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鏡の中には中須かすみ、語り掛けるは相良茉優。――『無敵級*ビリーバー』

こんにちは。かみなりひめです。

中須かすみさん、
もとい、相良茉優さん。

『無敵級*ビリーバー』
発売おめでとうございます!

Margaret』もそうですが、
最近のかすみんを語る上でのキーワードは
」であるようです。

Hey! Girl in the mirror!
鏡の向こう 笑顔の魔法かけよう

鏡に映る自分に問いかけてみたの
今の私は魅力的に見えますか?
まだ答えは返ってこないままで

これは、
アプリ「ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」(スクスタ)内のキズナエピソードの文脈ともマッチするものになっています。

Margaret』については、キズナエピソード
沿っていないとむしろ問題であるわけですが、
無敵級*ビリーバー』もそうでしたね。

これらの曲はともに、
鏡の中の自分に問いかけることで、
 自分のアイデンティティと向き合う

という主題を持っています。

その結果、
センチメンタルになるのが『Margaret』。
前向きになるのが『無敵級*ビリーバー』。
そんな住み分けがなされています。

そんな『無敵級*ビリーバー』ですが、
皆さんはどんな曲だと受け止めていますか?

かすみんが自分の存在を肯定する曲?
かすみんが聴き手を励ましてくれる曲?

どれも『無敵級*ビリーバー』が見せてくれる
一面であると思います。

そんな中、私の答えはこれです。

相良茉優が中須かすみの存在を
全面的に肯定する曲

こう考えるに至った経緯、
つまりは私の『無敵級*ビリーバー』観を
綴っていきたいと思います。


1. 『無敵級*ビリーバー』の「私」

さて、『無敵級*ビリーバー』について
中須かすみ役・相良茉優さんはインタビューで
以下のように答えています。

――既存曲はアイドルとしての“かすみん”、今回の曲はひとりの女の子としての“かすみ”のような印象を受けました。

相良:そうですね、私の中でもそういうイメージがあります。どっちも同じかすみんではあるものの、今まで以上にメッセージ性が強く、多くの方に響くような楽曲だと思います。そういった意味でも、かすみんが届ける側になっているんだと思って成長を感じました。

相良さんの言う「メッセージ性」は
次のような歌詞から読み取れるでしょう。

この世界でたった一人だけの私を
もっと好きになってあげたい

とびっきりキュートに笑ってみようよ
自信が湧いてくるはず

この世界中の全員がNOだって言ってたって
私は私を信じていたい

」を無根拠に信じられる存在は、
後にも先にも「」だけ。

だからこそ、「」を好きになって、
毎日を笑顔で過ごそうよ!

ということになりましょうか。

これら歌詞に見える「」を、
歌を聴いているこの自分」に置き換える。

そうすることで、誰の心にも届くように
なっている
というギミックですね。

ここでのポイントは、
歌詞に出てくる「私」については
都合の良い誰かを当てはめられる
こと。

つまり、中須かすみ=「」とも解釈できるし、
『無敵級*ビリーバー』の聴き手=「」であるとも
することができるのです。

"「私」を誰であると解釈するか?"
の幅があるのが『無敵級*ビリーバー』です。

2. 語り掛けられる中須かすみ

「私」が「私」を鼓舞し、
その存在を無条件で肯定する
という歌詞世界。

そのくせ、「」という存在について、
都合よく誰かを当てはめられる曲、
それが『無敵級*ビリーバー』でした。

Bメロを眺めてみると、あることに気づきます。

「努力しても追いつけないのかな」
『ううん!弱気で凹んでちゃダメ』
「私にだってできるはずなのにな」
『超絶 誰よりイチバンだもん』

「手強いライバル現る 焦る」
『がんばる姿 見ててほしいな』
「計画通りにはいかないな」
『ねぇ ますます目が離せなくない?』

まずすぐに目を引くのは、
カギカッコの使い分けでしょうか。

「 」『 』とを使用することで、
これらの話し手が異なることを示します。

MVに目を向けてみましょう。

制服のようなものを着たかすみと、
ライブ衣装を身にまとったかすみ

二人のかすみによる
対話形式になっていると分かります。

もちろん、MVの内容を離れて、
」を自由に解釈するのであれば、
かすみとかすみの対話だと捉えなくてもOK。

ですが、私はこのような
「中須かすみ」『中須かすみ』による
対照的な対話という図式を大切にしたいのです。

「 」の語りでは、基本的に
後ろ向きネガティブな要素が並びます。

かたや、『 』の語りにおいては
前向きポジティブな激励になっています。

Margaret』に歌われた姿を踏まえると、
「 」みたいな不安を覚えているような語りこそが
中須かすみなのだ、と思えてきます。

そして、
心もとなく不安を覚えている中須かすみを励ます
『 』の語りこそ、相良茉優なのです。

3. アニメMVに現れてくる相良茉優

無敵級*ビリーバー』の「」については、
自由に誰かを重ね合わせられるとはいえ、
さすがに「相良茉優」は……ねぇ?

なんて思っておられるのではないですか?

これは妄想の域を出ませんが、
落ち込んでるかすみんを相良さんが励ます構図
割と容易に頭に浮かぶ気がします。

μ'sAqoursのときも、
声優がメンバーに手紙を書くなんて企画が
あったと思います。

そういう類の越境行為をしてきたのが
ラブライブ!」というコンテンツでした。

――ジャケットに描かれている9人お揃いの衣装も可愛らしいですよね。

相良:そうなんです! 今までと違ってロングスカートなのが珍しくて、女子が憧れるおしゃれな衣装という印象を受けました。

「Love U my friends」のときは色違いでの衣装でしたが、ここまでお揃いの衣装は初めてなので、いつか衣装を着られるのかなとワクワクしています。

あとかすみんとしては帽子もお気に入りポイントです。それこそ「ダイアモンド」の衣装もベレー帽でしたが、やっぱりかすみんは帽子が似合うなって再認識できました。

まぁうちの子は元がいいから、何を着ても可愛いんですけどね(笑)。

こんなことをサラッと言える相良さん。
かすみんが落ち込んでいたら、
めちゃくちゃ励ましてくれそうですよね。

とはいえ、そんな妄想の世界を根拠にして
語っているわけではありません。

またしてもMVを見てみましょう。

1番と2番との間奏。
様々な衣装で、多様なポーズを決める
中須かすみが矢継早に登場していきます。

そのなかに、
気になる構図のものがありました。

これを見ていたとき、
強い既視感を覚えたワタクシ。

これ、どっかで見たなぁ?」と。

ここに出てくる衣装には、
アプリ「ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」(スクスタ)に登場するものが多いのが事実。

最近のURまで、MVの世界に登場。

そんなわけなので、
スクスタの誰かの衣装かなぁ?
と思っていたのですが。

私の大好きなところに答えがありました。

手にしている葉っぱ
差し込んでいる木漏れ日
そしてこのポージング完璧です。

相良茉優という中の人ネタが
明確に盛り込まれているのです。

相良茉優と同じ構図の中須かすみ

これはつまり、中須かすみの姿に対して
相良茉優を読み取っても良いということでは
ないでしょうか?

無敵級*ビリーバー』という曲は、
センチメンタル真っ只中の鏡の中の中須かすみを、相良茉優が肯定してあげる曲だったのです。

4. おわりに

相良茉優というその人こそが、
中須かすみという少女にとっての
無敵級*ビリーバー』であったのです。

まゆちとかすみん。
この二人が紡ぐ物語が、
これからも楽しみです!

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