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日本で盗難にあってしまった外国人

東京でアメリカ人の新婚さんをガイドしたときのことです。最終日、銀座の有名寿司店にお送りして案内の仕事を終えました。本当に幸せそうなカップルでした。

翌日、オフで自宅にいた時に一本の電話がかかってきました。私の下の名前を言ったきり無言です。でも発音から外国人であることはすぐにわかりました。英語で応対すると、きのう、お別れをした新婚さんでした。どうしたのか聞いてみると「自分たちがどこにいるのかわからない」と。

ははん、これは迷子になって困って電話してきたのだなと思いました。よくよく聞くとタクシーのなかにいて、大阪方面に向かっているとのこと。そんなこと言われても、関東の私には、関西の地理はわからないし、と思いながら話を聞いていました。でも、なんだか要領を得ず、何かに動揺している様子でした。

すると突然、旦那さんに電話が変わり、やっと事態が飲み込めました。京都で写真を撮っている間に一瞬置いたカバンを盗まれてしまったとのこと。そのカバンにはパスポートやら現金やら大切なものが入っていたそうです。

ところが、そのとき日本出国が翌日に迫っていたのです。なのにパスポートがない!私はネットですぐに関西の領事館を調べて電話し、事情を話すと午前中に必ず来るように言われました。え、あと1時間もない!タクシーの運転手さんに携帯を借りて私に電話をしてきたようなので、運転手さんにも事情を話して急いでもらいました。

後日、無事にパスポートは再発行してもらい、事なきを得て次の訪問国へ行けたとのメールをもらい、ほっとしました。それにしても、あまり安全とは言えない国々を何事もなく回ってきたふたり。よりによって、この日本で盗難に遭うとは。外国人旅行者によく日本の安全自慢していましたが、そんなことがあってから、あまり強調するのを控えるようになってしまいました。新婚旅行に日本を選んでくれたのに、とても残念なできごとでした。

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