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異次元フェス、ラブ・ボナペティートに感謝を —エマ・ヴェルデ生誕祭2024に寄せて—

去る2023年12月9日と10日、「異次元フェス アイドルマスター⭐❤️ラブライブ!歌合戦」(以下、歌合戦)という、「アイドルマスター」シリーズのアイドルと「ラブライブ!」シリーズのスクールアイドルが東京ドームに集結する合同ライブが2日間にわたって行われました。あれからもうすぐ2ヶ月になろうという時期ですが、その時の記憶もまだ色褪せていない、まだあの時の興奮がなかなか醒めていない、そんな方も少なくないでしょうし、2ヶ月もあれば流石に落ち着いてきた、という方もいらっしゃるでしょうか。
私は両日現地参戦でした。企画が発表された2023年7月の時点で既に私は「ミリオンライブ」と「シャイニーカラーズ」を中心に追っている「プロデューサー」であり、かつ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」を中心に追っている「ラブライバー」でした。個人的には自らをラブライバーと名乗るのはあまり好きじゃないけど……。すなわち、元から両シリーズを股に掛ける私にとってはむしろ自分が行かなきゃ誰が行くんだというライブ。当然最速先行抽選で通し券を申し込み無事当選、そして2日間の最高のライブを全力で楽しませていただきました。
今回(というか初めての記事だけど)はそんな歌合戦に関するお話をさせていただきます。歌合戦の話をするにはタイミングが遅すぎて不自然だな、って?私自身そう思ってます。ですが、このタイミングにしたこと自体には意味があって、この記事の公開日である2月5日は、私のラブライブ!シリーズにおける最大、というか唯一の推しスクールアイドルである、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のエマ・ヴェルデさんの誕生日なのです。毎年この時期はグッズを買いに行ったりグッズの集合写真を撮ったり聖地巡礼に行ったりと彼女の誕生日に合わせて色々なことをやっていて、今年については「歌合戦もあったばかりだし、せっかくだから記事を書いてみよう」と思い立ったのがつい1週間くらい前のことです。つまり急な思いつきで、このタイミングで歌合戦後の感想や考察になる記事を出すことにしたわけです。

記事を書くこと自体は思いつきでしかありませんが、アイデアはずっと温めていたものがありました。それが今回記事のタイトルにもなっていますが、歌合戦でエマ・ヴェルデ役の指出毬亜さんが歌唱メンバーに加わった「ラブ・ボナペティート」という曲に、エマ・ヴェルデさんの視点での解釈を加える、というものです。
歌合戦では、アイドルとスクールアイドルがその垣根を越えて同じ曲を一緒に歌うという場面が多くありました。その中には指出さんの他に高槻かなこさん(国木田花丸役)、坂倉花さん(鬼塚冬毬役)、月音こなさん(藤島慈役)、芝崎典子さん(桑山千雪役)というメンバー構成で披露された、アイドルマスターシャイニーカラーズの楽曲「ラブ・ボナペティート」があります。実はこれがまた個人的激アツポイントでして、というのも私はシャイニーカラーズにおける担当ユニットがアルストロメリアなのです。スクールアイドルの推しであるエマ・ヴェルデが、シャニマスの担当ユニットであるアルストロメリアの曲を桑山千雪を交えたメンバーで歌って踊る敢えて言うなら甘奈Pだけど(でも千雪も好き!甜花も!)交わるはずのなかった贔屓同士の夢のコラボを前に、今でもこれが現実に起きたことであることを信じられません。現地でこれを目の当たりにした時には、暴れ回りたいくらいですが流石にそういうわけにもいかないので、ガッツポーズ代わりに下で小さく、しかし強く拳を握ったものです。
一方で、ラブ・ボナペティートを指出さんが歌ったことに言及するエマ推しの方は、SNSを見る限りはごく少数しかいませんでした。まあそれもそのはず、たまたま私にとっての推しと担当同士のコラボになったから個人的にぶっ刺さったというだけなわけで。しかしながら、エマのエピソードと曲の歌詞とを絡めてみると、単なる「アイマスの曲をスクールアイドルが歌った」という事実にとどまらない、非常に味わい深いコラボであるように考えられるわけであります。エマ・ヴェルデというスクールアイドルがラブ・ボナペティートという曲を歌うというのが一体どういうことなのか、というお話を、私なりのエマ・ヴェルデというスクールアイドルへの解釈に沿って展開させていただきたいと思います。



