KOBUKURO 20TH ANNIVERSARY TOUR 2019 ATB 京セラドーム大阪 Day2 (Blu-ray鑑賞を終えて)

 結成20周年を記念して、2018年の夏に記念ライブを開催したコブクロは、2019年春から記念ツアーを開催した。秋頃には海外で3公演まわった。熱い想いを胸に挑んだツアーは全35公演と、過去最多となった。僕はこのライブをBlu-rayで見て、衝撃を受けてから、今までこのライブを超えるライブは見たことがない。そのツアーの映像収録となった京セラドーム大阪2日目のライブレポート。

小渕と黒田からコブクロ誕生

 ライブ当日、会場のスクリーンに映されたのはサンズアート。生披露で、緊張感のある中、拍手とともにオープニングとなった。スクリーンでは、コブクロが別々にストリートライブをしていて、そこから2人になり、「桜」ができ、花びらの散る桜の木が完成した。コブクロの誕生を見るところからLIVEが始まる。

結成からメジャーデビューまでの道のり


 桜の木の下でギター一本、2人だけのステージで始まった、1曲目は「桜」。この曲から始まるLIVEはあったが、コブクロ誕生までを見てから聴くこの曲は一味違う。コブクロ誕生のきっかけとなった曲で、小渕さんが初めて作った曲。

 次に披露されたのは、黒田さんが初めて作った曲、2曲目は「DOOR」。この曲をギターのみで演奏するのは珍しい。最後はほぼアカペラで、バンド演奏では味わうことのできない、ラッキーさもあった。そしてこの曲だけでギターのチューニングをしなければいけないほどの激しい演奏になり、短めのMCもあった。

 3曲目は、懐かしい曲が日替わりで披露された。「2人」「朝顔」「夜空」「遠まわり」「LOVE」「向かい風」。大阪公演では「遠まわり」が披露され、優しい雰囲気に包まれた。ここからは冒頭の緊張感を解くため、バラードの「向かい風」は、宮城公演の2日目のみの披露だったようだ。

 ここで少しずつバンドメンバーが増えていくメジャーデビュー前のLIVEを再現するために、パーカッション担当のラムジー(坂井"Lambsy"秀彰)さんがステージに上がった。3人で演奏した4曲目も日替わりでメジャーデビュー前の曲を披露した。「Bell」「Bye Bye Oh! Dear My Lover」「虹の真下」「ボクノイバショ」。大阪公演では「Bye Bye Oh! Dear My Lover」を披露し、イントロから会場全体が手拍子で盛り上げ、次の曲へと盛り上げていく。

 そしてステージはアコースティック編成に。5曲目は「太陽」。かわいい曲調と、2番で山口寛雄さんが弾いたかっこいいベースの演奏が好きポイント。

 フルバンドとなったところで、ようやくメジャーデビューシングルの6曲目「YELL」で長い1ブロック目が終わった。

珍しいブロック構成 バラードブロック-1

 いつものLIVEでは1ブロック目が2〜3曲で、ゆったりした曲がここから披露され、中盤のバラードブロックにむかっていく。しかしこのツアーでは、ここがバラードブロックになっていた。

 7曲目は、日本の公演が「赤い糸」、母の日が近かった広島公演2日目のみ「遠くで..」、海外の公演が「永遠にともに」だった。大阪では優しく歌い、クライマックスにかけて声を張っていく黒田さんの声が感動ポイントだった。

8曲目、9曲目はコブクロのエネルギーを存分に使う曲が並んだ。8曲目は日替わりで、「流星」「ここにしか咲かない花」「未来」。「ここにしか咲かない花」は長野と愛媛の2日目のみの披露となった。9曲目も日替わりだ。「未来」「蒼く 優しく」「Twilight」「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」「ここにしか咲かない花」。中でも活動休止という大きな想いを胸に歌った「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」は、そのツアーでファイナルの札幌、震災でツアーの公演を中止した宮城、災害のあった九州の鹿児島、コブクロがたくさんLIVEを開催してきた地元大阪、初武道館の感動を味わった東京と、意味のある選曲に感じた。大阪では、人気曲「未来」はもちろんいいのだが、「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」では、過去一番泣いた。「未来」の2番から2人の力の入った歌唱にやられていると、「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」に限っては活動休止という出来事が頭に浮かび、聴く方も気持ちが動いてしまった。ここはほんとに今までで一番泣いた。MCで小渕さんはこの歌をこういうふうに歌えるのは黒田俊介だけで一生いい、と話すほどの衝撃だった。

一足早い盛り上がりブロック

 バラードブロックのあとは盛り上がりブロックというのは変わらず、10曲目は2017年のファンフェスタでも盛り上がりブロック1曲目で披露された「宝島」。この位置にピッタリの選曲。

