会合定数を求める手段

分子間相互作用を明らかにする方法としていくつかの方法があります。大事なのはわかることと濃度範囲です。会合定数と濃度の関係から、感覚的には会合定数の逆数の濃度ぐらいを詳しく測れば精度良く数値が決められます。二量体モデルを計算すると測定濃度程度が単量体と二量体が 1 : 1 で存在する程度ですので、一般的にその付近で測定することで有意な変化量が観測されます。

核磁気共鳴 (NMR) スペクトル
化学シフトの濃度変化や温度変化により議論できる。
熱力学的パラメータ、分子の会合構造を得られるチャンスがある。
比較的高濃度 ($${10^{–3}}$$ ~ $${10^{–2}}$$ M) が必要なので比較的
高濃度で変化するもののみ。つまり、相当会合しにくい分子が対象。

電子スピン共鳴 (ESR) スペクトル
マニアックな方法。
感度は NMR よりも高いので $${10^{–5}}$$ ~ $${10^{–2}}$$ M まで行けそう(溶媒の誘電率が高いと低濃度は難しい)。ただし、そもそも ESR アクティブな分子が少ない。また、ESR 装置が往々にしてダイナミックレンジが低いので、うまく感度調整する必要がある。さらに絶対強度をやるのは至難の業。少なくとも私はやりたくない。

紫外可視近赤外吸収 (UV-vis-NIR または 電子) スペクトル
吸収波長シフトの濃度変化や温度変化により議論できる。
熱力学的パラメータ、分子の会合構造を得られるチャンスがある。
低濃度も可能 ($${10^{–5}}$$ ~ $${10^{–3}}$$ M)。

発光スペクトル
発光波長のシフトの濃度変化や温度変化により議論できる。
熱力学的パラメータ、分子の会合構造を得られるチャンスがある。
かなり低濃度も可能 ($${10^{–6}}$$ ~ $${10^{–4}}$$ M)。ただし・・・かなり発光量子収率が高くないと低濃度は難しい。

X 線結晶構造解析
X 線の電子による回折現象を利用して電子の分布がわかる。
これを利用して原子の位置を解析する。ほぼ結晶に限定。

赤外吸収 (IR) スペクトル
主に分子間水素結合に関して情報が得られる。ほぼ固体に限定される。
溶媒を工夫すれば分子内水素結合と分子間水素結合の違いを見分けられる。

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