前置きがすごく長くなってしまいましたが、もう少しだけ前置きみたいな話が続くのをご容赦ください。
歌合戦のラブ・ボナペティートに言及したエマ推しは少ないとお話しましたが、代わりに多くのエマ推しが何の話をしていたかというと、こちらも歌合戦で披露されたエマのソロ楽曲「哀温ノ詩」についてでした。
歌合戦で虹ヶ咲は全員が1曲ずつソロ曲を披露しましたが、エマ役の指出さんが披露したこの曲は、豪華絢爛な和の衣装に身を包んだエマ(指出さん)の美しさと楽曲の可憐でたおやかな舞とエマ(指出さん)の高い歌唱力が織りなす艶やかな雰囲気が印象的な、エマのソロ曲の中で恐らく最も人気なものです。
エマ推しのオタクの皆さんはこの曲が好きであるばかりでなく、この曲をエマさんが歌うに至るまでのストーリーである、ゲームアプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS」(以下、スクスタ)内のエマの「キズナエピソード」第14話〜第22話の話をしたがります。
その内容を要約すると、このようになります。エマはあるスクールアイドルの動画を見たことがきっかけでスクールアイドルになるために日本に留学しに来ましたが、その憧れのスクールアイドルを探す中で写真館に立ち寄ります。エマはそこで着物の写真を撮影をすると、その写真を気に入った写真館の方から海外からの観光客向けの着物のモデルとしてスカウトされ、そこに通うようになります。そして写真館の手伝いをする中で、写真館の跡継ぎである少女・マイに出会いますが、彼女はエマがスクールアイドルを目指すきっかけとなった曲を知っていました。というのも、その曲は過去のスクールアイドルたちが代々受け継いできたもので、マイも大切に歌い繋いできた曲だったのです。しかし、マイは家族でずっと引き継いできた写真館の跡を継ぐためにスクールアイドルを卒業することが決まっており、この曲が歌われるのも残りわずかとなっていました。マイはそんな最中で出会ったエマを自身のラストライブに呼び、「自分よりもその曲を愛してくれる人であること」という条件で自身が先輩スクールアイドルから引き継いだことに倣って、曲をエマに継承させることを宣言しました。こうしてエマがスクールアイドルを目指すきっかけとなったものであり、かつ正式に引き継ぎ自身の曲として歌うことになった曲、それが「哀温ノ詩」なのです。
……という話が、エマ・ヴェルデのオタクにとても気に入られていて、歌合戦終了後のTLでもこの話をされている方がよく見られました。とにかくきっかけさえあればエマ推しのオタクはこの話をするししたいだろうと思うので、このエピソード周りをもっとちゃんと知りたいという人はぜひ私以外のエマ推しのオタクを突っついてみてください。

しかし!私はエマ推しのオタクが「哀温ノ詩」とそれに関するキズナエピソードが好きすぎるという状況に対して、2つほど物申したいことがあるのであります!
一つは、「哀温ノ詩」はそれ自体は素晴らしい曲だと私も思いますが、これはエマのために書き下ろされた楽曲ではないということに留意する必要があるということです。虹ヶ咲の楽曲は、少なくともスクスタの世界観においては、ユーザーを仮託する存在としてゲーム内に登場し、常に同好会の一員としてスクールアイドルたちに寄り添う「あなた」が、スクールアイドルたちの理解者として曲作りも務める、という体裁が取られています。しかしながら、「哀温ノ詩」は数少ない例外で、曲を作ったのはエマのことは何も知らない誰かであり、かつエマのために書いた曲というわけでもありません。もちろん、全く違う方向性でエマが歌うことに意味を持たせた曲ではありますが、この点は見逃せません。
もう一つは、確かに「哀温ノ詩」に関わるエピソードもまた感動的なものではありますが、エマ・ヴェルデという人物、エマ・ヴェルデというスクールアイドルの根幹に関わる、エマ・ヴェルデを語るにあたって同じくらい、いやむしろそれ以上重要なエピソードがあるということです。それは、先ほど紹介したエマ・ヴェルデのキズナエピソードのさらに前の部分、第1話〜第13話です。これもまた別のエマのソロ曲「声繋ごうよ」という曲の誕生に繋がるシナリオなのですが、エマ自身がどういうスクールアイドルでありたいかという、目標や理想を自ら探っていくという、まさに彼女の原点となるストーリーなのです。そしてこのエピソードこそが、「ラブ・ボナペティート」をエマ・ヴェルデに歌わせたという事実に深みをもたらすものになるのです。
何度も繰り返していますが、「哀温ノ詩」もエピソードや指出さんのパフォーマンス込みで素晴らしいものだというのは私自身も賛同しますし、歌合戦で披露するソロ曲がこれで良かったとも思います。ですが、せっかくの合同ライブであり、エマ推しのオタクの1人としては、エマ・ヴェルデというスクールアイドルを全く知らない人にも推しのことを知ってもらいたいという思いも強く、その観点からは必ずしも「哀温ノ詩」が正解だとは言えません。むしろ、エマ・ヴェルデというスクールアイドルが目指す像が如実に反映されている「声繋ごうよ」こそ、私個人がエマ推しとして初見の方に最も聴いてもらいたい曲なのです。



