雨色流ボーカルMIX備忘録 令和最新版 (前編)
超絶気まぐれなブログ更新のお時間です。
なんとなく逆張ってFC2ブログとか使ってた気がするんですが、おとなしくnoteやっていきます。
今回は記事執筆日(2022/10/6)時点の私のボーカルMIX手順を雑に記述していきます。
完成されたオケに対して歌を混ぜていく(要するに歌ってみたやカバー)スタイルを想定していますが、オリジナルを含めオケからの制作でも共通な部分は多くあります。
参考になったりならなかったりするかと思いますが軽い気持ちでお読みください。
注意事項という名の予防線
※筆者は素人
※一般的なセオリーとしておかしい可能性もある
※具体的な数値をそのまま使っているわけではなく、あくまでこれを基準に調整するという目安の値
→つまり脳死でこのnoteの数値のコピペをしてはいけない(戒め)
※投稿日以降に新しいプラグインを購入したり諸々によって手順が変わっている場合もある
※比較的専門的な用語を説明なしで使っている部分もある
※ほぼ全部有料プラグイン
※セルフゴママヨ指摘あり。ゴママヨ符の鬱陶しさ注意
土台となる考え方
やみくもに作業するよりも、ある程度共通した方向性を持って進めていく方が悩みにくいと思っています。
私は主に次のような考えを持っています。
・迷ったら「自然に感じるほう」を目指す
FXを重ねたりパラメーターを弄っていると正解がわからなくなりがちです。そんな時は「なんかキモいな」という直感を大事にしています。
極論「なんかキモいな」が無くなった時が完成時と思えば、作業の止め時もわかりやすいです。
・知っている音=良い音 と感じがち
音というのは曖昧なものなので、視覚以上に「今までに無いもの」を受け入れづらいと思っています。
アナログ的なサウンド・歪みが好ましいとされるのはこの理由も大きいと思っていて、最新技術的なデジタルプラグインとの使い分けが重要だとも感じています。
何が言いたいかというと、「プロの現場で使われているプラグインを自分も使う」というのはそれなりに重要なことではないかと思っています。
安価(ないしはフリー)であったりマイナーなプラグインでも良いものはもちろんありますが、プロやセミプロが使っているプラグインには「昔から使い慣れている」というだけではない理由が多かれ少なかれあるものだと思っています。なので個人的には、
良く分からないのであれば有名なものを使う
→ 使ってみた経験を基準として他に手を出してみる
という考え方を割と重要視しています。
あとは、有名プラグインはプリセットやハウツーが充実しているので、投げ売りの良く分からないプラグインで試行錯誤するより近道な場合が多いと思います。まあお高い場合も多いんですけど……
・リファレンスを大切にする
特に歌みたやカバーの場合明確に本家があるので、少なくともある程度の指標を設置しておくことは重要かなと思っています。
自分のMIXとリファレンスを細かく聞き比べることで見えてくるものもあると思います。
100%主観ですが、最近の合成音声曲は極端にフォルマントが高い声(ボカロならGEN、UTAUで言うとgを下げた声)だったり、息成分が多い声だったりすることが多い気がしていて、「歌ってみたのリファレンスには歌ってみたを使う」という手法が適している場合もあるかもしれません。
トラック配置
結構複雑ですが画像の通りです。
左から順に
・本家 : リファレンス
・オケ : 後述の加工済み音源
・メイン
・ハモリ
├ダブリング用のセンド
└ハモリのバス
・その他 : あれば合いの手など
・ボーカル全部のバス
├ショートリバーブのセンド
├ディレイのセンド
└ロングリバーブのセンド
・空間系含めたバス
・ミュート用のダミートラック(後述)
・マスター
となっています。
もちろん曲やボーカルの数諸々によって変化しますが、概ね固定して迷子にならないようにしています。
<ダミートラックとは>
フェーダーを一番下まで下げたバストラックを、ダミートラックとして一つ作成しておきます。基本は空になっているので全く無意味な状態になっていますが、任意のトラックをここに送ることで一括ミュート/ソロボタンの操作から独立させることができ、作業の効率化に繋がります。
・ハモリトラックが複数ある時に「オケ+ハモリ全部」や「オケ+ハモリ1本」などを聴き比べつつ調整したい場合
メイントラックをダミーに送ることで、一括ミュート解除をしてもメインの音が鳴らなくなります。
