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【暗号通貨×ブロックチェーン】ポイントサービス

既存の法定通貨に不便を感じ、今日では便利性・安全性・コストという強みを持っている暗号通貨への注目が高まっています。暗号通貨とは、物理的に実際の通貨を持つ必要のない、ブロックチェーン技術を基盤とした仮想通貨の一種です。仮想通貨には、私たちの生活で親しみのある電子マネーとして使用されているポイントも含まれます。ネットでモノを購入することでサイトから一定のポイントが獲得できること、残高をチャージすることにより仮想通貨を貯めることができるということはごく普通のことでしょう。

今回は、普段からよく使われているポイントサイトのサービスが再度注目を集めている背景と今後のポイントサービスの姿に関して書いていきます。

今回紹介するビジネスモデルは、従来のポイントサイトとほとんど同じサービスです。しかし、ある特定のサイトのみで使用される電子マネーとしてのポイントではなく、ユーザーへ暗号通貨がポイントとして付与されるというところが新しい部分です。つまり、ユーザーは各自が得たポイントをどこでも使えるという便利なシステムとなります。このような動きが起きているのは、ここ数年でブロックチェーンが人気を集めたからではなく、既存のポイントサイトのビジネスモデルの収益悪化がその背景にあります。

既存のポイントサービスビジネスの限界/低迷

ポイントサービス全体ではユーザー数の成長率が鈍化しており、2014年から2016年までの2年間では15パーセントに留まる結果となりました。2012年から2014年までの2年間の伸び率は26パーセントだったので、明らかな下落と言えるでしょう。この結果は、ブランドに対する消費者の忠誠度を調べるコロクワイ・ロイヤルティ・センサスに起因することであり、2017年のアメリカおよびカナダの消費者約4,500名に対して行われた調査で判明しました。アメリカ国内のポイントサービスの会員のうち半数以上が休眠状態であったこと、また、3割近くの消費者が、一度もポイントやマイルを交換することなくプログラムの利用をやめているということもわかりました。

そのため企業は、デジタルコインが若年層の消費者からの注目を集め、こうした傾向を覆すことに期待を寄せています。ファインダー・コムの委託による、2,001名のアメリカ人を対象とした調査では、ミレニアル世代のおよそ2割がデジタル通貨を所有しているということが明らかになりました。ここに新たなビジネスチャンスがあるかもしれません。
加えて、このポイントやマイルからデジタルコインへの転換によって、サービス提供企業の純利益の数字が押し上げられる可能性も出てきました。交換されていないリワードポイントは企業の貸借対照表で負債扱いになることが多いのに対し、現金と交換できるデジタルコインならば負債として扱われない可能性があるためです。しかも、コインが交換された場合には、収益として計上されることすら考えられます。
(参考:富士通ジャーナル)

野村総合研究所の調査によると、家電量販店や携帯電話といった国内11業界の主要企業らが発行したポイントとマイレージの総発行額は2014年に約8500億円に達したということです。クレジットカードやネット通販、コンビニ業界などでポイント発行が増えるとみており、2020年度には1兆円を超えると予測されています。しかしながら、デジタルガレージなどがもくろむ仕組みが現実になれば、共通ポイントのビジネスモデルが揺らぎかねないという見解もあります。
スマートフォンのアプリなどを使ってポイント同士を瞬時に交換できるようになると、企業が共通ポイントを採用する利点といえる「顧客の囲い込み」の効果が弱まるからです。とはいえ、利用者目線としては、共通ポイント同士の交換が容易になれば、ポイントがどこでも使えるようになるということです。
(参考:日本経済新聞)

貯めたポイントを暗号通貨へ替えることができるサービス
1. moppy
2. LINE
3. ブロックチェーンアセットサービス
4. EZPOS

moppy

moppyは、基本的に企業が提供している案件をクリアすることでポイントを得ていきます。
たとえば動画サイトの会員登録をすることや、クレジットカードを発行することによってポイントが貯まっていくのです。
そして貯まったポイントはさまざまな方法でギフト券や現金と交換することができるのですが、その中にbitFlyerやCoincheckという仮想通貨取引所もあります。

