カステラのあと1km/h
「遅いんですよねぇカステラは。本当に遅くて遅くて、イヤになっちゃう」
99km/h。
大目標の100km/hまで、あとほんの1%強。
「どうしてそこが越えられないんでしょう?
カステラは――カステラには、どんな速さが足りないんでしょう?」
何百回、何千回と繰り返し続けてきた自問自答。
モーターの出力を弄ることさえ許されれば、一瞬で越えられることが目に見えてる壁。
「けど……『安全が第一の使命』なのは、当然で、絶対ですよねぇ。
そこを崩したら、カステラは、レイルロオドじゃなくなっちゃう」
だからモーターは弄れない。
軽量化だって、もうギリギリまでやりつくしてる。
「流線型……ふふっ。カステラのスピード程度じゃ、空気抵抗軽減効果、
有意なものにはならないんですよね」
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