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青空を待ってる”君“に。~澁谷かのんのプロローグ~

【はじめに】


「私はやっぱり歌を歌うことが大好き」


Liella 2nd Lovelive 横浜初日。伊達さゆりさんがMCで話した一言が僕はすごく嬉しかった。


全速力で駆け抜けた1st LIVEとは一味違う、Liellaのこれからに期待が膨らんでいくステージ。

中でもぼくは、澁谷かのんのソロ曲「青空を待ってる」が好きで。


結論から言うと、この曲は「過去の自分に向けた惜別歌」だと思った。


今回、ぼくがブログを書いた理由は2つある。

①澁谷かのんが好き

”カノン“は音楽用語で「輪唱」。
好きなことに一直線に走っていく歴代ヒロインとは違って、歩調を合わせてくれそうなところ。

「私の歌を大好きって言ってくれる人がいて、一緒に歌いたいって言ってくれる人がいて。本当にいいの?」

耳を塞いでも自分の声に嘘はつけない。そういう気持ちを投げ出さずに悩んで、一歩ずつ前に進んでいくところ。

そんな彼女が「青空を待ってる」でどんな心境を語っているのか知りたいと思ったから。


②ラブライブ!に向き合ってみたい
3月3日の生放送で、伊達さゆりさんはこんなことを話していた。

「イントロから『これかのんちゃんの歌なんですか?』って思ったのを覚えていて。次にレコーディングする歌が初めて自分の元に届くときに、曲を聴かないで歌詞だけバーって読んで分析していくのが本当に大好きな人間なんですよ。全部今までやってきていて『こういう考えも面白そうだな』とか『かのんちゃんだったらこうかな、でも私だったらこうかな』みたいなのを、自分なりにメモして書いていくのがすごく好きなんですけど。」

一般公募のオーディションで合格した彼女がラブライブという作品を大事にしてくれてるのが嬉しくて。

ぼくも自分なりに解釈を持ちたい、そう思ったから。

今回は以下の構成で記している。

1.伊達さゆりさんの「青空を待ってる」
2.歌詞について
3.歌詞を踏まえて
4.ライブのパフォーマンス

長文になりますが、ご一読頂けたら幸いです。


【1】伊達さゆりさんの「青空を待ってる」


インタビューで、彼女はこう答えている。

この曲はタイトルが好きで、自分から行くのではなく待ってるというのがかのんちゃんらしいと思いました。どちらかというと小さい頃のかのんちゃんかな。あまりガツガツしていない、いつか良い日が来たらいいなという感じなので。

リスアニ!Vol.47

この曲は対象がはっきりとは書かれていないから、何をイメージしようか迷ったんです。いつもだと幼馴染のちぃちゃんを対象にしていたんだけど“大嫌いだよ もう嫌いだよ”って歌っているから、ちぃちゃんではないなと思って、歌に対してかなと思ったんです。歌を嫌いになったこともないんですけど、私がちょうどツアーで歌に対して上手くいっていないと思っている時期に録ったので、少し自分を重ねてしまうところもあったのかなって思います。

リスアニ!Vol.47

インタビューで話している推論は2つ。
①青空を待ってるのは”小さい頃のかのんちゃん“かも
②この曲の対象は”歌“


伊達さゆりさんがかのんちゃんに真剣に向き合っているのが伝わってきて嬉しい。

Aqours初期のインタビューで、伊波杏樹さんが千歌ちゃんを「届かない星」と表現していたのがすごく印象に残っているが、彼女にとってのかのんちゃんは「自分を重ねることができる」存在。キャストさんごとにキャラクターとの向き合い方が違うのがすごくいい。

【2】歌詞について

ぼくは「青空を待ってる」の前に「GOING UP」の考察をすべきだと思った。

理由①
かのんちゃんが初めの一歩を踏み出した曲で、時系列が前であること。
1st LIVE Tourでも「未来予報ハレルヤ」と「Tiny Stars」の間に、伊達さゆりさんのソロで披露された。

理由②
「青空を待ってる」には大きなキーワードが3つある。それは「君」と「空」。そして「青」。
同じワードが「GOING UP」でも幾度か登場していること。

風船が雨にうたれてころがる
どこへ向かうか 分からないままで
だけど大空を夢みてるよ
君の笑顔がきらめいてゆれるから

何度でも いこう!って声が
聞こえるよ そのたび希望ふくらんでゆく

雨あがりの青 とびたつのさ
ふわり鮮やかに浮かびあがれ さあ!
迷っても目を閉じればいつも
まぶたの裏には 君が見えた

はじめての空はドキドキで不安
ぼんやりすれば さらわれる強い風
だめだ無理だよと思ったとき
また響くのさ 平気だよ!できる!と

もう一度 上昇するんだ
軽やかな心でくるり回り

目の前ひろがる 果てしない青
渡れ この両手ミライにのばし
ずっと変わらない大事な気持ち
最後の最後にささえるんだ
大好きだよ!

