見出し画像

3分で読めるレイルロオドのお話「あきのもみじ」&WEBTOON作品 レヱル・ロマネスク0 第22話「この先のレール」シーン3 ネーム&字コンテ


わたくしごとで大変に更新の間が空いてしまいました。
まことに申し訳ございません。

本日以降はぼちぼちとですがペース戻し。
来月からは完全に平常運転に以降していけるかと存じますので――
願わくばいましばらく、不定期更新に関しましてのご寛恕をたまわれますと幸いです。

その代わり――というわけでもないのですが、
更新中断してしまっていた間に、
新しいメンバーシップ特典を追加させていただきました。

その名も
「3分で読めるレイルロオドのお話の、主役レイルロオドのリクエスト権」です。

このnoteでちょこちょこ書き継いでいっております
「3分で読めるレイルロオドのお話」の主役を誰にするか、決定できる権利です。

ルールは

////

・1度にリクエストできるのは1レイルロオドのみ

・リクエストしたら、それが消化されるまでは再リクエスト不可。
消化されたらまた1レイルロオドをリクエストできる

・消化状況の確認は

のリストで

////

となります。

リクエストはこちらのメンバーシップ限定掲示板で受け付けますので

もしよろしければどしどしリクエストいただけますと幸いです。

さて。

上記ご案内がすみましたところで、中断してしまっていた
『レヱル・ロマネスク0』のネーム掲載から、ぜんまいをゆるゆる巻き直していこうかと存じます。

先日公開の第22話「この先のレール」シーン2

に続きまして、本日はシーン3

の方を公開させていただきます。

凪さまの「一安心」
それが果たしてほんとうに一安心なのかどうか――

よろしければどうぞご確認いただけますと幸いです。

さてさて。

そして話は戻りまして
「3分で読めるレイルロオドのお話」に参ります。

リクエスト消化順は「なるたけ公平に。その上で、その日のわたくしが書きやすそうなこで」となるのですが、
今日はなかなか疲労しておりますので書きやすさでは圧倒的な「もみじ」で描いてみたいと思います。

タイトルは「あきのもみじ」

――もみじis誰? という方にも……
というかそういう方にこそ、ご笑覧いただけたらと思います。

■もみじ(紅葉)■


廣島電鉄100形101号電車専用レイルロオド
御一夜鉄道が8620を迎えるころにはとうに退役・解体されてしまっている。
が、廣電101号電車はいつでも走り出せるレベルで綺麗に半動態保存(ときどき展示運転される)がなされている

///

■あきのもみじ■

「安芸!? 安芸! しっかりせぇ!」

「ああ……紅葉――よぅ来てくれたのぉ」

「なんだそのか細い声! お前そんなんじゃないじゃろが!
いっつもみたいに高笑いせぇ! 紅葉にあれこれ命令せんかい!!」

「くっ――くふふっ」

ああ! 安芸が笑った! 笑ってくれよった!
ほんとに弱ぁい、いっつもとは全然違う微笑じゃけんど、それでも嬉しい、ほっとする。

「どちらがどちらに命令しておるのじゃか」

「ほーじゃほーじゃ! 安芸はそれでなきゃいけん!
ほれほれどんどん、もっと喋って命令せんかい」

「なれば、の」

「!」

おお! 安芸、しゃっきりかっこようできるやないかい!

小早川も吉川も、いまにも泣きそうな顔なんぞしよって
『一刻も早く安芸様のもとに』っていいよるもんじゃからワシ、
安芸の病気がいよいよ悪ぅなったんかと――

「紅葉に命ずる。そなたはこの先――わらわの死後、じゃの」

「!!?」

「わらわに変わって、毛利の当主として務めよ。
つまり、わらわ、毛利安芸の身代わりとなるのじゃ」

「なんぞっ!」

「もう無理なのじゃ。紅葉」

「!」

凛、ってしてたのが、いきなりぺしゃんと潰れよる。
数ヶ月前までの”いつもの安芸”が、ここ最近の”いつもの安芸”に戻って……
いいや、いっつもよりも、もっと悪ぅ、細ぅ、弱ぅなってしまいよる

