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猫冲の事件簿Ⅲ Mりん篇📕①


ナンパ師の意外な苦労

ズーカさんと喧嘩して、桜花を飛び出したわたしは、なぜか、以前野良パーティで出会った、もじゃりんの所属ギルドNAVELに転がり込んだ。

NAVELは、少人数ながら、ほぼ全員がアクティブ(アクティブ3.5人)ということもあって、そこその賑やかさだった。

🐱(雰囲気的に固定パーティですね)

あと、猫さんに気を遣ってか、もじゃりんはしばしば狩りにも連れて行ってくれたりしたので、NAVEL在籍中もそんなに退屈したことはなかった。

ある日、もじゃりんとアルデバランの時計塔地下ダンジョンに行って、エルニウムを拾いながら話をしていた時のこと。
もじゃりんは、結構な人脈があるのに、どうしてこんなにギルドが寂れているのか聞いてみた。

硬い皮が欲しかったあの頃

「うんうん…元はもっと沢山いたんだけどねぇ…色々あって…」と少し寂しそうに事情を何となく説明してくれるもじゃりん。

なんでも、ある時ギルドを荒らすメンバーが入ってきて、ギルド内がめちゃくちゃになってしまって、当時のメンバーが色々なギルドに散ってしまったらしい。

「あ、でも、週課なんかは、私の友達がお手伝いに来てくれるから大丈夫よ?」

🐱(かようなナンパ師にも苦労があったらしい)

ナンパ師の意外な一面

そこへ、一人のメンバーがログインしてきた。

それを見たもじゃりんは「あ、メロちゃんが来たから、私抜けるね!」と言うや否や、パーティを抜けて『メロさん』の元に飛んでいってしまった。

ログインしてこられたのは、Aメロさん。もじゃりんのパートナーだった。このひとが噂のパートナーかー。仲良くなれるかな。そう思いながら、わたしはお近づきの第一歩として、挨拶をすることにした。

🐱「はじめまして。もじゃりんさんに入れてもらいました。これから、よろしくお願いします♪」

『…』

しばらくの沈黙の後、『メロちゃん』からは「ふーん」と、さも興味なさげな返事が返ってきた。

🐱(あ、これは仲良くなれそうにない)

あらかじめもじゃりんに「メロちゃんはワガママな子なのよね。」と聞いてたから、雑な扱いにショックは受けなかったけど、なかなか濃いお姫様だと思った。

こんなメロちゃんでも、もじゃりんは好きなのだそうで、メロちゃんとなるべく一緒に狩りをしたり、デートに行ったりしてるらしい。

ほんとにコミュニケーション取れてるんだろうか。でも、意外と2人きりのときは、デレッデレだったりするのかもしれない。

『もじゃたん♪メロたんねぇ…観覧車乗りたいにゃーん💞』とか言ってるはず。

それにしても、もじゃりんの普段の交友関係をみていると、ただのナンパ好きの浮気性にしか見えないのだけど

意外と一途な側面もあるらしいということがわかって、ちょっと良いやつなんじゃない?と、見直したのだった。

ワガママなメロたん

観察対象として、もじゃりんはなかなか興味深いものだった。あの『失礼な女の子』に惹かれる事自体もそうだけど、行動の様子もちょっと特徴的だったからね。

特徴① 結婚指輪を装備

メロちゃんが大好きな彼は、いつもアクセサリーに『結婚指輪』を装備していた。装備を見せてもらった時に「え、それ(結婚指輪)って、あまり実用的じゃないよね?」って聞いた時に帰ってきた返事はとても印象的で…

「メロちゃんとの思い出が詰まってるから、これ(結婚指輪)は外したくないのよ。」

🐱(あ、あー…❓)

これは、一途というか…すごくロマンチストなのかな。

ああ、でもこれ、もじゃりんが一人でやってるんじゃなくて、メロちゃんに装備するよう迫られてるだけなのかもしれない。

「メロたんとの思い出を大事にしてくれないと離婚だからね!ぷんぷんっ٩(๑`^´๑)۶」

って言われて渋々装備してる可能性もあるか。

「ううん、メロちゃんはそんなもん埋めてしまえって言ってるよwヒドくない?ww」

🐱(ごめんメロちゃん)

なるほど、メロちゃんに装備を強要されている訳ではないらしい。
不思議なもじゃりんだ。

特徴② 逆ミス・ユー

結婚指輪の常時装備に比べると地味だけど、もじゃりんは、数日置きのメロちゃんinの日には、必ず速やかにお迎えに行くという、健気な様子を見せてくれた。

メロちゃんの話を振ると必ず「最近メロちゃんが、ラグマス飽きた〜って言ってくるのよね…」とか「ほんとメロちゃんはワガママで、こないだも…」といろいろな角度で愚痴ってくる。

それも、同じような内容の愚痴を何度も聞かされるので、しばらくすると『これ、ゼミでやったやつだ!』と思うようになっていった。

同じような愚痴を何度も言うくらい、ワガママなメロちゃんに振り回されるのに、それでも、すぐにお迎えにいくことについては「それが、当たり前だから、特に理由はないのよ?」というのだった。

結局、このようなもじゃりんを観察していた、わたしは、このもじゃもじゃはワガママなメロちゃんに振り回されるのを楽しんでるのだな、と結論付けるに至ったのだった。

ラグマス以前からの

navelのメンバーは、ギルマスのもじゃりんと、パートナーのAメロさん、それともうひとりミレーユさんの3人と、後から入ってきたわたしの4人だった。

わたし以外の3人は、ラグマスを始める前からの付き合いで、結構長い間一緒に遊んできた仲らしく、お互いの事がよくわかっている、そんな雰囲気が感じられた。

ミレーユさんは、もじゃりんの不思議ちゃん具合と、Aメロさんの失礼さが嘘に思えるほどまともな人だった。

🐱(なので、話題が…スミマセン)

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