・センドに送ったディレイやリバーブのみの音を調整したい場合
センド元をミュートにするとセンドの音自体がなくなってしまいますが、メインアウトをダミーに変更することでdry音だけをミュート→wetな音のみを聴いて調整することが可能になります。
もしもっと良いやり方があるよ!という方がいたらコソっと教えてください
オケの処理
・オケがマスタリング済の場合
フリーのReLifeというプラグインを使って疑似的に2mixに近づけます。
こちら32bitプラグインなのでそのままだとStudio One上で動きません。今は64bit限定のDAWも多いと思いますので、もし使うならブリッジ的なプラグインを使うか何かで対応しましょう。
私はもともとFLからS1に乗り換えたのですが、なんとFLは64bit/32bit両対応なので
FLでオケだけ読み込む→ReLife→書き出し→S1に持ってくる
で対応してます。そういえばREAPERとかも32bitいけた気がする。
あとはRXのDe-Clipでもある程度戻せるような話を聞いたので今度試してみようと思います。
改めて考えるとこんなようわからんクソ古いプラグインを挿して音質は大丈夫なのかとか懸念は無いでもないですが、そもそもボカロをはじめとして配布されてるオケってmp3(256kbps以上ならともかく普通に128kbpsとか)が圧倒的に多くて今更感がすごいので割り切っています。
そもそもカバーされる前提で配布しているCD収録でもないオケを海苔マスタリングするな
(生配信歌枠とかカラオケ感覚だとマスタリング済オケの方が都合が良いこともあったりするらしいですけどね)
・DAWでのインサート
iZotopeのRelayを挿しておきます。これは別トラックに挿してあるiZotope製の他プラグインと連携させるためのプラグインで、後々活用します。
・音量調整
曲によりますが、オケだけ流した時のピークが-12dB前後になるように調整し、これを基準にボーカルを調整します。
最近はReLifeを挿す段階でFL上で-12dBくらいまで下げて書き出し、そのままS1に持ってきたりすることもあります。
ボーカル下処理
・iZotope RX 8
まあ、それはそう
生声はもちろんUTAUボーカルとかでも原音の時点で乗ってたノイズをそれなりにいい感じにできたりします。
10出たし他にも最新買ってないiZotopeプラグイン(!?)結構多くなってきたしそろそろ買い換えたいですね。
Waves Clarity Vxも一応持ってますが、あっちは「BGMが乗ってる喋りから声だけぶっこ抜く」みたいな特殊な使い方が多かったり。
・ゲインエンベロープ(Studio One)
極端に大きすぎるピークとかを先に削っておきます。実際のところピーク処理としては後からコンプに突っ込むのですが、それでカバーしきれない(カバーしようとすると他の部分に影響が出る)ようなものを手で処理しておきます。
・エディット(Melodyne5 Assistant、Waves Tune)
ピッチとかタイミングの補正をします。エディタで調声するソフトウェアシンガーだと基本不要だけど人間だと一番時間がかかるところ。
基本はほぼ全てMelodyneで補正して、ケロらせるときだけWaves Tuneに突っ込んで一括でピッチを平らにするのが便利でした。
ボーカルトラック インサート
①SSL Native Channel Strip 2
②iZotope Nectar3 Plus
③Waves Kramer HLS
④oeksound Soothe2
⑤Purple Audio MC77
⑥Waves VEQ4
⑦FabFilter Pro-Q3
⑧Waves PuigChild 660
⑨A.O.M. DeSibilizer
⑩(Pro-Q3他)
①SSL Native Channel Strip 2
天下のSSL公式のCS(チャンネルストリップ)です。バスコンプとセットで激安だった時に買いました。
同じSSL式のCSでも出してる会社によって微妙に音が違うとかなんとか聞きましたが、厳密に聴き比べとかはしてないので公式のやつなら間違いないやろ!の精神で採用してます。これを買う前はIK MultimediaのT-Racksをまとめ買いしたときについてたCSを挿してたような気がします。WavesとかBrainworxのやつは持ってないです。
