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稀咲の検算テクニック
「……と、いうわけで桁違いの場合も位違いの場合も、
誤差は9で割れる数字となるわけさ」
「なるほど」
正直、きちんと理解しきれたかどうかはいささか怪しい。
が、ひとつのことは、間違いなく深く理解できた。
「稀咲の話は面白いな。
そのような確認法、まったく考えたこともなかった」
「褒めてもらえるのは光栄だけど――
ボクが考えたというわけでもないからね、これ」
「そうなのか?」
「うん。古来から銀行に伝わっている、定番中の定番テクニックだよ」
「古来、か」
稀咲にしてはおおげさな――
と、その考えが伝わったのか、稀咲の頬がわずかにふくれる。
「本当に古来なんだよ? 『9で割る』技術の根源である九去法は、
紀元3世紀のロオマの数学者が書き残しているほどの歴史を持つんだから」
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