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ガイドがガイドされた旅行 福岡①

通訳ガイドのぶんちょうです。
オットとふたりで福岡に旅行してきました。人を案内するのが仕事の私ですが、今回はプライベート旅行。100パーセントお客様気分で何も考えずについていくだけを決めこんで。事前リサーチもなしです。

2泊3日。オットの作った旅程に沿って家を出発です。団体ツアーの時は、旅行会社の作った旅程を文字通り肌身離さずに持ち歩き、「指定の乗り物に全員、確実に乗せこむ」ところにかなりのエネルギーを注ぎます。

私は今回「よいお客さん」なので、決して搭乗寸前に「トイレ!」「ドリンク買いたい!」「私だけアップグレードしたい!」などと叫んだりしません。ああ、なんて良い子だ。ふふ。

搭乗口も知らずに、ただついて行くと自動的に飛行機に着席して、自動的に福岡空港に着いていました。ああ、こういうの幸せだわぁ。

福岡空港

福岡は私にとって、47都道府県のうち行ったことのない最後の2県のひとつです。もうひとつは、お隣の佐賀県。初上陸となると、好奇心と気合いが違います。まずは空港でお土産さんやレストランをチェックです。

やっぱり明太子屋さんが多い。うん、出汁の店もたくさんある。福岡着いたんだ!と実感しました。

飛行機や新幹線という速くて便利な交通手段での移動は、乗車場所からワープかなにかで降車地点に瞬間移動した気がして、降りてから景色を眺め、徐々に乗車地点との違いをじわりじわりと自分のなかに取りこんでいかないと「着いた気」がしないのは私だけでしょうか。

軽くランチのあと「この次は地下鉄に乗って太宰府」とのこと。それにしても福岡は便利なところですね。空港から街の中心地まで地下鉄でたったの二駅でした。これって東京駅を福岡の中心地、天神に例えると新橋あたりに空港が存在するってこと?すごくないですか?

福岡は東南アジア諸国からの観光客が多いようですが、たとえば台湾からなら2時間半。便利な上に、東京にあるものは全部ありそうで日本ファンならホイッと来て即リピーターじゃないかなと思わせる街です。

ローカルの電車で太宰府駅に降りると、参道沿いの食べ物屋さんやお土産屋さんが、観光客を迎えています。こういうところで買い食いをするのは私の楽しみのひとつですが、いやいやまずはお詣りが先。すると突然、見慣れた木組みデザインのスタバが目に入ってきました。あー、ここにあったんだ。見たいと思っていた隈研吾デザインのスタバ。不意をつかれた喜びに早速、写真を撮ります。

空いてる電車大好き


隈研吾デザインのスタバ

実を言うと天満宮はあまり期待していなかったのです。職業柄、いろいろな神社仏閣に行くことが多く、いつもと変わらない神社かなと思っていました。実際は敷地が広く、そのなかのお庭の緑の美しさや巨木に圧倒され、気づくと沢山写真を撮っていました。

初めて鳥居や日本の庭園を見た外国人はバシャバシャと撮りまくります。写真を夢中で撮っている人は話かけても聞いてないので、興奮が冷めるまで写真タイムです。今の私がまさにそれでした。

太宰府
巨木に触ってパワーもらおうと言う魂胆

神社を一回りし、太宰府名物梅ヶ枝餅うめがえもちをいただくために、すなわち名物は必ず食して帰る!という私の方針のもと神社内のお店に入りました。

いただいたのは梅枝餅のぜんざい。甘みがほどよく、季節外れの寒さのせいで、かじかんだ手でお椀を包み込むと、その温かさで疲れがほぐれていくようでした。

大きな窓越しには庭も見えて、さらにリラックス。
「うん、いいじゃない、この行程」と内心、上から目線でオットのガイドを評価です。雰囲気のいいところで休憩がほどよく入り、食べるものがおいしいと喜んでくれるお客様の気持ちに納得です。

梅枝餅入りぜんざい
お店の前の池と藤の花

翌日は大濠公園からスタート。地元の人のように、当てもなくのんびりしたり、美術館に入ったり。私の好きな旅スタイルです。

大壕公園の池
福岡城のお堀の一部だった大濠公園
コルビュジエの弟子、前川國男の福岡市美術館
何度も通いたくなった福岡市美術館
福岡市美術館中庭のLeeUfan作品


常滑焼きの微妙な色合い
前川國男氏らしさ満載
福岡市美術館から大濠公園をのぞむ
このタイル素晴らしい
小錦さんだ
仏像さんを360度、手の届く距離で見られるなんて!
あ、草間さんも!

たまたま見つけたのが鴻臚館こうろかん展示場です。鴻臚館というのは一言で言うと古代の迎賓館みたいなところと言っていいのかと思います。

空海や最澄もここから出発して唐に行ったとのこと。遭難の確率が半分の遣唐使。どんな思いで、多くの人が日本を旅立ったのでしょうか。こんなところが遺跡として発掘されているなんて!これぞ悠久のロマン。福岡の歴史の長さにあらためて感嘆しました。

鴻臚館

私が福岡に住んでいたら、こういう所は是非、外国人にも案内して、日本どやっ!と自慢したいです。

長くなりましたので、旅の後半は別記事でまた。






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