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手帖

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ちいさな記録 雑記帳
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2018年5月の記事一覧

あらしはこない

あらしはこない

窓を水滴が伝ってく。

なんの野菜が残っているかな。かぼちゃのスープが飲みたい。うさぎのまんがを閉じて布団からでよう。風のおとが強まる。

「きのうの筍煮たので筍ごはん炊くから」
それなら卵焼きを焼こう。

どこにも行かないのは雨のためでもつよい風のためでもない。

あらしがくる

あらしがくる

雨が降り出しそう。摘んだ撫子は七本。
きのうの歩き疲れたままにスーパーへ行く。
切り身じゃないまとめられた半端な鮭、鮭そぼろをつくろうか。

これからあらしがやってくるのだろうか。雨が降り出した。南風に運ばれる蛙の鳴き声と柿の葉のにおい。雨が入るから、南の窓は開けてられない。

牡丹華

牡丹華

真紅の薔薇を飾ろうか。
見切りで安くなっていた咲きかけの白い芍薬を買ってきた。白いベールが揺れるような、降りそそぐ月のひかりをきのうみた。
ふりまく白いひかりが似ている。
水切りをした途端、一本が呼吸をするように華ひらかせてその夜バサバサ音をたてて零れた。  

牡丹華のまえの月夜

牡丹華のまえの月夜

きょうの月のひかりはベールみたいだね。

どら焼き

どら焼き

きょうはどら焼きを買いに行こうか。
一度食べただけの、皮が美味しかった、いちばんすきなお店の。
好みの皮は、なかなか見つからない。

ちいさな店。
かしわ餅は、好みじゃなかった。
いちばんすきなどら焼きの店。

辿り着けるのなら、その角に現れる。
また来れた。