以下、エマのキズナエピソードの第1話〜第13話のあらすじです。
エマのキズナエピソードは、スイスの大自然と、弟や妹や動物などの大家族に囲まれて育ったエマがなぜスクールアイドルになるために日本に留学することになったのかを、スクールアイドル同好会の部室で話すところから始まります。エマがまだ幼かった頃、大雪で両親が家に帰ってこれず、1人で一晩を明かさなくてはならなかったことがありました。その寂しさを紛らわすためにネットで動画を見ていた中で偶然出会ったのが、日本のスクールアイドルの動画でした。その動画を見ているうちに不安な気持ちは紛れ、気がつくと朝までそのスクールアイドルの真似をして歌ったり踊ったりしていた、とエマは言います。日本の学校に行けばスクールアイドルになれることを知ったエマはそこから日本語の勉強をしたり、家族や動物たちの前でライブごっこをしたりするようになり、そして虹ヶ咲学園への転入でスクールアイドルになったのです。
スクールアイドルになりたい、という一心だけで日本に来たエマでしたが、自分がどんなスクールアイドルになりたいか、ということについては実はこれといったプランがあったわけではありませんでした。同好会のメンバーがそれぞれ自分のなりたいスクールアイドル像を語り合っている中で、エマも虹ヶ咲学園での生活を送りながらその手がかりを探っていきます。
そして、エマが目指すスクールアイドル像は、「みんなに安心をあげられるスクールアイドル」というものに決まります。決め手となるのは、「あなた」の言葉でした。エマの寮の部屋にある実家の弟や妹からのビデオレターを見たり、エマにスクールアイドルについての相談相手になってもらったりした「あなた」は、エマに安心をもらったことで元気を湧いたということを伝えます。それを聞いたエマは、自分も1人で見たスクールアイドルの動画には安心をもらったんだ、そしてその気持ちをまた他の人にもあげたいと思ったんだ、ということを思い出すのです。自分にとって当たり前すぎて盲点になっていた「安心」という言葉に気付けたことで、エマはみんなにホッとする気持ち、安心を与えられるようなスクールアイドルになる、という目標を立て、みんなで優しい気持ちを伝え合い、優しい気持ちを広げ、世界中が優しくなるようなライブをする、という夢を描きました。
そして時は流れ、ある日、エマは「あなた」を誘って、寮の掲示板で見つけた日曜保育のボランティアに2人で参加します。日曜保育は、エマが子どもたちと一緒にドレミの歌を歌うなど、たいへん盛り上がりますが、そんな中に1人で歌も歌わずに離れたところにいた男の子を見つけ、声をかけます。ですが、その男の子はエマが声をかけた途端にどこかへ逃げて行ってしまいます。近くにいた保育士によれば、その男の子は引っ越してきたばかりで周りの子どもたちともまだ馴染めていないのだそう。エマは、まだあの子は小さいからそっとしておくよりも嫌がられてでも寄り添ってあげた方がいい、それにあの男の子は離れていてもずっとこっちを見ていた、だから本当は一緒に遊びたいのだろうと、男の子と打ち解けることを目指すことにします。
その傍で、エマは自身の次の曲について「あなた」に「わがまま」と言って要望を伝えます。ボランティアで子どもたちと歌ったドレミの歌のようにみんなで一緒に歌えて、一緒に歌うことでみんなで笑顔になれる歌がいい、最後まで心を開かなかったあの男の子さえも一緒に歌って楽しい気持ちになってしまうような歌を作ってほしい、と。
さて、エマと「あなた」の2人は再び日曜保育へと向かいます。そして、再びあの男の子を見つけます。前回同様、男の子はエマたちが声をかけるなりすぐ逃げて行ってしまいますが、前回ほどの距離はありません。エマと「あなた」は、下手に男の子にアプローチをかけ続けるよりも、自然と一緒に歌いたくなるような気持ちを呼び起こさせるべきだと考え、またみんなと一緒に歌おうと他の子どもたちにも声をかけ、遠回しに「一緒に歌って、一緒に笑いたい」という気持ちを伝える作戦に出ます。
男の子の気持ちの変化が見られたのは、エマが秋葉原の路上ステージで歌っている時でした。エマが秋葉原で童謡を歌っているところに通りかかった「あなた」は、道ゆく人にエマの歌を聴いてもらえていないことを気にかけて、場所を変えることを提案したり呼び込みをしようとしたりしますが、エマは「たくさんの人に歌を聴いてもらいたいのはそうだけど、焦っても仕方がないし、歌の力を出しきれていないわたしが未熟なだけ。」と断りました。しかしそれでも居ても立ってもいられなくなった「あなた」が呼び込みに動こうとした瞬間、エマの側であの男の子がエマと一緒に歌っているのを見つけます。曰く、「いつものあのうるさいうたがきこえたけど、ひとりでうたっているのがなんかいやだった」と。男の子に歌で気持ちを伝えることができていたことに安心したエマと「あなた」は、男の子と3人で一緒にドレミの歌を歌い、その場にいたたくさんの人たちをひきつけ、気がつくとみんなでの大合唱になっていたのでした。
そしてさらに時は流れ、エマはライブ前日になり、とても不安になっていました。その様子を察知した「あなた」はエマに「大丈夫」と声をかけ、さらにSNSでエマのライブを楽しみにする人たちの書き込みを見せます。その中にはあの男の子の書き込みもありました。エマの歌が癒しや安心や元気をくれる、みんながそう思ってくれていることを知ったエマ自身の不安も自信へと変わっていくのでした。ライブは大成功に終わり、スクールアイドル活動を通じて優しさを広げていくという夢の実現への第一歩を踏み出したということを実感します。最後にエマは、その夢の実現のためには「あなた」の助けが必要だ、誰よりも自分の側で応援してくれる「あなた」の存在が何よりも一番必要だということを伝えて、この部分のキズナエピソードが締め括られます。少し前の部分で「あなた」にエマが要望を伝えて作られた曲、そしてこのライブで披露されたであろう楽曲が「声繋ごうよ」なのです。