尤も、CS内部で音作りは全くしていません。Outputだけいじってゲインステージングに使っています。あとは挿すだけで「SSLっぽい質感」が付加されるようなおまじないとして挿してます。public static void main(String[] args)みたいなもんです。
これを読んでいる中にはゲインステージングの概念を知らない方もいるかもしれませんが、ここでの詳細な説明は長くなってしまうので省略させてください。
このあたりを見ていただければわかりやすいのではないかと思います。
https://youtu.be/FsXSQRMxxFE
②iZotope Nectar3 Plus
DTM本格始動直後(UTAUカバーガッツリやってた頃)に買ってずっと使ってます。当時はPlusじゃなかったけど。
Vocal Assistantを実行して、初段のEQだけ残して他はバイパスします。そしたらカットしているバンドのうち基音に近い方を選択してFollow EQモードを選択。
このFollow EQがあまりにも唯一無二なので未だに手放せなくなっています。本来NectarのVocal Assistantを使った場合はNectar内で音作りを完成させる想定(なのでリバーブとかまで付く)と思われるのですが、ある程度こだわりがある人はこのように必要なところだけ取り出して採用するのもありかなと考えています。
③Waves Kramer HLS
EQ&マイクプリアンププラグイン(!?)です。高級マイクプリは通すだけでいい感じに音がほんのり歪んで良い音になるんですが、素人の録音ではそんなもの存在しないのでこういったプラグインを使います。
Inputを上げてOutputを下げて歪みを付加。加えて高域をちょっとブーストします。細かい調整は後からするので、結構大胆に派手めな音にしておきます。
なお、後にも共通する話ですが、元の録音環境があまりよくない音源(特に音質が微妙な原音をUTAUに通したボーカル)なんかはドライブやブーストを控えめにすることが多いです。声本体よりもノイズの方が持ち上がりやすいので、十分に注意しつつ。
イメージとしては、ここまでが音の下処理という認識です。
④oeksound Soothe2
歌みたMIXを紹介しているサイトや動画では「細いQのEQで一部を極端に持ち上げながらFREQを動かし、耳に刺さる帯域を探して削る」なんていう記述がよくあると思います。
Soothe2はそういう作業をほぼ全自動でやってくれます。プラグインの種類としては「レゾナンスサプレッサ」にあたるそうです。
使い方としては、キンキンしやすい帯域をざっくり指定してあとはほぼおまかせ。
強くかけすぎるとせっかく前段でかけたKramer HLSのサチュの良さや原音そのものも死んでしまうので軽めを意識します。逆に、Soothe2をKramer HLSの後に持ってくることで掛けすぎたドライブを緩和してもらおうという狙いもあったりします。そもそも本来のRECであれば一番最初にマイクプリを通っているはずなので、早い段階でHLS→その後に他の加工という意識です。
あんまり安くならなくてちょっと手を出しづらいプラグインですが、マジで時短になるのでおすすめです。
⑤Purple Audio MC77
76系コンプです。
Purple Audioというのがもともと実機アウトボードのメーカーで、その名の通りどの機種も特徴的な紫色をしています。
Universal Audio製1176がいわば"本家1176"なわけですが、それをもとにPurple Audio社が作った実機がMC77です。私が使っているのはその純正モデリングプラグインになります。
76系のモデリングは世界に200那由他飛んで3万個あることで有名ですが、このプラグインは機能性の面でかなりオンリーワンなので他の76系を持っていても買う価値はあると思います。
・In/Outのリンクボタン搭載
そもそも76コンプって「スレッショルドが固定」「Inputを上げてスレショに引っかかった分をリダクション」「全体的に上がった音量をOutputで下げる」という動作がデフォです。実機だと2つのつまみを両手でそれぞれ動かせるので、「Inで上がった分の音量をリアルタイムにOutで下げる」という調整が容易なわけです。
ただプラグインだとそうもいかなくて、マウスは1つしかポインタが無いのでInの調整とOutの調整を別々に行わないといけません。
そこでこのMC77、InputとOutputの間にある鎖のようなマークのボタンを押すことで、Inputを動かした分だけ連動して逆向きにOutputが動きます(逆もまた然り)。これによって、聴感上の音量をほぼ変えずにコンプレッションを行うことが可能です。
