誘う黒狼
何時だっただろうか。
とある夏の昼下がり、私は岐阜から福井へ抜ける道で自転車を走らせていた。大きな国道を避け新緑豊かな脇道を登ると、景色の良い風景が目の前に広がる。山道では速度は落ち負荷が上がる、噴き出した汗を拭いながら、夢中でペダルを踏んでいた。
気持ちよい風の中、真っすぐに道を走っていたつもりが幾つもの分岐を過ぎ、周囲の雰囲気が変わってきた。どうやら私は道に迷ってしまったらしい。行けども目星をつけた国道に出れないのである。人通りもなく、車も走っていないこの場所、当然のように携帯の電波は沈黙し地図のアプリを見ることも出来ない、現代人の悲し所業。
日も傾き山の影も伸びる。必然としてあたりは急に薄暗くなる。それとは対照的に空は真っ赤に燃えている。
途方に暮れて大きな鳥居がある神社の近くを彷徨っていると、人が一人こちらに向かって歩いて来る、ここの来て以来初めて見かける人だ。これと言って特徴のない若い女性だが、首元に切り傷のような跡が見える。とりあえず近くの国道まで出られる道を聞き、礼を言い再び走り出す。
しかし教えてもらった道を走っても、国道には中々たどり着かない。同じような風景の田舎道ではあるが、再び大きな鳥居が見えてきた。もどってきてしまった様だ。
もう一度道を尋ねたいと思い辺りを見回すと、道路わきで佇んでいる白髪の老人がいる、しかたない道を聞こう。
しっかりと聞いた道順を進んでいくが気になることがある。先ほど道を尋ねた女性と同じような首の位置に傷があったのだ。不思議に思ったが、今は国道に戻ることが重要だ。
そして日も暮れ辺りが闇に包まれた。必死にペダルを踏み自転車を走らせたが、似たような景色の田舎道が薄暗い山中に続いているだけだ。
いい加減にしたい、また道に迷ってしまったのか、教えられた道が間違っているのか、走れど国道には出ない。そんな時、前方に背の小さな髪の長い子供の女の子が見えた。この際誰でもいい、子供だからと言って文句は言ってられない。
近づき声をかけて振り返った際におどろいた。靡いた髪の陰から首の傷が見えた。
もはや道を聞くどころではなく、必死に逃げ出し自転車を走らせた。
何処をどう走ったか覚えていないが、気が付くとタイヤがパンクしていた。
そんなときに便利なのがこのWOLF TOOTH 8-BIT PACK PLIERSだ。
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