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【ART#004】円空 −旅して、彫って、祈って−

昨年末にこの展覧会開催を知り「絶対行きたい!!2月の三連休の時に行こう!」と思っていたのですが、冬はどうしても予定が流れがち…当初の予定からほぼ1か月後の、春分の日に行ってまいりました。

その日は、ちょとした春の嵐の中、気になってた大阪のスパイスカレー屋さんでカレーをいただいてから、いざハルカス美術館へと向かいました。

あべのハルカス美術館開館10周年記念 「円空」
会場:あべのハルカス美術館
会議:2024年2月2日〜4月7日
音声ガイド:諏訪部順一

円空展…個人的には、以前横浜そごうでやっていた「円空・木喰展」以来んなんですが、調べたら2015年に開催されてました。9年前!!

円空も木喰も、日本各地を巡りながら、かなりの数の仏像・神像を彫ってきてるので、展覧会のために集結&見せていただけるのが、本当に助かります。

しかも今回の円空展は、大阪でのみ開催で、巡回はなし。ありがたや~。

展示は、5章構成になっていました。



円空 ENKU ー旅して、彫って、祈ってー

1.旅の始まり

美濃国で生まれた円空さん。
没後100年経った頃に出版された「近世畸人伝」で取り上げられ、広く知られるようになったそうですが、それに記されてるような”樹そのままから彫りました”と言わんばかりの、金剛力士(仁王)立像(吽形)※撮影可 が、冒頭からお出迎えしてくれました。

第1章は、その”近世畸人伝”だったり、円空が神仏を彫り始めた初期の作品が展示されていました。

2.修行の旅

現代のアーティストでも、初期の作品は普通にうまいのが、時を経て個性的で唯一無二になっていくように、円空も最初はそんなにクセはない神仏像(表面スベスベ)から、第2章の作品はだいぶ個性的(表面ゴツゴツ)に見えてきました。

個人的には、現地まで見に行きたいと思っていた奈良県天川村の栃尾観音堂の護法神像がいらしていたのが、嬉しかったです。通常安置されてる4体のうちの1体ということなので、いつか機会があれば現地にも行きたいところですが。

また、流木に顔だけ彫ったようなのもあったり、素朴といえば素朴だし、力強さや神々しさも十分あるし、円空仏には、なんとも言えない魅力を感じます。

3.神の声を聴きながら

48歳の時に託宣(たくせん「円空の彫る像は仏そのものである」)を受けて、造仏活動がますます盛んになったそうで、第3章では、諸国で彫りに掘りまくった仏像たちが展示されていました。

栃木県清瀧寺の「不動明王」の火焔光背は、彫刻したものではなく、木を割ったままの形をそのままにしているというのが、やっぱりスゴイです。

そして、私にとっては「栃木にも来てくれていたんですね~」という思いもあります。

4.祈りの森

住職の舜乗と意気投合し、しばし滞在したという飛騨の千光寺。その千光寺に伝わる数々の円空仏がこれでもか!と展示された第4章は、長めの仏浴をさせていただきました。※秘仏以外は撮影可。

デデン!両面宿儺の存在感、強い!!

最初に目に飛び込んできたのは、今回のメインビジュアルでもある「両面宿儺」…私は呪術廻戦で初めて知ったくらいなんですが、日本書紀に凶賊として登場するようです。

両面宿儺とは、仁徳天皇の時代に飛騨に現れたとされる異形の人物、もしくは鬼神。その一方で、岐阜エリアでは土地を開拓し豊かさをもたらしたり、毒龍退治をした英雄との伝承もあるようです。

通常は背中合わせに二つの顔を持つ姿だそうですが、円空仏になると正面の武人の肩に、もう一人の武人が乗ってるようなスタイル。そして光背付き。

とりあえず360度全方位から、舐めるように拝見させていただきました。

ちなみに、今回の音声ガイドのナビゲーターは、呪術廻戦の両面宿儺役声優の諏訪部さんでした。そのためか、お子さまの来場客が、仏像展のわりにはそこそこいたような気がします。

5.旅の終わり

最終章は、旅をし、神仏を彫り、祈り続けた円空の生涯…最後10年間の作品たちを展示。

現存する円空仏最後の岐阜県・高賀神社の「十一面観音菩薩立像」および「善女龍王像」「善財童子像」は、トーテムポールのような細長い柱のような像ですが、顔が穏やかすぎて、最後とても温かい気持ちで会場をあとにすることができました。

グッズは、最近の展覧会ではお馴染みのアクリルスタンドではなく、円空展らしく木製スタンドが販売されていました。キーホルダーももちろん木製で、どちらも購入一歩手前まで行きましたが、なんとか踏みとどまり、ポストカード購入で気持ち落ち着かせることができました。(マグネットはひとつ購入してしましましたが)

展覧会限定の御朱印もあったのですが、こちらこそグググッとこらえて、いつか飛騨千光寺にお参りに行った際にいただきたいなと思います。



会期は終了しておりますが、後々のために↓


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