・パラレルコンプ可能
UI一番右下のつまみによってパラレルコンプレッション(コンプが掛かった音と掛かっていない原音を混ぜることでいい感じに自然にコンプを掛けるテクニック)ができます。最近だとMIXつまみがついてるコンプも多いですが、ついてないコンプでパラレル処理はだいぶ面倒なのであるに越したことはないですね。
他にも(私はあまり使わないですが)機能としては
・モノ/ステレオが自動で使い分けられる
・レシオのHOLDボタンで複数同時押しが可能
……いわゆるブリティッシュモード/全押しの挙動を搭載したプラグインはいくつかありますが、使い道はともかく「4と12」「8と12と20」みたいな変則同時押しが可能なのはなかなか見かけません。
・サイドチェインフィルター搭載
・ステレオイメージャーみたいな機能まで搭載
└しかも指定帯域より下をモノに保つ機能も搭載(Ozone Imagerの無料版より高機能)
こんな感じで多機能かつ分かりやすいコンプになっています。いろいろ調べてたら質感も実機に近くて良い感じとのことです。
文字の分量的にボーカルMIXじゃなくてMC77の紹介記事になってきました。
私は結構しっかりここで潰しておきたい場合が多いので、だいたいの設定はこんな感じ
・レシオ : 12(様子見て8)
・アタックリリース : どちらも「5」の目盛り付近を基準に調整(速め)
・リンクをオンにしてInput調整
├激しめ : GR7~8くらい
├自然さ重視のバラード : GR5未満くらい
└中間くらい : GR7~8くらいでパラレルのMIXを50~60%くらいに
もちろん聴きながら調整しますが、コンプの音の変化ってわかりづらくて沼りやすいので、基準を決めて概ね近いところに着地できるようにしておきます。
⑥Waves VEQ4
アナログEQです。私はちょっと前までアナログEQの存在意義(!?)がわかっていませんでした。
・選択肢が限られているので音作りに悩みにくい
・Qが緩やかなので自然に音を変えやすい
・アナライザの見た目に惑わされない
このあたりがメリットです。
設定はだいたいこんな感じ
・HP : 82Hz(アルト系の女声曲オク下みたいなひっくいボーカルは47のことも)
・HMF : 2.2~4.7kHz(ボーカルによって調整)を+1dB
・HF : 10kHzを+1dB
③のKramer HLSと同様に、ノイジーさが目立つ音源の時はあまりブーストしすぎないようにします。
さすがにこのくらいの調整だとそこまで音変わらないので、おまじない的な意味も大きめです。
埋もれやすいときはHMFをもうちょっと上げたりとか。
おそらくこの役割としてはPultec系のEQを使っている人が多いと思うんですが、いまいち好みの音にならなくてこっちに変えました。(使いこなせなかったとも言う)
⑦FabFilter Pro-Q3
終盤です。微調整をします。
といってもここまででほぼ整えられているので(概ねSoothe2のおかげ)念の為レベルのEQです。
・1曲通して最低音の基音より下をカット(男声なら100Hz付近、女声なら150~200Hzくらい)
・基音周辺を広めのQのダイナミックEQモードで-2~3dBくらい抑える
・キンキンする場合は4~6kHz付近を細いQで抑える
・ノイジーな場合は10kHz付近にノイズが溜まりやすいので抑える
大体こんな感じです。音がパッとしない場合などはHigh Shelfで広域を緩く持ち上げたりすることもあります。が、やはり弄りすぎると沼るので、より前段のアナログEQやサチュなどに戻って調整しなおすことが多いです。
⑧Waves PuigChild 660
いわゆるFairchild系のコンプで、ほんのり全体を抑えるのと質感付加に使っています。
これもDTM歴最初期に買ったプラグインの一つで、YouTubeで「挿すだけで音が良くなる!」という評判を鵜呑みにした上に¥46,200が4000円台まで値下げされているのを見てノリで購入しました。結果的に音は好みだったので今でも使っています。
(ご存じの方は多いと思いますがWavesはセールをしていない時期の方が少ない上にバンドル購入が基本なので、逆に4万でこのプラグイン1個を買う方が難しいです)
以下だいたいの設定
・Input : デフォルト (数値で言うところの『12』がInputレベル±0dBらしい)
