そろそろ運用を終了する車両〜JR東海編〜

700系新幹線電車

適度の製造・保守コストで東海道・山陽新幹線全体の高速化を図るべく、JR東海とJR西日本が共同で開発した車両である。最高速度は285km/hで、500系の300km/hには及ばないが、車内の居住性や乗り心地の改善を図っている。また充当編成変更時にも対応できるよう300系と座席数を共通化させている。

1編成16両の価格は約40億円である。なお、JR東海会長「国鉄改革の真実」によると、編成価格は300系と同様の約40億円である。1997年秋に先行試作車16両編成1本が落成し、各種試験がなされた。1999年からは量産車の落成が始まり、0系や100系の置き換えが推進された。日本車輌製造・日立製作所笠戸事業所・川崎重工業・近畿車輛に発注され、最終的に91編本、1328両が製作された。

開発発表当初の仮称は「N300」であったがこれは正式名称には採用されず、700系と命名された。N300とは、300系の改良型という意味である。登場当初にはJR東海所有車のみであるが「New Generation Train」という愛称があり、そのテレホンカードが車内で販売されていた。

登場以来、300系に代わって「のぞみ」や「ひかりレールスター」といった列車に運用されてきたが、N700Aの増備、N700系のA改造により、東海道新幹線の「ひかり」、東海道・山陽新幹線の「こだま」での運用が主体となった。2013年からは本格的な廃車が開始され、2017年1月10日東海車は最後の全般検査を終了。N700A系に置き換えられる形で2020年3月までに全廃の予定。

2019年12月11日、JR東海は、2020年3月8日に運転される最終臨時列車「ありがとう東海道新幹線700系『のぞみ315号』」をもって、東海道新幹線の営業を終了することを明らかにした。これに先駆けてJR東海が保有する700系には、2020年2月12日からヘッドマークおよびサイドステッカーによる車体装飾が行われた。