いつだって酒を片手に夜明けを待つ
「15%…… 何回書けば気が済むんだ」そう心の中で呟いた。
眼前には壁のような一本の道、その脇にはオレンジ色のひし形に15%の文字、チェーンはとうの昔にリアスプロケットの一番デカいギアに掛かっていて、右手の人差し指はシフトのボタンを空打ちする。
こんな感触は久々だ。息は上がり脚に溜まった乳酸は熱く広がる感じを味わう。
もうそろそろヤバいかもと思っていると拍子抜けにチェックポイントが現れた、ヤバかった。
ここは新潟県三条市、モノづくりの街と全国的には有名だが、私にとってはスノーピークをはじめとしたキャンプビジネスの一角であり米所である。
そんな三条周辺を舞台にしたRaphaプレステージ三条を走ってきたわけだが、正直私個人はプレステージは程々の回数走ったし、次は未経験な人たちに枠を譲るべきとも考えていた。実際に若狭にはエントリーせずしてスマホの液晶越しに観ていたわけだが、どうにも気になって仕方がない。
であれば我儘だが走るしかない。
新潟らしい米田んぼを横目に大きな山が無い分、一つ一つの坂のパンチが半端ない。最初のうちは勢いをつけて登坂していたもののcp2につく頃にはすでにパンチドランカー、脚なんか残っちゃいない。
何度参加してもいつも体力ギリギリなのはコースに対して余力を残すようなペース配分をしていないからだ。気持ち良いから仕方ない。同じメンバーだってそうに違いない、だから完走した瞬間の開放感というか安堵感は筆に尽くし難い。
新潟は良いところだ、こればプレステージに関わらず嫁の実家(上越)の周辺を走っても感じる、雪国なので決して路面が綺麗でもない、山が深くて抜ける展望がある訳でもない。それでもこの土地には良さがある、関東に移り住んでからその辺りの感度が高くなっているのも事実だが、ここにバイアスは掛かっていない。
また近々伺いたいものだ。
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