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3分で読めるレイルロオドのお話「カビたりいこ」&WEBTOON作品 レヱル・ロマネスク0 第35話「くまがわくるん」ネーム&字コンテ(全)

6月6日です。

わたくしの住まう関東地方の梅雨入りは、平年ですと「6月7日頃」とのことですので、
感覚的には「いつ梅雨に入ってもおかしくない」というところに来ているのかと存じます。

わたくしはシナリオライターなので、雨がお仕事に影響してくるところはほとんどないです。

「雨音がノイズをまぎれさせてくれ集中力があがる」
とか
「窓ガラスを叩く雨粒が描く模様から着想を得る」

などということはまるっきり経験がなく。

雨だろうが晴れだろうが、集中できるときには集中できるし、なにか思いつくときには思いつく、
という身も蓋もない脳と精神のつくりを、わたくしはしているようなのです。

しかしながら、雨が続くとカビが発生しやすくなるので、
その点では間接的に仕事への影響を受けてしまいます。

特に水回りのカビなどは発生しやすく食中毒などにも繋がりそうで怖いので、コマメに除去したく思うのですが、これがなかなかに手間で……

なんとか効率化できないかと、わたくしいろいろと検索いたしましたのです。

すると「消毒用アルコール」

それも、コロナ禍まっさかりのときにイベント用品として準備した、エタノール濃度70~80%程度の、うちに結構ゴロゴロしている消毒用アルコールが、カビ除去に有効であるとの知見を得ましたのです。

具体的には

1:アルコールを直接スプレーするとカビの胞子がかえってひろがってしまうので、柔らかな布等にふきつけて、カビを丁寧に拭き取る

2:拭き取った場所に、今度はアルコールを直接スプレー。可能ならラップ等で覆って、アルコールの揮発を遅らせるとさらに効果的

3:アルコールを完全に乾燥させる

――という手順を取ると、カビの飛散を防ぎつつ綺麗にしやすいとのことなので、次に水回りにカビ生えてきてしまったときには、実際に試してみたいと思います。

清潔と健康を維持し、梅雨を元気にしっかりと乗り切っていきたいものですね。

その起源を遡るのであれば、あるいは雨粒の集合体であったかもしれないクマ川にまつわるあれこれを描いておりますWEBTOON作品
『レヱルロマネスク・ゼロ』のネーム&字コンテの方は、今回で4シーン分まとまりましたので、一気に公開させていただきます。

新観光列車の始動に関してのあれやこれやに関わるお話でございますね。

紅嬢考案の「球磨焼酎で煮込んだラフテーとクマ米とを詰め込んだ、クマ地鶏のロースト」は、実際美味しそうなので、いつか再現してみたいかなとも思います。

そんなこんなで、本日の「レイルロオドの短いお話」は「カビ」をテーマに書いてみたいかと思います。
登場するレイルロオドは、りいこといよ。

タイトルは「カビたりいこ」でございます。

どなたにも無償でお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧ください。

■りいこ■


頭部鉄路5号機関車専用レイルロオド。
通称「虫愛ずるレイルロオド」
先日、カビが生えた。

■いよ■


いよかん鉄道甲1形1号蒸気機関車専用レイルロオド。
りいこの親友。
が、さすがにカビが生えたりいこにはドン引きしている。

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『カビたりいこ』

「はぁっ!?」

きっと、いよの聞き間違いぞね!
いくらりいこがりいこだっていってもそんなまさか

「今なんて」

「カビた。足の人工皮膚。珍しいタガメ捕まえようって毎日毎日がんばってたら、白くなってた」

「にぎゃああああああああ!」

ばっちいぞなもし!!!
ってか、人工皮膚ってカビるもんぞね!?

「そんな大きな声出すほど、珍しいことじゃない」

「珍しいぞね!」

「いよの住んでる恵媛とかだと珍しいのかも。
けど、湿度と蒸し暑さが半端ない關東のレイルロオドでは、ときどき見かける」

「ひぇえええええ、湿度怖いぞね!」

「まぁ、人工皮膚のカビは人間の皮膚のカビほど除去が大変じゃない。
アルコール漬けにしてから乾燥させれば大丈夫」

「そ、それは不幸中の幸いぞなもし」

って、ん?
いまりいこ、なんか妙なこと言ったぞね?

「……人間の皮膚も、カビよるん?」

「カビるよ。水虫って聞いたことない?」

「聞いたことあるぞね! ってか、あれってカビが原因ぞなもし!?」

「そ。白癬菌っていう真菌が原因」

「シンキン?」

「真菌は、きのことかカビとかの仲間の総称」

「キノコとカビってお仲間なのぞね!?」

「気動車と蒸気機関車を仲間って考えるなら、仲間。
『真菌』が『鉄道車両』って大きなククリだとすると」

「あー、そのたとえならわかるぞね」

気動車と蒸気機関車。
まるっきり違うものでもあるけど、鉄道車両ってくくられる同士でもある。

「ちなみに、ハチロクさんたちがいる御一夜で焼酎造りに大活躍してる酵母も、真菌」

「そうなのぞね!?」

「ん。タンパク質の仲間を分解するか、糖を分解するかの違い。
タンパク質類を分解するのはカビで、糖を分解するのが酵素」

「ほえー、親類関係なのに、かたっぽは迷惑にされて、もうかたっぽは人様のお役にたってるんぞねぇ」

「カビも役に立つよ、チーズ作りとかで。酵母も果物とか肉類とかを腐らせちゃうし」

「どっちも使いようってわけぞね――ってか」

多分、違うと思うけど……
確認せずにはいられないぞね!

「その酵母とかカビ……真菌ってやつは、昆虫なのぞね?」

「真菌は昆虫じゃないよ。菌は動物じゃないし、昆虫は節足動物の中でも、
『頭部・胸部・腹部にわけられる体をもつもののうち、脚部に3対の脚をもつもの』に限られるから」

これこれ! この異様な詳しさが発揮されとるきに、
真菌は昆虫なの? って、ワシ、考えちゃったぞなもし。

「昆虫じゃないのに、なんで真菌にりいこそがいに詳しいぞなもし?」

「昆虫と深く関係するから、詳しくなった」

「深く?」

「知らない? 冬虫夏草。あれは真菌。
りいこ、なんとか日ノ本の昆虫で冬虫夏草を育成できないかって思って――」

りいこの声がぴたってとまる。

「……人工皮膚での冬虫夏草の育成って」

「ありえんぞねーーーーーー!!!」

クウチュウカトウ? がなんだかまったくわからないけど!
それでも絶対!

「そんな実験したら絶交! 絶交ぞなもし!!」

「絶交かぁ」

シュっ、って。電話の向こうでスプレーの音。

「じゃ、やらない」

:おしまい

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いかがでしょうか?

皮膚にカビ、生えてしまうと恐らくめちゃめちゃしつこく除去しづらいものになってしまいそうでございますので、
みなさまもどうぞこの季節、くれぐれも湿度にはご注意くださいましです。

そんなこんななWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』。の過去話。

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それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。

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WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』として順次リリースされております。

よろしければこちらもぜひご覧ください。

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