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MISSING 411

アメリカのナショナルパーク(国立公園)は信じられないほど深い森や大きな川や標高が高い山々があります。
そこで奇妙な行方不明事件が毎年起きています。そしてそれは解決されていません。
レスキュー隊が捜索して何等かの目撃をしてもそれを説明することも出来ない。
さらに、行方不明事件なのに、ナショナルパークを管理する者が行方不明者はほとんどが自殺だと断定したり、記録はないと言って出さないとはっきりとテレビで言ったのです。
記録を出すには多額の情報提供料が必要だなどと言って、アメリカ全土に波紋を広げました。
ナショナルパークを管理する人物は、一体何を恐れているのでしょうか。
仮にも人命に関わる行方不明事件の記録は無い。あるいは、その記録があっても出さないなどと、よく言えるなと憤慨します。


イエローストーンナショナルパーク


誰も解決に乗り出さず、何年もひっそりと人々が消え続けているアメリカにあるいくつものナショナルパーク。

今回はこの奇妙な行方不明事件に真っ向から挑み、何年も追い続けている方が出している本からご紹介します。それがMissing 411です。


Missing 411シリーズになっている本たち。

Missing 411は、ナショナルパークで行方不明になった411人を追ったドキュメントです。

著者はデイヴィッド・ポライデスさん、元警察官です。
何の気なしにナショナルパークでの行方不明事件を調べ始めたポライデスさん。どんどん不可解な事件の迷宮に入っていきます。
調べれば調べるほど、その不可解さが増していきました。
ポライデスさんは自身が元警察官という立場で、警察官や地元のレスキュー隊、さらに行方不明事件に巻き込まれた家族や、ボランティアで捜索に当たった人々まで
詳細に取材をして本にしています。

今回はその中から無事に生還を果たしたケースをご紹介します。
missing 411は世界的に問題にするべきだとポライデスさんは語っています。
アメリカのナショナルパークというと、イエローストーン、グランドキャニオン、ヨセミテ、ロッキーマウンテン、グレートスモーキー、ザイオン、アカーディア、グランドティトン、グレイシャーなど書ききれないほど多数あります。
そのどれもが深い森に深い谷、切り立った断崖や壮大な山々が連なる山脈などで構成されており、日本人も多く訪れる場所です。


ヨセミテナショナルパーク

本当に奇妙です。捜査半ばで打ち切られ、その記録すら世に出ない。

ナショナルパークに勤めるレンジャー隊はある日、著者のデイヴィッド・ポライデスさんが宿泊しているロッジの部屋を訪れてこう切り出したそうです。

レンジャー隊とは、アメリカの森林警備隊です。

レンジャー隊「俺たち末端が全てを知ることは出来ないが。上層部は何か事件が起きてもそれを隠蔽しようと動く。特定の事件に関しては、それが拡散されることすら恐れてるようだ。それだけしか分からないがどうしても伝えておきたかった」と言ったそうです。

ナショナルパークを管理する上層部が隠ぺい工作をする。それがナショナルパークで毎年起きている行方不明事件なのです。
ポライデスさんは、最初の4年間で3,500~4,000ケースものナショナルパーク行方不明事件を追いました。
そこには共通点があることを発見します。

全ての年齢で行方不明者が出ています。子供からお年寄りまで行方不明になっています。
森林を知り尽くしたハンターも年々行方不明者が出ています。
それも奇妙なことにハンター達は、同じような場所に向かって歩いていった結果、行方不明になっているようです。
ハンター達はそれぞれのナショナルパークの近くに親の代から何十年も住んでいる人が多くいたそうです。
彼らは自分たちの森を家の延長と捉えているところがあり、けして迷うことはない人たちだったそうです。
ハンター達は、銃や斧や弓を持ったまま消えているのです。
年輩のハンターも消えているのですが、彼らはよく小さな椅子を持っていきそこに長い間座ったりします。
携帯ラジオも持っているので、そのラジオを聞きながら狩りをしたり釣りをしたりします。
コンパスも持ちあるきますので、方角も知っています。そんなベテランハンターも何名も消えているのです。
特に弓矢を持つタイプのハンターが多く消えているそうです。


ロッキーマウンテンナショナルパーク


さらに行方不明者全員に共通していることとして、複数人で一緒に歩いていて、消えるというものです。
森の中や谷で、一列に並んで歩いていきます。
その一番後ろから歩いていて、一瞬のうちに消えるというのです。
振り返ったら子供が消えていたという報告もあります。
1秒前までそこにいた娘や息子の姿が消えていたと証言している親も多くいます。

捜索には警察犬も協力します。

アメリカでは警察犬のことをk9(ケイナイン)と呼びます。

しかし行方不明者の匂いまでもが忽然と消えているそうです。

そのためK9を投入しても捜索がうまくいかないそう。

この匂いが消えるということも共通点だそうです。

行方不明者が消えるのは午後2時~4時の間が最も多いということです。

ポライデスさんは、アメリカ全土にある全てのナショナルパークで起きた行方不明者のリストを出すように管理側に迫りました。

しかしどう迫っても管理側は「記録していない」と突っぱねて、
それでも食い下がってきたポライデス氏にもし公開してほしいなら料金がかかるとして法外な金額を提示したそうです。
アメリカ政府も特にこの事に関しては言及しておらず、記録するように指示も出さないのはどうしてなのか。疑問が残ります。

調べるとナショナルパーク以外でもアメリカでは行方不明になる事件が多発しており、2017年だけでも65万人が消えています。
中には親権争いの末、負けた方の親が子供を自分の手元に置いておきたくて、そのまま連れ去るケースも多いと思われますが、それにしてもたった1年間で65万人も行方不明になるのは異常と言わざるをえません。

Ken Salazar ケンサラザールという内務省長官が全米のナショナルパークを担当していました。
その時にケンサラザールはテレビ番組に出演して回答をしたのです。

大統領から任命された役職で、オバマ大統領がケンサラザールをナショナルパーク担当官に任命しました。オバマ政権第一期の時でした。
そのケンサラザールが、ナショナルパークで行方不明になった者のリストは存在しないと発表したのです。

これについては今も議論が続いています。

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