しゅんとさ、しぼんだって
君と一緒ならとべる
もっとさ、いくんだって
舞いあがれ たかく!

雨あがりの青 とびたとうよ
ふわり鮮やかに浮かびあがれ さあ!
迷っても目を閉じればいつも
まぶたの裏には 君が見えた
願いを抱きしめ とんでいくよ

(ラララ) 夢を (ラララ) みようよ
(ラララ) 夢を (ラララ) みよう!

GOING UP / Liella!!


・「君」について

1.「だけど大空を夢みてるよ 君の笑顔がきらめいてゆれるから」
2.「迷っても目を閉じればいつも まぶたの裏には君が見えた」
3.「しゅんとさ、しぼんだって 君と一緒ならとべる」

これらから分かるのは「君」は澁谷かのんが大好きなもので、長い間信じていて、共にいて勇気を貰えるもの。

・「空」について

1.「だけど大空を夢みてるよ 君の笑顔がきらめいてゆれるから」
2.「はじめての空はドキドキで不安 ぼんやりすればさらわれる強い風」

一方「大空」は澁谷かのんの夢であって、畏敬する存在。後ろに”君の笑顔がきらめいてゆれるから“が来るに「君」の目的になってるものだと推察できる。

・「青」について

そこで、もう1つ気になるキーワードが「青」。

1. 「雨あがりの青とびたつのさ ふわり鮮やかに浮かびあがれさあ! 迷っても目を閉じればいつも まぶたの裏には君が見えた」
2.「目の前ひろがる果てしない青 渡れこの両手ミライにのばし ずっと変わらない大事な気持ち 最後の最後にささえるんだ」

雨上がりの“青”は、今までとは何かが変わったことを象徴している。そして、それは彼女にとって「君」を連想し、かつ“大事な気持ち”を支えるもの。


次に「青空を待ってる」を考察してみる。

空がかなしげに泣く日は
弱虫になるよ 昔からそう
君はいつだって笑って
青空見えるまで傍にいてくれた

いつからだろう 君の顔
見るたび何故か傷つけて
それでも優しい君だから
自分まで痛いよ

大嫌いだよ もう嫌いだよ
数えきれないくらい思ったのに
ねえ苦しいよ なんでなんだろう
泣きそうな空をひとり見てる

何も変わらない街には
どこを見てもほら楽しい記憶
たまには喧嘩もしたけど
最後にはいつもごめんと言えた

勇気もいっぱいもらったよ
なのに心はささくれてく
素直にはもうなれないよ
ありがとうも言えなくて

大嫌いだよ もう嫌いだよ
いっそ二度と会えなきゃいいのにね
ねえさびしいよ こぼれた声を
雨音がそっと掻き消してく

きっと きっと
一度生まれた想いは
ずっと消えたりしない

大嫌いだよ もう嫌いだよ
数えきれないくらい思ったのに
知っているんだ もう気づいてる
本当はこんなにね

君が好きだよ 大好きなんだ
誤魔化したってこぼれ落ちてゆく
ねえ会いたいよ すぐ会いたいの
本当の気持ちを伝えるよ
いま目を閉じて 青空を待ってる

青空を待ってる / 澁谷かのん(CV.伊達さゆり)

・君について

1.「君はいつだって笑って 青空見えるまで傍にいてくれた」
2.「いつからだろう君の顔 見るたび何故か傷つけて」
3.「それでも優しい君だから 自分まで痛いよ」
4.「君が好きだよ大好きなんだ 誤魔化したってこぼれ落ちてゆく」