・Threshold : GRが最大-3dBくらいになるまで下げる (つまみ的には右に回して数値を上げる)
・Time : 1 (参考 : https://yugo-music.jp/article-5195.html#toc_id_8_1)
・Output : 基本は0のまま。リダクションした分を上げる場合もあるが後段にゲイン調整プラグインを挿したりフェーダー操作で対応する場合が多い。
この段階まで来るとあまりやりませんが、PuigChild内でガッツリ目に歪ませて音を前に出すというテクニックもあるにはあります。Fairchildというのは要するに真空管コンプですからInputを上げるほど歪みます。Thresholdを0にすると全くコンプレッションされなくなるという特徴を生かし、コンプではなく単なるサチュとしてFairchildを使う人もいるようです。
が、個人的には正直そこまでしなくても他にサチュあるし……と思うので採用したことはあまりないです。PuigChild最高!一番好きなプラグインです!という方は試してみるといいんじゃないでしょうか。
⑨A.O.M. DeSibilizer
ディエッサーです。
おそらく無配かバンドルかおまけかでいつの間にか持っていたERA 4 De-Esserを長らく使っていた(ワンノブで楽だった)んですが、もう少し高機能で精密に弄れるディエッサーが欲しくなりついにA.O.M.の全製品サブスク年間プランに手を出しました。Invisible Limiterも気になってたので良いタイミングでした。
関係ないけどERAシリーズ出してたAccusonusってMeta社に買収されて販売停止・新規開発しなくなったってマジですの。
正直高機能すぎて初心者にはあまりおすすめできないと思いますが、ある程度分かる人が使えば納得いくまでこだわれるディエッサーだと思います。アナライザの視認性も最高。
基本的にはSENSITIVITYとRANGEを弄って不自然にならない程度に抑えていきます。A.O.M.のプラグインはつまみにマウスオーバーするとその項目の詳細な説明が日本語で表示される超絶親切設計なので、それを見ながらいい感じにやりましょう。
ところで、『ディエッサー、初段に挿すか?後段に挿すか?』というのは米津玄師も歌っている永遠の課題と言われていますが、私は後段に挿す派です。
以前は比較的初段(Nectarの後くらい)にディエッサーを入れていた時期もありました。しかし結局その後に来るコンプやEQで歯擦音が持ち上がってしまい、後半のEQで微調整するか、それを踏まえて前段のディエッサーを弄りなおすか……と二度手間になりがちでした。
ならばいっそのこと全部音作ってから後で抑えた方がいいのでは?という理屈でこの位置に配置しています。
これに関しては正解は無いと思っているので、いろいろ試してみて最良を見つけるといいんじゃないかな~と。
(⑩)その他 微調整
基本的に⑨まででボーカルのインサートは全て終わりです。ここまでやってどうしても納得いかないときに追加でなんかやります。ただ、沼りやすく結局外した方が良かったじゃん、という結果になりがちなのであまりおすすめしません。
やることの候補としてはこんな感じ
(a)EQ : どうしても気になるピンポイントを極細Qで削ったり、抜けてこないときにハイシェルフで高域上げたり。
(b)マルチバンドコンプ : (a)の派生みたいな感じで、より広い帯域で自然に抑えたいときに採用。逆に高域が出すぎているときとか。NeutronのCompressorが柔軟に扱えるので使ってますが、そろそろPro-MB欲しいですね……
(c)サチュ : やはり抜けが悪い時に。Saturn2等マルチバンドのサチュで高域だけ倍音を足すと元の音が破壊されにくくて良い感じです。
(d)OTT : やはりOTT‥‥!!OTTは全てを解決する‥‥!!
……わけではなく、ボーカルにOTTは慎重に掛けましょう。DEPTHは5~10%(10%でもかけすぎくらい)、UPWARDとDOWNWARDをそれぞれ5~60%くらいにすると比較的音を崩壊させずに掛けられます。
使いどころとしては、電子音楽系やハードロックなどでオケの音圧が高すぎて埋もれるときに使います。ケロケロ系との相性はかなり良さげ。
長くなりすぎるのでこのあたりで一回区切ろうと思います。
続きはこちら
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?