ということで、私がエマ・ヴェルデというスクールアイドルを推すにあたって一番好きでありかつ最も重要視しているエピソードを長々と紹介させていただいたのですが、これを踏まえて「ラブ・ボナペティート」を、エマ・ヴェルデが歌った曲として見ていくとどうなるのでしょうか。1番のAメロはとにかく楽しくお菓子作りをしているだけといえばそれだけになってしまいますが、Bメロでいきなり爆弾が飛んできます。

キミと一緒なら それだけで
満たされるココロ
ちゃんと恩返ししたいから
精一杯のおもてなし

もう説明不要なレベルでエマ・ヴェルデすぎるんですよこの歌詞。もちろん、これは本来アルストロメリアの楽曲で、この部分に限らず全編にアルストロメリアなりの文脈が乗った歌詞であるはずなのですが、一緒にいることで心が優しさや安心で満たされていく、そしてその気持ちをちゃんと伝えたい、伝え合いたい、そういう気持ちを常に抱くエマにとってもピッタリすぎる歌詞なのです。この記事はこのことが言いたくて書いただけ、みたいなところがあります。
最初は伝わらなかったとしても、その気持ちを繋げ合う、伝え合う、そのために「あなた」と歌を作り、歌い続ける。エマがいることで元気になれる人がいて、その人のおかげでエマも元気になれる。お互いの存在が、「昨日よりもっと特別な1日」を作り出すのです。お互いに優しさを伝え合うこと、誰かにもらった安心を他の誰かにもあげて輪を広げていくこと、そういう意図がサビの最後の「お味はいかがでしょうか?」にも繋がってくるのではないでしょうか。
また、これはちょっと与太話になりますが、エマは(あまり公式設定では言及されていませんが)お菓子作りは結構好きな人だと思われますね。キズナエピソードの途中では、寮の自室を訪れた同好会のメンバーに自作のメレンゲクッキーを振る舞う場面もあります。大家族のお姉ちゃんなだけに、弟や妹たちにお菓子を作ってあげていたもので、ビデオレターで弟や妹たちがまた食べたいと言ってくるそうで。

