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決められない会議はやるな


26年間のサラリーマン生活及び脱サラ起業し、海外で10年間働いてきた自身の経験から、ビジネスはスピードという感覚が身に付いて来たので今回はこのビジネスのスピードという観点から一つのテーマを選びました。それは決められない会議はやるなという事です。

中国やタイで働いていると特にこのビジネスのスピード感があるかないかで結果が雲泥の差となります。現地の日系企業の駐在員や海外の顧客からよく聞こえてきた発言は何かというと、とにかく日系企業は意思決定が遅いという発言でした。具体的に言うと海外にある日系企業の駐在員からは日本の本社に相談事項を投げかけたけどなかなか返事がもらえないので懸案事項が溜まるばかりと言っていました。日本は決済が下りるのに稟議制度というのがありハンコの持ち回りが習わしであり、決裁権が誰にあるのか不透明になっているケースが多いのです。最近ではようやくハンコ制度を止めるというのが風潮にはなっては来ましたがハンコを押す時間が短縮されたからと言って意思決定の仕組みが変わったわけではありません。また海外の顧客から聞こえてきた話は、中国企業のトップセールスの勢いと押しが強く、思わず注文を出してしまった。あなたのところは反応が遅いと言われたので注文を取れなかったと駐在員仲間が言っていたことが忘れられません。私の場合は中国でもタイでも意思決定の権限を持っていたので他人事のように日系企業のスピード感の無さを肌で感じていました。

さて、ではなぜ海外の日系企業、もとより本社を有する日本企業においてビジネススピードが遅いのでしょうか?

ビジネススピードを分かりやすく言いかえると意思決定のスピード、そして意思決定の場とは会議の場ですね。そうです会議での意思決定が遅い、言い換えると決められない会議が多すぎるという事なのです。
では逆に意思決定が速い会議というのはどうあるべきかという切り口で考えてみましょう。

意思決定が速いという会議をするのに大事な事は何か?

3つのポイントがあります。

① 参加メンバーの時間を使ってまで伝える価値のある情報提供が事前にできているのか?
② 参加メンバー全員が当事者意識を持てる会議なのか?
③ 会議終了後に参加者全員が何か具体的な行動を起こすことが出来るのか?
以上の3点です。開くことが目的になっている会議では上記のポイントが忘れられています。会議で協議されたことはその後のaction、つまり行動につながるものでなければなりません。情報共有しておけばいいというレベルのものはメールや社内SNSで共有すれば十分です。そのためにITツールがある筈ですよね。各参加者の時間を調整してわざわざ会議を招集する訳ですからコストがかかっている訳です。そのコストを意識するだけでも社内の情報用ITツールを活用しない手はないわけです。会議は極めてコストのかかる投資だと認識すべきです。

さて我々がサラリーマンとして社会人をスタートした時から上司によく言われてきたことはホウレンソウですよね。報告・連絡・相談です。これが今も大事であることは変わりがありません。このホウレンソウの徹底は日本企業の経営の肝と言ってもいいと思います。

しかし今回話している会議の在り方という観点から見るとこのホウレンソウ、それぞれの重みづけをした方が良いと思っています。日本企業で多く見られるのが報告会議や連絡会議なのです。様々なプロジェクトの進捗や顧客クレームが発生した場合、担当部署が報告書を作ってその内容を説明するとか連絡事項をまとめて報告するために会議が開かれます。

しかし数値情報の報告やすぐに何かを決めなくても良い事案の連絡等はITツールを使ってやった方が効率的です。というのも報告と連絡は現在よりも過去の出来事が扱われているケースがほとんどだからです。報告と連絡は事実を共有する事が大前提です。つまり報告と連絡はキチンと文書化出来る状態であるべきで、文書化出来るという事はITツール等を使い事前に情報共有できることを意味しています。

会議の前に報告と連絡に相当する部分を文書化してグラフ化して共有しておけば会議の場では相談に集中する事が出来ます。相談は未来の話です。未来の話こそ参加者が時間と空間を共有して実施するに値有するものだと思います。わが社はマイクロソフトのオフィス365を活用し事前に会議資料を参加者に配信しているという方も多いでしょう。はい、ではその会議の内容はどうですか?資料を作成した担当者ごとにその資料を説明する時間となっていませんか?それでは事前に資料を配信した意味が無いのではありませんか?

もう一度意思決定の早い会議のあるべき姿をおさらいしてみましょう。

報告と連絡に相当する内容は文書またはグラフで会議の24時間前までに参加者全員に共有され頭に入っています。はい、会議開始です。すると参加者の中の上位職からの質問が繰り出されます。その質問はこれからの話に関する事です。未来のための質問なのです。質問を受けた資料作成者はその質問に応えて行きます。過去を変える事は出来ないのでそのことを責めても何の意味もありません。これからどうしていくべきなのかが論議されるのです。
どうやったらもっとよくなるのか?どうやればリカバリーできるのか?
そういったことを考える方がよっぽど参加者に取ってつまるところ会社にとって有益なことだと誰もが理解できると思います。

そしてその会議で明確にしておくべき事は
① 具体的な計画は何か?
② 責任の所在はどこか、誰なのか?
③ Actionの期限はいつか?
という事です。誰が何をいつまやるかが決まれば次回の会議の目的が明確になります。


ビジネスはスピードである。スピードとは会議の目的が明確に設定され、それを将来に向けての議論に集中し、必ず結論を出し、確実に進捗がフォローされるもの。この繰り返しがプロジェクトの原動力であり、この原動力の熱量とスピードがビジネスの結果を左右するという事です。

そんじゃまたね!

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