また、仮想通貨に交換することを視野にいれるのならば、他にもメリットがあります。それは仮想通貨取引所でポイント還元するとリアルタイムで反映される点。たとえばギフト券などに交換する場合は数日程度時間がかかるのですが、bitFlyerならばすぐにポイントを仮想通貨に代えることができるのです。

仮想通貨の取引は時間が命ですから、これは嬉しいサービスと言えるでしょう。さらに手数料も無料ですから余計なお金がかかることもありません。
(参考:www.bitdays.jp)

LINE

LINEは2018年8月、独自開発のブロックチェーンを用いたコインを国内外で発行すると発表しました。発行したコインを用い、自社・他社サービスを利用できる「LINKエコシステム」を構築する予定です。日本向けには、LINEポイントと交換できる「LINK Point」を発行します。
同社が独自開発したブロックチェーンネットワーク「LINK Chain」を基盤に、日本向けの「LINK Point」と、海外向けの「LINK」という2つのコインを発行、LINK Chain上で展開される分散型サービス(dApps)などに使えるようにするという計画です。

両コインとも、LINEの既存サービス上でのアクション内容や貢献度に応じたインセンティブとして付与していきます。LINK Pointは、LINE上で1ポイント=1円として使える「LINEポイント」と交換できるようにし、LINEサービス上でのユーザー行動を促すことになります。LINKはBITBOXに上場させ、他の仮想通貨との交換も可能にする計画だそうです。

両コインとも、LINEグループでBITBOXを運営しているLINE Tech Plus(シンガポール)が発行します。LINK Pointは公開時点で不特定の相手との流通手段を用意せず、「日本の資金決済法で定める仮想通貨には当たらない」(広報担当者)ものとして運用するということです。
(参考:http://www.itmedia.co.jp)

ブロックチェーンアセットサービス

富士通は、ブロックチェーンを活用し、観光地や商業施設などの特定地域で利用可能なデジタルポイントやクーポンの流通を提供するクラウドサービス「ブロックチェーンアセットサービス」の販売を開始しました。

利用者は、特定の地域内に設置されたQRコードなどをスマートデバイスで読み込むことでデジタル化されたポイントやスタンプ、クーポンを取得し、特定地域内の店舗や商業施設で使用することが可能なクーポンなどに変換することができます。
さらにブロックチェーン上に記録されるポイントやスタンプ、クーポンなどの取得・使用データを利用者情報と紐づけて分析することができます。
これにより、利用者は観光客の商業施設内で開催されるイベントなどと本サービスを連動させることで、集客率の向上や購買意欲の増進につなげつつ、分析結果として得られる利用者の行動パターンやクーポンなどの使用状況などから、より地域活性化に効果的な戦略を立案することが可能になります。

ブロックチェーンアセットサービスの導入側は、イベントのアプリなどとブロックチェーンアセットサービスのAPIを連携させることにより、観光地巡りのイベントや商業施設のキャンペーンなどにおける集客率の向上や購買意欲の増進が期待できるといいます。
ブロックチェーン上に記録される利用者のポイント活用に関する取引情報と、ログイン連携機能を活用し収集される年齢や性別などといった個人を特定しない範囲での利用者情報とを紐づけすることで、利用者の嗜好や行動など詳細な分析が可能となり、今後の集客や販売戦略に活用することができます。

今後、富士通のブロックチェーンサービスがどのように展開するかにもよりますが、今までポイント提供サイトに企業や個人事業主が依存する形となっていたが、今後は自主的にサービスを導入し展開できることから、様々な可能性を引き出すことができるでしょう。
(参考:http://pr.fujitsu.com/jp/news/2018/06/6.html)

EZPOS

-ブロックチェーンを利用したポイントサービスを提供するICO
EZPOSとは、仮想通貨のブロックチェーン技術を利用したロイヤリティプログラムを提案するICOです。
ロイヤリティとは、いわゆる店舗などで利用する「ポイント」のことを指します。
日本でもお馴染の決済システムであるため、EZPOSはかなり日常に根づいたシステムの改革を目指しているICOだといえるでしょう。
そのため、投資家だけでなく一般ユーザーからも注目されています。普段の買い物が便利でお得になる可能性を秘めたEZPOSは、多くの投資によって新時代の決済として広まっていくかもしれません。