ライブではショートver.の披露でしたが、2番の歌詞にも少し触れたいと思います。

しゃぼん玉のように浮かんでは
逃げてゆくココロ
ちゃんと通わせていたいから
どんなときもおもてなし

2番のBメロの歌詞になりますが、エマ的にはここは男の子とのやりとりを思い出させられますね。引っ越してきたばかりで友達がいないせいで気持ちが不安定だった男の子に、寄り添おうとして逃げられても、エマはその子に寄り添うことを諦めてはいけないと考えました。しゃぼん玉のように不安定な男の子の心にも、エマはちゃんと気持ちを伝え続けようとしました。そのおかげで、男の子も晴れやかで嬉しい気持ちになることができました。私は、ここにエマ・ヴェルデというスクールアイドルの生き様が現れていると考えずにはいられません。

おまけ話を2つほど。
まず2番のサビの締めくくりの「追加はいかがでしょうか」の部分で、エマがすごくお世話が好きで、世話好きを通り越しておせっかいなところがあることを思い出しました。やっぱり弟や妹や動物を世話していたのもあって、虹ヶ咲の同好会内でも圧倒的姉属性、姉を通り越して「エママ」とすら呼ばれてしまうほどです。かつてスクスタでは、誕生日を迎えたスクールアイドルにお世話させてほしいと言って「気持ちだけで十分」と断られると、「気持ちだけしかもらってくれないの……?」なんて言いました。こんなセリフを言ってしまう人が世界に何人いるでしょうか。
もう一つは、曲名について。「ボナペティート」の部分は、フランス語(bon appétit)説とイタリア語(buon appetito)説とがあり、意味はどちらも「召し上がれ」で大差はない上に公式見解も示されておらず、どちらも決め手を欠いているそうですが、実はエマはスイス人の中でもイタリア系なので、イタリア語だと嬉しいなぁというのが個人的な気持ちです。歌詞中に出てくる製菓用語は軒並みフランス語なので、曲名もフランス語ってことにするほうが流れは自然な気がしますが……。



いかがだったでしょうか。歌合戦ではアイドルマスターシリーズの楽曲をラブライブ!のスクールアイドルが歌う場面、あるいはラブライブ!シリーズの楽曲をアイドルマスターのアイドルが歌う場面が多くありましたが、こうしてエピソードを踏まえつつ振り返ってみると、「ラブ・ボナペティート」は「エマ・ヴェルデに歌わせるアイドルマスターシリーズの楽曲」としてまさにこの上なく的確な楽曲だったのです。ただの偶然のはずなのにここまでアイマスの、しかも担当ユニットの楽曲が、ラブライブの、しかも推しのスクールアイドルに、ここまでマッチするとは、正直自分でも書いて整理するまで思っていませんでした。元々好きだった両者のことがもっと好きになりましたし、特にエマ・ヴェルデさんに関してはこれほどまでに丁寧に過去の資料や記憶を参照しながら文章に認めていったことがなかったので、もはや今までそういうことをしてこなかった自分を恥じるほどです。惜しむらくは、歌詞考察に対して過去エピ紹介の文量が多すぎて軽くタイトル詐欺のようになってしまったことと、ライブでのBメロの歌唱担当が指出さんじゃなかったことです。ですがこうなってしまったのは、あくまで私がエマ・ヴェルデというスクールアイドルの良さをより多くの人に知ってほしい、そういう気持ちが暴走してしまったが故のものです。もしお許しいただけるなら、最後にわがままを一つ言わせてください。

皆さん、どうか、どうか、「声繋ごうよ」を聴いてください。

そして、エマ。誕生日おめでとう!! Tanti auguri!!!!

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