僕の愛するものすべて
盆休み、実家に帰った。はじめましての、猫がいた。保護猫。名前はゴマ。
もう廊下から鈴の音が聞こえたら、「猫が歩いてる」とわかる。
これからずっと、鈴の音はあの子の音。あの子の生きてる音。
こうやってなんでもなかった音やモノに意味が加えられていくのが、たまらなく心地よくて、好き。
あの子の好きなキャラクターのグッズ、あの子の好きなアーティストの音楽、あの子のいつもつけてるのと似てるピアス、あの子が一緒に住んでる動物、あの子がいつもカフェで注文する飲み物、あの子が乗ってるのと同じ車。
○○工業、○○建設の看板とか、クリニックの名前とか、イニシャルのアルファベットが出てくるだけで、心が波立つ。
それまでは見過ごしてたなんでもないもの全部、あの子たちのものになって、見る度、聞く度に思い出す。
街で見るもの、聞くもの、感じるもの全てが、僕の好きな子たちによって、罪深く残された星のかけらたちで彩られていく。
僕の生活、僕の人生、僕が見えてる景色全部、あの子たちのものだ〜。
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