-ブロックチェーンでポイントシステムを運用する
EZPOSは仮想通貨のブロックチェーン上でポイント決済システムを運用し、より便利で簡単な取引を実現させるICOです。
これまでは店舗ごとに独自のポイントカードやクーポンを配布していたため、財布の中がごちゃごちゃになることも珍しくはありませんでした。
そのため、せっかくお得に使えるはずのポイントも消費者にとっては面倒で煩わしいものに過ぎないことが多かったのです。
しかしEZPOSならデジタルなポイントを貯めることができ、しかもEZPOSのプラットフォームを利用している店舗ならどこでも利用が可能となります。
これまでは管理すらままならなかったポイントカードが、EZPOSのシステムによって適切に保管と利用ができるようになるでしょう。
ポイントカードの本来あるべき状態を作りだすことになるので、EZPOSの普及が日々の買いものにお得な機会を与えていく可能性が高いと思われます。

-安全で簡単に使える利便性が武器
EZPOSではブロックチェーンにポイントの取引が記録されるため、公正で安全なポイント利用が可能となっています。
ポイントカードの不正利用や個人情報の流出などはこれまでに多々ありましたが、EZPOSのシステムではそういった不安がなくなるでしょう。
マーケットの幅が海外まで広がっていくことが予想される将来、EZPOSの安全なポイントカードはたくさんの大手企業に採用されるかもしれません。
そうなれば今後市場に参加していく新規企業も同じようにEZPOSのプラットフォームを利用する可能性が高まるので、EZPOSの未来はかなり明るいものとなります。
便利そうで不便だったこれまでのポイントカードのイメージを払拭することができれば、EZPOSは世界の新たな価値基準として認知されることでしょう。
(参考:www.bitdays.jp)

コスト削減に寄与するデジタルコイン

クローン・コンサルティング社のCEOリチャード・クローン氏は、ポイントサービス加盟店は、サードパーティーの決済処理企業に1年あたりで約350億ドルを支払っていると述べました。これはポイントに紐づけられたプリペイドおよびプライベートレーベルのクレジットカードについて、決済サービスを受けたことへの対価です。クローン氏によると、デジタルトークンを発行することで、この費用を最大8割近く節約することができるということです。ビジネスの世界では1割のコスト削減もかなりの費用となりますが、8割という金額は思った以上に大きなメリットがあると言えるでしょう。このような状況を構築できるのがブロックチェーン技術の力です。

金融系リサーチファームであるオートノモス・リサーチ社のレックス・ソコリン氏は、これから5~10年以内に、アメリカ国内の成人のうち5パーセントがブロックチェーンと暗号通貨が融合したポイントサービスを利用するようになり、関連するトークンの発行額は1年あたりおよそ約36億ドルに達すると述べました。また、彼は、今後10~20年以内に、アメリカ人の15パーセントがデジタルのポイントサービスを利用するだろうと見ています。

こうした状況の中、楽天は、ブロックチェーンベースのポイントサービス向けコイン供給業者における最大手になる可能性が出てきました。楽天のCEOである三木谷浩史氏は、2018年に独自のデジタルコインの発行計画を発表しており、このコインは楽天のECサイトで使うことが可能です。さらに、現金と交換することもできるため、かなりの便利性が期待されます。
(参考:富士通ジャーナル)

さいごに

以上のように、デジタルコインを活用することで社会全般へ大きなメリットをもたらすことがわかりました。日常生活では、まだまだ肌で感じられていないブロックチェーン技術の魅力ですが、今後その役割はますます大きくなるという見解がメジャーです。しかし、ブロックチェーン技術自体は別として、現在の仮想通貨つまり暗号通貨に対する人々の目線はあまりポジティブではないのが現状です。特に、投機目的のリスクの高い資産という捉え方をされている人々も少なくはないでしょう。しかしながら、徐々に規制が整っていくことで暗号通貨の市場が安定し、利用者も不安なく生活で使える時期が近づいていることは間違いないでしょう。経済のみならず、社会全体をより健全な姿へ導いてくれる救世主、ブロックチェーンに私たちが期待できることは多くあると考えられます。業界の担当者や規制当局の関係者だけではなく、全員で新しい時代を切り開いてみるのはどうでしょうか。
経験共有Q&Aキュカを通じて、少しずつブロックチェーンの魅力を日常で体験してみてください。

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