App開発者とAppleとのパブリックなコミューニケーション方法3種+α
1. コミュニティへの質問
Apple Developer Forumは、Apple Platformに対してAppを開発/配信している開発者のコミュニティ質問サイトです。基本的にはStackoverflowのようなコミュニティQ&AサイトですがApple内部のエンジニアも参加しており、質問に返答したりWWDCで頻出の質問の回答をまとめて投稿したりしてくれています。どれくらい内部のエンジニアによって見られているかは不明ですが、対応は"人による"のではないかなぁと推測しています。
Appleエンジニアの回答には、ユーザー名の後にマークがついています。
2. フィードバックアシスタント
Appleへのバグレポートや機能改善リクエストを送るためのフィードバックアシスタントというAppが公式に提供されています。
こちらは、質問や疑問を解決するために利用するAppではありませんが、送ったものはちゃんとAppleの対応メンバーによって閲覧されているそうです。
「何か利用しているフレームワークで不審な挙動を見つけた」「公開APIが少なすぎてカスタマイズが十分に提供できないので、これくらいはできるように公開してほしい」などのフィードバック送信はこのAppから行いましょう。
3. テクニカルサポートインシデント(TSI)
Apple Developer Programのライセンスを購入するごとに、2回のTSI権利が自動で付帯されます。このTSIのリクエスト権を1回分消費することで、Appleのスタッフが必ずコードレベルのサポートを行なってくれます。
やり取りはメールベースで行われ、自分が数回試した限りではこちらが「解決したよ」や「参考になったよ」と返すまで解決に付き合ってくれます。専門的な質問を行った場合では、UIKitなどの特定のフレームワークのエンジニアに質問をつないでくれることもありました。
回数に限りがあるため、前述の2手段とは異なりラフに利用するというよりは「どうしても解決したいバグがある」「この疑問が解消しないと前に進めない」という重要なケースで利用する事をお勧めします。
このTSIリクエストの権利は日本円で2件セット1万円、5件セット2万5千円で追加購入できます。1件あたりの単価は5千円ということになります。
α. Lab
WWDC開催中は、Apple内で特定のフレームワークに携わっているエンジニアに30分のあいだ直接1対1の質問を行うことが出来るLab(ラボ)というイベントがあります。
1年のうち、6月の、それも1週間だけしか参加できないイベントな上に、フレームワークによっては参加申し込みが多く早い者勝ちになったりするため、誰でも気軽に利用できるものではありませんが、上記のどの手段よりもダイレクトで広いコミュニケーション帯域を確保できる方法です。有効に活用できれば、1回でとてつもなく理解や解決を進められる可能性があります。
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