「君」はずっと澁谷かのんの味方であり続けてきたもの。悪くないとわかっていても傷つけてしまうことがあるもの。それでも、大好きで離れられないもの。

・「空」「青」について

1.「空がかなしげに泣く日は 弱虫になるよ昔からそう」
2.「君はいつだって笑って 青空見えるまで傍にいてくれた」
3.「ねえ苦しいよなんでなんだろう 泣きそうな空をひとり見てる」
4.「本当の気持ちを伝えるよ いま目を閉じて青空を待ってる」

※「青」単体での歌詞はないため、「空」と一緒に推察する。

「空」は精神的に決して強くはないんだと思う。そして「青」を切望している。そして“澁谷かのん”とは長い付き合いで、深く共感していることが伺える。

そして、曲の最後に“本当の気持ち”として「青空を待ってる」と結論づけている。

【3】歌詞を踏まえて

・「君」について
ぼくも伊達さゆりさんと同じく「歌」だと感じた。

① 澁谷かのんが大好きなもので、長い間信じていて、共にいて勇気を貰えるもの。

② ずっと澁谷かのんの味方であり続けてきたもの。悪くないとわかっていても傷つけてしまうことがあるもの。それでも、大好きで離れられないもの。

「澁谷かのんを昔から支えてきたもの」としては幼馴染の存在なども挙げられる。
彼女にとっての「歌」は何なのか。

小さな頃からずっと思っていた。私は歌が好き、ずっと歌っていたい。歌っていれば、遠い空をどこまでも飛んでいける。暗い悩みも、荒んだ気持ちも、全部力に変えて前向きになれる。いつだって歌っていたい。

ラブライブ!スーパースター!第1話

・幼少期からずっと好きなもの
・夢を見せてくれるもの
・勇気を貰っていて、これからも好きであり続けたいもの

以上を踏まえると「歌」の妥当性が高いように思う。

・「青」について

「何かを変えようとする想い」だと思った。

① 雨上がりの“青”は、今までとは何かが変わったことを象徴している。そして、それは彼女にとって「君」を連想し、かつ“大事な気持ち”を支えるもの。

② 「空」は精神的に決して強くはないんだと思う。そして「青」を切望している。最後に“本当の気持ち”として「青空を待ってる」と結論づけている。

2つを踏まえると、物事をプラスの方向へ差し向けている存在、もしくは気持ちだと受け取れる。

「好きなことを頑張ることに、おしまいなんてあるんですか…!」

可可のこの問いかけによって“私を叶える物語”は始まりを迎える。

結局のところ、不安(=雨が上がる前)は行動することでしか乗り越えられない。行動することで、社会に警笛を鳴らせたり、日常生活では忘れがちな大切なことを思い起こせたりする。

そして、ラブライブ!シリーズではその想いを「羽」で表現している。

羽は青空へと飛び立つ白鳥からの贈り物。
「スクールアイドルを通して夢を叶えたい」そう思った者だけが受け取れるんだと思う。

・「空」について

僕は「過去の澁谷かのん」だと推察している。

①一方「大空」は澁谷かのんの夢であって、畏敬する存在。後ろに”君の笑顔がきらめいてゆれるから“が来るに「君」の目的になってるものだと推察できる。

②「空」は精神的に決して強くはないんだと思う。そして「青」を切望している。そして“澁谷かのん”とは長い付き合いで、深く共感していることが伺える。


「君」=「歌」としたとき「空」=「歌の目的になる存在」が当てはまる。”歌“を主人公に据えた場合「空」には楽器や歌い手が当てはまるのではないだろうか。

そして「空」は彼女と一心同体で夢を追いかけたり、泣きそうな日は苦しくなったりする。
彼女が幼少期から積み上げてきたものが“歌”であることを考えると「空」=“ヒト”で、澁谷かのん自身だと推測できる。

また2曲とも既にある存在に対して想いを馳せているので、未来の彼女に対するものではなさそう。

忘れてはいけないのは最後に彼女自身が「青空を待ってる」で歌を締め括っていること。


ここまでの推論を当てはめると「青空を待ってる」=「過去の彼女がスクールアイドルに出会える日を待ってる」と解釈できる。

【4】ライブのパフォーマンス

横浜公演 Day1に参加しました。
3階席だったけどめちゃくちゃ痺れた。

だてさゆりさん、語りかけるように歌うのがすごく上手で。
かのんちゃんの曲は明るくてポップな歌が多いから、スローテンポのバラードが新鮮だった。

そして、ピンクの衣装は“愛と幸福”の色。
薄い桃色のドレスが、自分の“好き“に向き合い続けるかのんちゃんにぴったり。

あとは“演出”もよかった。
ステージに広がるスモークは、かのんちゃんが“歌”に対して答えを出そうとしている証。
好きなことに取り組むことは、いつでも楽しい気持ちになれるという意味じゃないし、かけた時間だけ結果が出るとも限らない。

