アベンジャーズ大激論 その5【エンドゲーム評価】

あイカつおじさんレビュー

各位

あイカつおじさんです。

ちょっとした繁忙期が終わりましたので、エンドゲームの感想を展開させていただきます。皆様をはじめとするファン一同では散々言われてきた内容の焼き直しだと思われるうえ、高尚な議論など望むべくもない稚拙な内容に過ぎませんが、こういう思いを抱いたやつもいるのね、くらいに思ってくださると幸甚に存じます。

早速ですが初見での印象を総括すると、
「スッキリしない部分が少なからずあるが、見たいものが概ね見られた快作」というところに落ち着くかなぁと思います。

まずはあえて納得できない部分、スッキリしない部分を列挙してみます。

・サノスを軸としたストーリー展開について
 汁なし火鍋※をつつきながらも話しましたが「全生命を半分にすると均衡がとれる」というのは本人しか主張しておらず、その根拠や真偽は一切不明です。対して(それゆえにというべきか)、これにあらがう主人公勢もサノスの思考(危機感)に対して云々するということもなく、ただ自分らを殺しに来たやつに立ち向かう、という受け身な立場に立っている(さらに穿った見方をすると、宇宙の平和のことは知らんけど、目の前の人が死ぬのは嫌だから戦っている)ように見えます。

 「サノスはただの暴君でなく、智暴相備えた大義に生きる人である」という一方で、「主人公側は割とシンプルな古き良き勧善懲悪タイプのヒーロー(※)」として描かれている、というのが僕の抱いた印象です。いかにも相性の悪いこの二つの描かれ方のズレによって、この手の話でもっとも大事な「戦う理由」の部分が機能不全を起こしているのでは?というのが話全体を思い返したときにまず浮かんだ印象です。

(※)古き良き、と言いましたが、内面の複雑性などは別物ですよ、念のため。

 サノスを描きすぎることでアベンジャーズを応援しづらくなる、というちらかわの洞察はまさに慧眼といえるものであるとは思いますが、他方、サノスの描かれ方が不足すると、勢いそれに対抗する主人公勢の理由も描くことができなくなり、お互いの動機があいまいなまま話が進んでしまう(しまっていた)のではないかと思いますが…

 いやもちろんわかりますよ、隣人を守るのはヒーローの基本です。でも今回の敵はロキでもウルトロンでもなくサノスだというのに、アベンジャーズの戦う理由は以前の敵と戦うのと何も変わってなくない?じゃあ何故サノスには理由があったんだ…?

 更に言っちゃうと、火鍋屋※では皆さんの嘲笑を買う前に自ら一笑に付してしまった話ですが、割と真面目に、サノスの部下たちが何故付き従っていたのかも納得できていないです。サノスがただのバカな暴君だったら「信者だから」で全然納得できたんですが…これは後述するネビュラの変心にもちょっとかかわるところかもしれませんが…ハテ?

 ある程度悪意を持ってみると、「サノスを大物感満載で描くことで悪人としての箔をつけた」と考えられなくはないですが、ちらかわの解説もありそれはないだろうと信じたいところではあります。後で描かれるのかもしれませんが、それはほかならぬ今描かれなきゃダメだったんじゃないかな。

 ウダウダ言いましたが、要するにサノス関連の尺不足だったってことです。インフィニティーウォーで弓の人が「自宅謹慎」食らったのも完全に尺の都合だと思ってますからね。シビルウォーラストでキャップがリスク背負ってカッコよく助けたってのに、司法取引はあんまりな話よほんと。

・時間移動について
 実は僕、時間移動ってあまり好きじゃないんです。どうしても予定調和を感じてしまうし、時間が一方通行だからこその「とりかえしのつかなさ」がスポイルされてしまうんだもの。
 今回もスタークが死んだからスタークの復活は無理ってことを火鍋※しながら議論したと思いますが、それはつまり科学力次第では何とかなるということですよね。あのときに開発したのが偶々スタークだったってだけで。事実ガモーラは復活しちゃったし。時間そのものをテーマにした作品ならいいんだけど、そうじゃないと結構タブーだと思うんだよな…。

 とはいえ、トニーとハワードの邂逅のシーン、キャップが恋人(名前忘れた)を見つめるシーンは素晴らしすぎるから、あまり悪くも言えないんだけどさ。

ご免、思ったこと全然かけていないけど、後ほど完全版送ります。完成すればですが。(注:結局完成してない)

ちらかわコメント

時間移動についてはなかなか難しいですよね。

火鍋※時はスターク亡き今、タイムマシンはもう作れないという感じの結論になんとなく至った気がしますが、ハルクもそれっぽいのを作っていたし、やっぱ作れそうな気もしてきました。

とはいえ、EGはバックトゥザフューチャーのように「過去を変えれば未来が変わる」のではなく、
「過去を変えれば未来につながらない並行世界が出来てしまう」というシステム。

例えば社長を復活させようと、過去の世界Aから
社長を拉致して未来に連れてきたとしても、社長のいない世界A'が出来てしまうので、世界A'の住人にとっては不幸でしかありません。拉致された社長本人にっとっても。つまり、トレードオフなのですね。

したがって、MCUで今後どんな悲劇的な出来事が起きたとしても時間移動して解決すればよくない?という発想はMCU住人的にはあってはならないということですね。埋め合わせようとすると、代わりに困る世界の人々が必ず出てきてしまうわけですから。

ガモーラももしかしたら元々いた世界から分断されて困っているのかもしれません。サノス軍以外との深い交流があったのかも。それが今後、ガモーラの失踪の理由とかにつながるのかも。

個人的には無限石と時間移動の合わせ技チートなんだと思います。何かを元に戻したいor願いをかなえたいことが出来たら、全ての無限石がアベンジャーズ基地に集まった時点はもう明確なのですからそこにタイムマシンで飛んで無限石を一瞬拝借して自殺志願者に指パッチンをさせて元の時点に戻すを繰り返せば永遠に無敵状態ですからね。
まあ倫理的にあり得ないですが悪党なら実行しそうです。

そういう意味ではやっちまってるな。

完成版楽しみにしてます。
(注:結局完成してない)

あイカつおじさんコメント

確かにこの議論のように、後になって思いつく方策を各個撃破していけば殆どあるいは全部の可能性を潰せるんでしょうね。
しかし、「どんなことでもできてしまう」というような錯覚を、少なくとも鑑賞中はしてしまうために、スクリーンに対して素直に感情移入しづらい、というのが僕の抱いた感想です。
「スタークは死んだけど、これも何とかなっちゃうのでは?」という思いを頭の片隅にへばりつけたまま観てしまうので、どうしても素直に感動できず…

「とりかえしのつかなさがスポイルされる」というのはそういう意味です。まぁ観る側の問題かな?笑

時間遡行で逆転を図る → わかる、めちゃあつい
スタークが死ぬ → わかる、めっちゃ悲しい

とシーン単位でみるとどこも最高なのに、これらのかみ合わせがちと悪かった気がしてなりません。

「かみ合わせの悪さ」と表現しましたが、これが僕のエンドゲームの感想についてのキーワードになりそうです。最高の素材を組み合わせてみたら有村架純ができました、的な。

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※汁なし火鍋:恵比寿 中村玄<https://www.google.com/amp/s/s.tabelog.com/tokyo/A1303/A130302/13032271/top_amp/>

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