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恩田陸先生「常野物語シリーズ」の感想


こんばんは、Yucka(ユカ)です。
月のことも好きですが、前に読んだ本の感想を書いてみました。
文章自体は書いていましたが、やっっっっとイメージイラストが完成したのでやっと公開です。気まぐれに追記するかもしれません。

私は昔から漫画はよく読みますが、小説は乘ってくるまで読み進めるのが遅い・・・そんな私ですが、装丁も含めて本自体はとても好きです。

専門学校生だった20歳のころ、友人が貸してくれた、恩田陸先生の「光の帝国(常野物語シリーズ)」

穏やかで物静かで、不思議な能力をもつ一族が出てくる短編集です。
出てくる「しまう」「引き出す」「裏返す」など独特の言い回しが印象深く、自分が何かを思い出すときの感覚は「引き出す」に近いのを初めて認識しました。
ツル先生の話は泣けるしで。いつか蔵書にと思い続けて10年以上経ち、ようやく入手しました。
あの頃より人生経験も増えたであろう今の私が読んでも面白い。不思議。でも悲しい・・・。「常野」というワードがリンクする短編集ですが、初見では???も飛ぶし、ひとつひとつじっくり読みたいよね。

3作目の「エンドゲーム」がその中のひとつ「オセロ・ゲーム」の続編で、今春一気に読みました。ホラーの描写が怖かった・・・!(神殿の中での首輪のあたり)読んでいてイメージが浮かんできちゃうので、夜に読むものじゃないね。

で。
登場人物・拝島瑛子が見る”あれ”
人間の姿をしているが、肌の部分は鬱蒼としたツタがびっしりと生い茂っている。ツタじゃなくて、どろりと腐ったような苺のケースもあった。
これは能力者によって、”あれ”で見えるものが違うそうだ。


アレのイメージ

苺はなんだか、「魔法少女まどか☆マギカ」の魔女と戦う空間みたいなキッチュでおどろおどろしいイメージ。ダークな童話っぽくて可愛い感じ。

ツタとかは、アルチンボルドの描く奇想天外な肖像画のよう。
はたまた江戸時代末期の浮世絵師・歌川 国芳か。(浮世絵だと、不気味さよりユーモアが勝るかも)


現代アートの草間彌生さんが少女時代に「母の顔に水玉が見えた」と、押し寄せる強迫観念なのかキャンパスやオブジェに水玉を描き続ける感じ・・・。


ハチの巣、餌を求めて口を開ける鯉たちの群れ、カエルの卵とか、密集する物って集団の圧があり、びっしりとすればするほど異様さが増す。

エンドゲームに戻ると、化け物みたいな”あれ”が見えるようになったきっかけが恐怖。あまりに恐ろしくて、そのくらい精神的に追い詰められて現れてくる描写と芸術家によって表現されたものがふと浮かんだんですよね。

絵画だと、異様だけどクスッと笑えたり、描写力次第で美に昇華されたりもするから、恐怖とは別のなにかに変わっちゃってるな。これは受け取り手の問題か?

文章は想像が加速するから、自分の想像力次第で物凄く怖くもできるし、ゲームに出てくるモンスターにもできるし、もっとライトでそんなに怖くないものにもできるのかも。


「エンドゲーム」自体面白いので、異世界や能力者とか好きな人は気に入るかもしれません。
私は”あれ”が気になりすぎて、絵画まで想像が広がりました。正直もっと掘れる。書きたくなったら追記しよう。

近代日本風の装丁を気に入ってか、常野物語シリーズの続編「蒲公英草紙」は読書済。ですが、内容を忘れているので、また気が向いたら読み返そうと思います。

読了して、何か書きたくなたら追記していくかもしれません。

Yucka⚚

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