「2年……何ヶ月じゃったかの、闘病してきた。
ゆえ、わかるのじゃ。わらわはもう――数日も持たぬであろうと」

「――っ」

声が、安芸が、全部が奮えてゆがみよる。
なんじゃ、こら。
こんなんワシは――紅葉は――知らん。
こがいな故障、いままで、一度も――

「良い子じゃの、紅葉は、さすがわらわのレイルロオドじゃ」

「……マスター」

「安芸と呼べ。それが最初のわらわからの命令じゃったろう?」

「安芸!!!!!!!!!!!」

わかった。いやだ。わかってしまいよった!
レイルロオドの紅葉でも、どうしようもなくわかってしまいよった!

安芸は――死ぬ。

じゃから、いやじゃ! ほんなんいやじゃ!

安芸が死んじゃうなんて絶対

「ようやっておった遊び……あれを続けてほしいのじゃ」

「ぁ……ぅっ……」

わかったら、わかった。
安芸、こうして紅葉と話すのだってめちゃくちゃ苦しいに決まっとる。

言葉、できるだけ話させちゃいけん。
安芸の願いは、どんなことでも、必ず叶えてやらにゃあいけん。

「あん遊びじゃあ! わかっちょるじゃろうが」

――頷き、たくなる。
”おうよ”って返事したくなる。

じゃけん、あの遊びなら――

「うむ……よーくわかっておるぞ」

外観が、安芸そっくりにロールアウトしてきたもんじゃから。
安芸がそれを喜んで、自分のレイルロオドにしてくれたもんじゃから。
吉川と小早川が厳しくて『たまには自由に外出でもしてみたいものじゃ』と、安芸がいっつも愚痴りまくっていたもんじゃから――

「おお、ええのぉ、その調子じゃ」

――”入れ換わり”
紅葉が安芸に、安芸が紅葉に、衣装もなーんも全部とっかえ、口調も態度もとっかえて――

「ふふっ、わらわを誰と思っておるのじゃ?」

「紅葉――じゃないの。天下の毛利の安芸姫さまじゃ!」

「うむっ」

泣いちゃあいけん。

これが自分の役目だって、安芸が望んでくれてることって、わかるけぇ。
安芸になんの不安もなしに――天国にいってほしいけぇ。

「じゃったらの? わかるじゃろ、紅葉なら」

「しょうことなし。安芸はほんに甘えっ子じゃの」

”紅葉はほんに甘えっ子じゃの”

……いっつも言うてもらっちょったの。
じゃけえ、安芸。
今だけは、最後だけは、ワシに安芸を、甘えさせてもらうけぇ。

「じゃったら、の?」

「うむ!」

扇子を安芸の枕元から奪い取り、ばっと開いて胸を張る。
安芸がいつでも見せてくれてた、紅葉の一番好きな安芸に、成り代わり。

「あきにこそ、紅葉は映えるものゆえの!」

紅葉が、笑う。
安心しきった笑顔でぐったり、ベッドに沈む。

「それで、よい」

じゃけえいまだけ、紅葉に戻って。
ほんとの自分で、安芸へと告げる。

ほんの数日、それだけしたら、紅葉は綺麗に消え落ちて――
毛利安芸が走ったレールを、ワシは走らにゃいけんのじゃから。

「さらばじゃ、紅葉」

「おう――」

じゃけんど、ワシらは必ず会うけぇ。
天国ゆーんがどこにあろうと、レイルロオドに入れんとこでも、ワシゃあ必ず会いにいくけぇ!

「またの! 安芸!!!」

;おしまい

///

いかがでしょうか?

なお、紅葉=安芸の活躍は短いお話の中で紅が顔を一瞬くもらせた理由は
「レイルロオドマニアックス

WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク』0の過去話でもご確認いただけますし、
これからも描かれるものと存じますので――よろしければどうぞあわせご笑覧ください


どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで

それ以降のまとめはメンバーシップ特典となります。

///

【メンバーシップ限定記事のご案内】

『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』

にご参加いただきますと、レイルロオドたちにかかわる詳細な内部設定資料や掲示板機能などをお楽しみいただくことができます。

『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?