2サビ後、靄のあるステージを一瞬振り向いて、迷いを断ち切ってアリーナへと進む。
ここのだてさゆりさんがめちゃくちゃキマってる。

Cメロで、モニターの映像が全て遮断され、ピンスポットのライトに照らされた彼女に視線がギュッと集まる。

ラストは、サビを歌い終えると直ぐにステージから降り姿を消した。


「伴奏が終わる頃には“青空を待ってる彼女”はもういない。」


僕はこの曲の最後をこう解釈したい。

高校に入学して、色んな人の想いを紡いで、自分の過去と向き合えて。

「スクールアイドルに出会える日を待ってる」そんな過去の澁谷かのんはもう居ない。

その日の伊達さゆりさんは、MCでこう話していた。

「青空を待ってる」という楽曲を披露させて頂いたんですね。その中の歌詞ですごく大好きな部分があって「きっときっと一度生まれた想いは消えたりしない」って歌詞があるんですけども、すごく大好きで本当にその通りだなって思っていて。自分が好きだって思うことだったりとか、そういうものをより極めていったりとか、もっと頑張りたいんだとか、好きでい続けるのって簡単じゃないなっていうのを私は1st LIVE TOURの時に初めて生きてきて経験しまして。好きだって思うことだったりものとかを、突き詰めていったりとか追いかけていったりすることって、い続けることって、自分の中で限界がきてしまうのが怖いというか「これ本当に私好きなのかな」とか、実は今まで好きだって思ってきたことって間違ってたのかなとか。一気に自信がなくなってしまうことがあると思うんですよ。でも、私はやっぱり歌を歌うことが大好きだなって、改めてステージに立たせて頂いて思うことができたし、皆さんもきっと日常生活で「私はこれが好きです」って思うことってきっと、どこかに一つあると思うので、その気持ちを、ずっとずっと忘れないで大切にしてほしいなって思います。

Liella 2nd Lovelive!! 横浜公演 Day1

自分の在り方にすごく真摯だと思う。
演者として、Liellaとして、澁谷かのん役として。

無人のステージは、かのんちゃんと伊達さゆりさんがスクールアイドルに出会って前に進んだ証。


ぼくは思いの丈を包み隠さず、ありのままの言葉で伝えてくれる伊達さゆりさんのMCがすごく好きで。

抱えるものが大きいけど、それでも前に進んでいく2人をもっと追いかけたい。

【あとがき】

ブログを書いて思ったのは「自分の『好き』を大事にしたい」ということ。

私も昨年から東京に転勤になって、仕事が辛かった時期があって。そんな時に「ラブライブ!スーパースター!」と出会って、すごく勇気を貰った。
イベントにめちゃくちゃ行きやすくなったのでハッピーです。

苦境の時に支えになってくれたもの、ずっと好きでいたいと思っていて。それは、自分の思い出を忘れない為にも、Liellaに感謝する為にも。

あとは、伊達さゆりさんが「好き」にしっかりと向き合っていたのがすごく嬉しかった。

「好き」はラブライブシリーズでも受け継がれる大事なキーワードだから。

スキのちからで 飛んで飛んでみようか
そこになにかが待っているから
スキのちからで 飛んで飛んでみたいって
言葉にすればそれは叶うよ きっと叶うよ!
大きな声で叫んでみてよ

Heart to Heart / μ's

伊達さゆりさんがかのんちゃん役ですごく良かったと思うし、彼女とかのんちゃんが「好き」に対してどういう答えを出していくのかすごく楽しみ。

実はこのブログ、まだ煮詰めることもできて。
澁谷かのんのソロ曲としてはBD特典の「心キラララ!」もある。

これからも「青」「空」「君」はかのんちゃんのソロ曲に登場するだろうし、もっと考察の余地がありそう。

2期が終わったくらいにまた書くかも。

あとは、ライブの前にSHIBUYA SKYに行ってきました。ソラワタルハレ…!(言いたかっただけ。)

それでは。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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