 11曲目は定番の「轍」。ストリートライブ時代から歌っている歌で、コブクロの原点でもある。小渕さんのアコギ掻き鳴らしもあり、テンションがあがった。

 12曲目は「tOKi meki」。2016年のアルバムに収録され、その年のライブで披露されてから2019年まで毎年披露されている。そしてここで初の試みとして、LIVE中盤での着替えもした。2人は前面に「ATB」、背面に「5296」と書かれたTシャツになった。横浜公演などでは偽Tシャツを着るなど、黒田さんによるお笑いも炸裂した。ちなみに黒田さんは、ツアータイトル「ATB」(オールタイムベスト)を、「AKB(オール黒田ベスト)」にしたり、「UZU(ゆず)、7216(なついろ)」「STU」、「令和」などの偽Tシャツを着たりしていた。

 13曲目は「Moon Light Party !!」。この曲のコールアンドレスポンスでは、小渕さんが「TT兄弟」や、「そろりそろり」といったお笑い芸人のネタをつかって盛り上げ、炎の「Hey!!」16連発とともに写真撮影が行われた。

 虹色に輝く会場は14曲目「神風」。イントロの前に、福ちゃん(福原将宜さん)と小渕さんのツインギターもあった。これがなんとも感動的というか、火花に飲み込まれるようなギターの演奏が印象的だった。

バラードブロック-2

 まさかの2つ目のバラードブロックがここにあった。20周年だからこそできるセットリストだろう。15曲目は日替わりで、結成10周年を記念した「時の足音」と人気曲「風」が披露された。まだまだ聴いてほしい曲がたくさんあると、披露された「時の足音」は、活動休止の3年も前に作られた曲だが、「短い針が止まれば、長い針も止まる」というように、活動休止を思わせる歌詞がある。歌えないのではないかと思ったこともあったそうだが、こうして20周年の舞台で歌うことができた。

 このあとを任されたのが、レコード大賞金賞を受賞した、30代幕開けの曲、16曲目は「蕾」。1番から身体を丸め、優しく歌い、2番のサビからラストサビにかけての力の入った歌い方は今までで一番だと思う。中でも福岡公演では黒田さんの歌が大きく崩れるほどに涙していたらしい。やはりこの歌を歌うと思うことがたくさんあるのだろう。このラスサビは中盤の「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」に続いて泣いたね。

 17曲目は、20周年を記念したLIVEで初披露された「風をみつめて」。コブクロの最新曲で、1曲目の「桜」からこの曲までが、20年の道のりだ。一年前よりも優しく力強く歌っていて、感情が入っていただろう。「あなたが元気でいれますように」とあまり普段は言えない表現をしたこの曲は、直接心に触れて包んでくれた。

結成20周年を詰めた究極の2曲

 LIVEも終盤、18曲目。小渕さんはMCで、これまでの感謝の言葉を並べた。そのまま小渕さんが指で空に向かって何かを描くようにして始まったのが「20180908」。1年前に小渕さんが宮崎の運動公園の空の下で20周年を記念して1曲目に歌うと決めた曲。2分ほどの短めの曲だが、歩き始めた日のことから20年分のおめでとうをもらい、ありがとうを持ってステージに立つところまでが詞に込められている。個人的に20年目の始まりを感じるところや、メロディーがかなり好み。

 そして本編最終19曲目は「晴々」。これこそが20th ANNIVERSARY SONG。黒田さんは始めから吠え、曲の最後には小渕さんが、「桜」「永遠にともに」「Welcome to the Tour "5296"(2008年に開催したツアーのオープニング曲)」の一部を歌った。銀テープが発射され、これにて本編は終了。アンコールへ。駆け抜けたなぁ…と。

アンコール

 アンコールは、2回目の着替えを終え登場。なんと2人はスーツ姿で登場した。黒田さんの発案だそう。大阪公演ではここで、「SAKURA」をHONEST BOYS feat.コブクロ というかたちで披露した。これは、コブクロの「桜」をヒップホップにアレンジしたもの。ヒップホップ好きな黒田さんが大喜びしたという。独特なノリに会場は盛り上がった。

 そして、コブクロとしてのアンコールはここからが本番。アンコール1曲目は「ココロの羽」。ストリートライブの最後はいつもこの歌と決めることがあったほど大切な歌。このツアーでも観客が手を繋いで合唱した。

 サンズアートで書かれたアンコール2曲目のタイトルは、メジャーデビューの壁を打ち破った「ANSWER」。立ち止まるたびに「ラララ…」と口ずさんできた。最後の曲ということもあり、コブクロは全力の歌唱で魂を震わせた。このライブでは観客全員で口ずさんだ。今まで20年間、コブクロは日々答えを見つけてきたが、そのすべてが今足元で一つ、お互いの信頼関係で乗り越えていくというANSWERがあった。黒田さんからのサプライズで、1本マイクで締めた。

京セラドーム大阪 2日目 セットリスト

  1. DOOR

  2. 遠まわり

  3. Bye Bye Oh! Dear My Lover

  4. 太陽

  5. YELL

  6. 赤い糸

  7. 未来

  8. あの太陽が、この世界を照らし続けるように。

  9. 宝島

  10. tOKi meki

  11. Moon Light Party !!

  12. 神風

  13. 時の足音

  14. 風をみつめて

  15. 20180908

  16. 晴々

  17. SAKURA

  18. ココロの羽

  19. ANSWER

最後までご覧いただきありがとうございました。

にじでした。

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