴として技能を使いながら様子を伺い探索していく、というゲームとして楽しい部分もあるので、キメになるシーン以外の描写は簡易でいいなと思いました。
また、探索者に強い動機がないと神話生物のいる場所に滞在したり戦ったりしてくれないので、
・神話生物の復活を止める強い理由がある(周囲の人物・信念・世界など)
・そもそもその場所から逃れられない(空間に閉じ込められている)
・邪神の復活により起こる不利益が明確で、戦わざるを得ない
といった点を意識しながらHoやNPCの挙動を決めていくのがいいなと思います。

今回で言うと、探索者に動いてもらう動機を作り切れていなかったというか、ほかの選択肢もある中を無理矢理一本道に通していくような形でした。理不尽ホラーなので運命に翻弄されるようで、個人的にはそれもいいかなと思ったのですが、シナリオによってはもう少し動機の部分を作り込んだほうが面白そうだと思います。これは、シナリオのイメージと本編のテーマによって変わってくるかなとは思いますが……。あとは、自分がKPに慣れていなくて例外処理をどのようにするかを考えられていない部分があったので、そのあたりはKPとしての慣れが必要だなと思いました。

-CoCというシステム上、敵対するものや絡んでくる神話生物の基本情報をしっかり確認して、それを生かせると「クトゥルフ神話TRPGだねぇ!」という感じがする。
-シナリオ分岐に関しては早くし過ぎるのは難しいが、例えば達成目標によってポイントが決まっていて、何ポイントくらいならこのエンディング、みたいな形で恋愛シミュレーションゲーム的な分岐にしてもいいかもしれない。
(例えば、協力NPCが生きている=10Pみたいな形で、いくつか条件をつけておき、ラスト戦闘前~ラスト戦闘後あたりで分岐が発生するようにする?
?)他シナリオの分岐方法についても学びたいがいかんせん自分がPLでもあるので、このあたりは普段KPをしている友人に相談してみる。
-情報の回収をしやすい場所をいくつか作るのはいいと思うが、一か所で出てくる情報が多いと混乱しやすい。できるだけ小出しにした方がおもしろそう。
-モンスターや神話生物のステについてはルルブを参照しつつ作成する。1d10/1d100でSAN値が減る神格はかなり珍しい。


・KP準備
背景 今回村ホラーなのであまりフリー素材の得意分野ではなく、ほぼすべてをAIイラストを活用しながらつくりました。必要があれば物を追記するなどして、サイズを1200×1600でリサイズしたり画像加工するなどして制作しました。
現実感が無いながらも写実的、という不思議な画像ができるのでTRPGとは親和性が高いなと思います。今後もシナリオやるときにいい感じの画像が無かったら活用していきたい。

AIいらすとに手書きで時計を加えたもの

今回のシナリオでいうと、広場に時計があるシーンがあり、時計が比較的重要なのでほしくて書き足しました。

また、人物立ち絵も当然無いため、一から描いていくことになりました。冒頭出てくる人のうち好きなキャラを貼っておきます。村の一般男性(?)です。


村の男

それでBGMを集めたりテキストにキューを書き入れたりして、そのあたりがめちゃくちゃ大変でした。正直テキストまとめるより大変だったかもしれない。今回は一部外注しましたが、以降はほとんど外注してもいいかもしれませんね……。基本的にシナリオを配布しているかたがどのくらい配布アイテムに含めているのかわからないので、ほとんどすべてを自家生産した形になります。
何より、普段からKPをやっている人間たちのタフさに驚いた。えらいぞ…………!!!

また、自分が制作したシナリオであっても例外への対応などが難しいため、いろいろと想定をする時間も必要でした。

・プレイ
緊張した!!!!以上!!!!!!
あそんでくれてありがとう!!!!!!!!


実際にやってみて、反省点がいろいろありつつみんなに遊んでもらえてよかったな~という気持ちでした。自分が込めたドロドロの気味悪さのようなものも読み取ってもらえたのでよかったです。
色々反省点があったり、もっとこうしたいナという気持ちがあったりして、次も書いてみたいと思います。またKP友人にはご迷惑をおかけするが……というかがんばって一人で書いてテストプレイしてもらえるようにしたいな。
いや……そこまで書くと修正が難しいか? ヒーー!!!どうすればいいのよォ~~~!!!です!!!!!

一旦反省会終了。
シナリオ上、テンポが悪くなりそうだなあというところは何となくわかったのと、何でもないRPのシーンがあるとキャラクター性を出しやすくていいなあと思ったので、そこは今後も取り入れていきたいと思います。RPを楽しむシナリオの方が自分が好きなので……。

がんばるぞい! おしまい。

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