同気相求む
「負けねー!」って言い放ったマツドは当時から少し前を走る自分にとって俗に言う”いけ好かない奴”に他ならなかった。
思えば結構な付き合いだが、石川県内灘で開催されたBangKing2011だったと思う、そこから自転車を繋いで走ってきた奴だった。
愛知と東京なので頻繁に会うことはなかったけど、何時も前を走っているから何時かは抜いてやると思っていたけど、そうは簡単に抜かせてはくれない。2012年に名古屋競輪場で開催されたVeloCityTourJapan2012では、予選3ヒートとも別のレースだが、お互い唯一の予選3戦とも全勝者同士で決勝へ。
結果はマツド優勝、自分3位とまたしても抜けなかったが、ある程度自身もあった自分の全部出しても勝てなかったから清々しかった。
そんな忌々しい程に前を走るマツドだが、自分の仕事の都合と縁あって東京に引っ越してきてから遊ぶ機会も増えた。だからなのか、当時から知っている山田カメラマンから私達に声がかかった。
「バイシクルクラブ7月号に特集組むから取材させて」
当時、山田カメラマンはネコ・パブリッシングでPedalSpeedと言うピストブーム全盛期の中でピストを前面に押し出した雑誌を作っていた人だ。もちろんVeloCityTourにも取材に来ていた。
当時からイベントではよく声をかけてもらい、写真も素晴らしいクオリティで沢山撮っていただいた。そんな山田さんからの声掛け、それもマツドとセットでだ。
4月のある日、3人で門仲の狭いアパートの一室に集まり企画を練った。
「俺たちだから出来る紙面を作ろう」
と意気投合し「誰でもやれる”コト”にフォーカスをせず、俺たちだけらやってる事やスタイルを出していこう」と言うことになり、すぐさま都内某所でグラベル遊びをする撮影を敢行した。そんな記事がバイシクルクラブ7月号として5月20日に発売されます。
ただ、その紙面だけ見ればよくあるグラベル記事に見えるかもしれませんが、元々は海外でモータスポーツ特にINDYCARシリーズを追いかけ回っていた山田カメラマンが切り取る写真は、特徴に溢れ一線を超えてきます。
また10年以上の付き合いの中で競技から始まり各々の生活スタイルも変わった中で、あの頃と変わらず面白い企画を出してくるマツド、そしてその企画を容認してくれた編集部、ありがとうございました。
Web全盛の今において紙で見ると言うのは時代に沿っていないかもしれないけど、情報は浪費していくだけでなく人の手を伝い、積み重なっていくものと思います。電子を否定する気は毛頭無いですが、私も気になる本は基本買います。そんな気合の入った紙面と写真。
とっておきの写真が一枚ありますが、それは紙面で大っきく使われていましたので、ここでは控えさせていただきます。
ぜひお手にとって見て読んでもらいたいと思います。
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